【悪ch】はじめてのおしおき

電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)翡翠電脳公社制作 シロメ納品 2023年05月21日 11時25分34秒

 ※※ 閲覧注意 ※※
 — Type addiction(アヴェラ・ウッチェロ) —

 高級そうな黒い箱に詰められた大量のショコラを前に鵙-玖は笑みを浮かべた。
「これがお仕置き? 簡単すぎない?」
『どうぞお好きに。さぁ、ひとつ目を』
 小さな部屋に電子加工されたアナウンスが響く。部屋にいるのはソファーに座る鵙-玖だけだ。これが戦績の悪さ故のお仕置きだとは知らされたが、その内容はあまりにも拍子抜けする。
「お菓子を食べるだけで良いなんて本当にお仕置きかしら。いいわ、さっさと終わらせましょう」
 箱に詰められた百のボンボンショコラの中から、二十個を食べる。
 鵙-玖が最初に選んだ物は煉瓦のような模様の四角いショコラ。食べる時は勿論、子供の様ではなく大人の様に上品に。
 口に入れるとショコラは鵙-玖のあたたかな舌の温度で溶け始め、とろりと溢れてくるのは痺れるような刺激が走る甘酸っぱいシロップ。甘過ぎるせいか、シロップが触れた所がどうしてかこそばゆくなっていく気がして。警戒はするものの、鵙-玖は口の中の物を飲み込んだ。大したことは無い、きっと。
『では二つ目を』
 アナウンスは次から次へと告げて、鵙-玖はその声に従っていく。異変が起きたのは五つ目、ルビーの様に鮮やかな赤いハートのショコラを飲み込んでからだ。舌の上に残るナッツを水と共に体内に流し込む。
「……ふぅ。少し暑くない?」
『気のせいでは? 六つ目を』
 無機質なアナウンスの言葉に反して、鵙-玖は少し前から暑さを感じていた。空調が効く気配が無ければ、鵙-玖はジャケットを脱いで側に置く。じんわりと肌が汗ばんでいる、やはり熱くなっているのだ。
 それに——。
『早く六つ目を』
「……少し待って欲しいのだわ」
 身体の制御が上手く出来なくなっている様な気がした。肌に触れる僅かな空気の流れ、なんて普段は気にしないものを感じてしまう。
 身体の内側と外側から、まるで羽根で撫でて擽られている様な。
 自分に何かが起きている。
 子供であれば、今のよく分からない状況を嫌がるだろう。怖いと駄々を捏ねるかもしれない。けれど、鵙-玖は大人なのだから。
 深く息を吐きだすと、もぞもぞと両膝(リムの頭)を擦り合わせる。気のせい。きっとこれは気のせいなのだ。
 鵙-玖は白いショコラへと手を伸ばす。カリ、と一口でかみ砕くと刻まれたナッツらしい何かとキャラメルが口腔に広がり、鵙-玖の内へととけていった。

※※ この動画はフィクションです。 ※※

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0