【鏡闘】Adolphus&Kreuz【静狂】
電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)ヴァイオレット・コンピューティング制作 伊治納品 2023年04月09日 22時54分03秒
●
アドルファスとクロイツはバトル前に先立ち、お互いの情報を共有し合っていた。
開幕時メインとする武器は、アドルファスが大型のライフル、クロイツも同様だがアドルファスよりも狙撃に向いているものだ。
「相手が俺なら、確実に開幕ヘッドショットを狙ってくるだろう。まず、頭を下げろ」
「理解した」
アドルファスは過去のバトルにおいて、初手でヘッドショットを撃っていると自身の攻撃パターンを話す。
バトルを決めるというより、ヘッドショットをどう対処するか見るという方が意味合いとしては正しいのだが、組むのが初めてである分対応を言った方がいい。
「俺なら開幕は膝を狙うだろう。機動力が邪魔だ。足を動かせる状態での回避活動を推奨」
「了解」
アドルファスはバトル開始後の方針を伝えた。
「俺は攻撃を避けつつ、敵の機動力を奪う。つまり、足を狙って狙撃しながら前へ出る」
「積極性の観点より、お前に攻撃を集めつつ、お前相当を早期に落とした方がいいだろう」
要は好きに動くというアドルファスへ文句も少しは出るかと思ったが、クロイツの反応は違った。
(やりやすそうだ)
初めて組む相手の過去のデータなど知りもしなかったが。
「俺モドキに集中攻撃し、まず落とす」
●
――これは真実の法廷である。
法廷においては、戦いで勝ち取ったものこそが真実。
それが真実以外の何物でもないことを、我々は全ての証人の前に宣言する。
参加者は肉体と精神の一切を賭け、真実を明らかにせよ。セッション・スタート――
バトル開始と同時にアドルファスはクロイツへ一瞥後、頭を低くして地を蹴った。
読み通り、アドルファスAIがクロイツへ頭部狙い、クロイツAIがアドルファスへ膝を狙って撃ってくる。
今回フィールドとして設定されているのは、遮蔽物が設置されたスタジアム――アドルファスは遮蔽物の合間を縫うように前進し、クロイツがアドルファスの目の前の遮蔽物を続けざまに撃って幕を張った。
アドルファスAIもアドルファスの足元を狙いつつ前進――近接の間合いに入る直前、アドルファスは軽く跳んだ。直後、その下をクロイツの一撃が飛んでくる。
着地と同時に自身のAIへ、左手からチェーンを鞭のようにしならせて迫った。
(俺なら同じ動きをする)
アドルファスの読み通り、AIも同じ挙動をしたが、すぐ脇の遮蔽物が弾け飛び、相手のチェーンの軌道を逸らした。
理解っていれば容易い――アドルファスは銃を絡め取って動きを封じ、右手甲からナイフを出現させた直後、相手もナイフを出現し、繰り出してくる。
レーザーナイフがぶつかり合い、力が拮抗する……!
「させるかッ!」
チェーンを振りかざした相手の鳩尾を蹴り、体勢を崩させた所でアドルファスはチェーンを解除、後方の遮蔽物へ飛び込んだ。
「――対象を確認」
クロイツは自身のAIからの妨害射撃を遮蔽物でやり過ごしつつ、自身のライフルの引き金を引いた。
チャージし威力を増した一撃がアドルファスAIに躊躇なく飛び――アドルファスが身を隠した遮蔽物が砕けるのと、アドルファスAIの戦闘不能はほぼ同時だった。
●
クロイツはアドルファスAIの戦闘不能を確認し、すぐに自身のAIへ意識を向けた。
遮蔽物を砕かれたアドルファスはそれを幕にしつつ、自身のAIへ距離を縮めている。
「……」
後に差し支えが出なければ多少のダメージは度外視、最終的に勝利すれば問題ない。
この点については意識の擦り合わせ済みともあり、クロイツは速度重視で自身のAIを狙い、引き金を引かせない。相手が接近してくる状態でチャージは不可能――恐らく接近戦準備に入る。そう、間合いを詰められたらそれで終わりではない。備えはある。
過去、接近戦はゼロではない。ならば、当然そうなるだろう。
「だろうな」
アドルファスへ隠し持っていたレーザーソードを向けたのが見えた。
アドルファスを遮蔽物にして斬りかかる辺りは自身の傾向がよく解る――故に、対処法も心得ている。
(普段ならチェーンに絡ませた銃を投擲している所だった)
そもそも銃はチェーンに絡まらず、また投擲する必要もない。
自身の攻撃傾向を理解したクロイツが速度重視で援護しているからだ。
(俺の回避行動を理解した上で撃つ躊躇のなさ――)
テンションが上がって、笑みを抑えきれない。
アドルファスはナイフを振りかざしクロイツAIの斬撃を受け止めると、すぐさま思い切り蹴りを入れ、後方に跳ぶ。鎖に絡まってなどいないライフルを構え、笑った。
「バトル終了だ」
直後アドルファスのライフルによる一撃でクロイツAIの戦闘不能が決まった。
●
「お疲れ様。業務が恙なく終わった。仕事の相性が良好だったと判断している」
「お疲れ様。戦いやすかった」
彼らは快勝とも言うべき勝利を挙げ、フィールドを後にした。
