たべてたべてたべて、あいしてあいしてあいして

天魔大戦アポカリプス・ゼロ-四月革命- イベントノベル(テーマ)制作 真柄 葉納品 2022年05月11日 15時20分01秒

 天使とはなんと儚いのだろう。
 無限とも思える寿命を有するくせに、その生命力を燃やし尽くせば、一片の肉、一欠けらの骨すら残らずに塵に還る。
 あたかも最初からこの世界に存在していなかったかのように。

 ――それはあまりにも……もったいない。

 僕(私)の愛した者達が、敵(悪魔)の手にかかって屠られる。
 美しく清廉な白翼を血に染め。
 清らかな顔を苦悶に歪めて……消えて行ってしまう。

 消えたら最後、何も残らない。
 記憶すらも塵に還り、ほんとに何も……残らない。

 ――どうすればいい?

 どうすれば、あの美しい天使達を残せるのだろう。
 どうすれば、あの輝かしい微笑みを見続けていられるのだろう。

 ――考えなければ、この連鎖は止まらない。

 神が天使を生み出し、悪魔が天使を殺す。
 空いた席には、新たな天使が腰を据える。
 まるでパンのように、毎日毎日消費され。
 まるでパンのように、毎日毎日造られる。
 決して減る事のない天使の軍団。死と生の無限輪廻。

 ――虚しい。その輪廻に何の意味があるというのですか。

 純白の翼で体を包み、天使ギーゼラは考える。
 愛する者達の死を見つめながら。
 塵へと還る命を見つめながら――――。

 ――そうか。

 そのひらめきは突然にやってきた。
 この虚しい輪廻を終わらせる最上の方法(アイデア)。

 ――消えてしまうのなら、消える前に……一つになればいい。

 忘れ去られる存在を、自分の中へ『記録』すればいい。
 そうすれば、僕(私)だけは覚えていてあげられる。
 ずっと一緒に、居てあげられる。
 ずっと一緒に、生き続けてあげられる。

 ――もう、一人にはしません。

 塵へと還る寸前の天使の恐怖を心に刻み込んだ。
 悪魔と自らの血に濡れた天使の手を取った。

 ギーゼラ(僕)は高潔な微笑みを湛え、死の淵に立つ天使に微笑む。
 ギーゼラ(私)は艶やかな美声で、塵へと還る天使に囁く。

 ――僕(私)に全てを委ねてください。

 僕は、死を待つだけの天使の翼に、手をかけた。
 私は、死を待つだけの天使の背から、命の輝き(翼)を引きちぎり……喰らった。

 ――これで、ずっと一緒ですよ。

●
 全ての天使を愛し、全ての死を受け入れた。
 天使ギーゼラ。『魂を喰らう者(グリード)』。
 愛する者(死にゆく天使)を食べて。
 食べて食べて食べて食べて――。
 愛して愛して愛して愛して――。

 その行いに天は怒った。
 神罰を与えると、ギーゼラを脅した。
 しかし、そんな事ではギーゼラの愛は止まらなかった。

 そして――――。

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0