自身との戦い――視聴者からの反応も上々であったと彼らが聞くのは、少し先の話である。
アドルファスとクロイツはバトル前に先立ち、お互いの情報を共有し合っていた。
開幕時メインとする武器は、アドルファスが大型のライフル、クロイツも同様だがアドルファスよりも狙撃に向いているものだ。
「相手が俺なら、確実に開幕ヘッドショットを狙ってくるだろう。まず、頭を下げろ」
「理解した」
アドルファスは過去のバトルにおいて、初手でヘッドショットを撃っていると自身の攻撃パターンを話す。
バトルを決めるというより、ヘッドショットをどう対処するか見るという方が意味合いとしては正しいのだが、組むのが初めてである分対応を言った方がいい。
「俺なら開幕は膝を狙うだろう。機動力が邪魔だ。足を動かせる状態での回避活動を推奨」
「了解」
アドルファスはバトル開始後の方針を伝えた。
「俺は攻撃を避けつつ、敵の機動力を奪う。つまり、足を狙って狙撃しながら前へ出る」
「積極性の観点より、お前に攻撃を集めつつ、お前相当を早期に落とした方がいいだろう」
要は好きに動くというアドルファスへ文句も少しは出るかと思ったが、クロイツの反応は違った。
(やりやすそうだ)
初めて組む相手の過去のデータなど知りもしなかったが。
「俺モドキに集中攻撃し、まず落とす」
●
――これは真実の法廷である。
法廷においては、戦いで勝ち取ったものこそが真実。
それが真実以外の何物でもないことを、我々は全ての証人の前に宣言する。
参加者は肉体と精神の一切を賭け、真実を明らかにせよ。セッション・スタート――
バトル開始と同時にアドルファスはクロイツへ一瞥後、頭を低くして地を蹴った。
読み通り、アドルファスAIがクロイツへ頭部狙い、クロイツAIがアドルファスへ膝を狙って撃ってくる。
今回フィールドとして設定されているのは、遮蔽物が設置されたスタジアム――アドルファスは遮蔽物の合間を縫うように前進し、クロイツがアドルファスの目の前の遮蔽物を続けざまに撃って幕を張った。
アドルファスAIもアドルファスの足元を狙いつつ前進――近接の間合いに入る直前、アドルファスは軽く跳んだ。直後、その下をクロイツの一撃が飛んでくる。
着地と同時に自身のAIへ、左手からチェーンを鞭のようにしならせて迫った。
(俺なら同じ動きをする)
アドルファスの読み通り、AIも同じ挙動をしたが、すぐ脇の遮蔽物が弾け飛び、相手のチェーンの軌道を逸らした。
理解っていれば容易い――アドルファスは銃を絡め取って動きを封じ、右手甲からナイフを出現させた直後、相手もナイフを出現し、繰り出してくる。
レーザーナイフがぶつかり合い、力が拮抗する……!
「させるかッ!」
チェーンを振りかざした相手の鳩尾を蹴り、体勢を崩させた所でアドルファスはチェーンを解除、後方の遮蔽物へ飛び込んだ。
「――対象を確認」
クロイツは自身のAIからの妨害射撃を遮蔽物でやり過ごしつつ、自身のライフルの引き金を引いた。
チャージし威力を増した一撃がアドルファスAIに躊躇なく飛び――アドルファスが身を隠した遮蔽物が砕けるのと、アドルファスAIの戦闘不能はほぼ同時だった。
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クロイツはアドルファスAIの戦闘不能を確認し、すぐに自身のAIへ意識を向けた。
遮蔽物を砕かれたアドルファスはそれを幕にしつつ、自身のAIへ距離を縮めている。
「……」
後に差し支えが出なければ多少のダメージは度外視、最終的に勝利すれば問題ない。
この点については意識の擦り合わせ済みともあり、クロイツは速度重視で自身のAIを狙い、引き金を引かせない。相手が接近してくる状態でチャージは不可能――恐らく接近戦準備に入る。そう、間合いを詰められたらそれで終わりではない。備えはある。
過去、接近戦はゼロではない。ならば、当然そうなるだろう。
「だろうな」
アドルファスへ隠し持っていたレーザーソードを向けたのが見えた。
アドルファスを遮蔽物にして斬りかかる辺りは自身の傾向がよく解る――故に、対処法も心得ている。
(普段ならチェーンに絡ませた銃を投擲している所だった)
そもそも銃はチェーンに絡まらず、また投擲する必要もない。
自身の攻撃傾向を理解したクロイツが速度重視で援護しているからだ。
(俺の回避行動を理解した上で撃つ躊躇のなさ――)
テンションが上がって、笑みを抑えきれない。
アドルファスはナイフを振りかざしクロイツAIの斬撃を受け止めると、すぐさま思い切り蹴りを入れ、後方に跳ぶ。鎖に絡まってなどいないライフルを構え、笑った。
「バトル終了だ」
直後アドルファスのライフルによる一撃でクロイツAIの戦闘不能が決まった。
●
「お疲れ様。業務が恙なく終わった。仕事の相性が良好だったと判断している」
「お疲れ様。戦いやすかった」
彼らは快勝とも言うべき勝利を挙げ、フィールドを後にした。
自身との戦い――視聴者からの反応も上々であったと彼らが聞くのは、少し先の話である。