堕落への誘い
天魔大戦アポカリプス・ゼロ-四月革命- イベントノベル(テーマ)制作 おおくまねこ納品 2022年04月20日 10時15分26秒
●
「あれ。せっかくちょうどいい場所をみつけたと思ったのに、天使がいっぱいいる……これはさっさと逃げた方がいいですかね?」
暴食の悪魔レイヤ(レイヤ・ダライ=カホール)はお茶会をしようと当たりを付けていた空地に天使がたむろしているのを発見し、ぽりぽりと頬を掻いた。しかし――。
「悪魔が出たぞー! 蝙蝠のような翼に黒竜の鱗と尻尾。そして手にした銀の三叉槍。間違いない、あれは暴食の大悪魔レイヤだ!」
「大悪魔だって!? 俺達下級天使が敵う訳が無い! 逃げろー!」
天使達は蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。
「大悪魔? はて。わたしはせいぜい使い魔程度のしがない悪魔なのですが……」
レイヤは首を捻った。彼女は数多の人間達を堕落させたとして、天使達はもとより悪魔達の中でも畏怖されている存在なのだが、本人にはまったく心当たりがない。
「ともかく、場所が空きました。今ならあの場所をお借りしても大丈夫でしょう」
レイヤは原っぱに降り立つと、槍をくるんと旋回させて愛車を召喚した。それは童話に出てくるような可愛らしい悪魔がプリントされたキッチンカーであった。
「ふんふんふーん♪ 今日はチョコケーキを作りましょう!」
鼻歌を歌いながら、てきぱきとお菓子を作るレイヤ。オーブンにケーキを放り込むと、たちまち甘い香りがたちこめた。
「人間のみなさーん! わたしと一緒にケーキを食べませんかー! 美味しい紅茶も用意してありますよー!」
「あれ、悪魔がお茶会してる? 危ないのでは?」
「いや、彼女の表情を見てごらんなさい。敵意はなさそうよ」
人間達はレイヤのフレンドリーな態度に油断し、彼女とのお茶会を楽しんだ。
「ありがとう、とても美味しかったわ」
「明日もまた来てくださいねー」
笑顔で手を振る人間たち。しかし、レイヤがお茶会をしていた広場は、なんとヨガ教室の真後ろだった! 一生懸命ダイエットに勤しんでご婦人達は、毎日レイヤのケーキを食べて帰り、痩せるどころか体重が増えてしまった。
「やっぱりあの子は悪魔だったんだわ! なんて恐ろしい子!」
現実はいつだって、後から追いついてくる。例えば体重計に乗った時とかに。
「なんでみんな絶望してるのですか? まあ、その感情もおいしいからいいです♪……でも、ちょっとかわいそうですね、またおいしいお菓子を出してお茶会に誘いましょう!」
地獄への道は善意で舗装されている――。
「あれ。せっかくちょうどいい場所をみつけたと思ったのに、天使がいっぱいいる……これはさっさと逃げた方がいいですかね?」
暴食の悪魔レイヤ(レイヤ・ダライ=カホール)はお茶会をしようと当たりを付けていた空地に天使がたむろしているのを発見し、ぽりぽりと頬を掻いた。しかし――。
「悪魔が出たぞー! 蝙蝠のような翼に黒竜の鱗と尻尾。そして手にした銀の三叉槍。間違いない、あれは暴食の大悪魔レイヤだ!」
「大悪魔だって!? 俺達下級天使が敵う訳が無い! 逃げろー!」
天使達は蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。
「大悪魔? はて。わたしはせいぜい使い魔程度のしがない悪魔なのですが……」
レイヤは首を捻った。彼女は数多の人間達を堕落させたとして、天使達はもとより悪魔達の中でも畏怖されている存在なのだが、本人にはまったく心当たりがない。
「ともかく、場所が空きました。今ならあの場所をお借りしても大丈夫でしょう」
レイヤは原っぱに降り立つと、槍をくるんと旋回させて愛車を召喚した。それは童話に出てくるような可愛らしい悪魔がプリントされたキッチンカーであった。
「ふんふんふーん♪ 今日はチョコケーキを作りましょう!」
鼻歌を歌いながら、てきぱきとお菓子を作るレイヤ。オーブンにケーキを放り込むと、たちまち甘い香りがたちこめた。
「人間のみなさーん! わたしと一緒にケーキを食べませんかー! 美味しい紅茶も用意してありますよー!」
「あれ、悪魔がお茶会してる? 危ないのでは?」
「いや、彼女の表情を見てごらんなさい。敵意はなさそうよ」
人間達はレイヤのフレンドリーな態度に油断し、彼女とのお茶会を楽しんだ。
「ありがとう、とても美味しかったわ」
「明日もまた来てくださいねー」
笑顔で手を振る人間たち。しかし、レイヤがお茶会をしていた広場は、なんとヨガ教室の真後ろだった! 一生懸命ダイエットに勤しんでご婦人達は、毎日レイヤのケーキを食べて帰り、痩せるどころか体重が増えてしまった。
「やっぱりあの子は悪魔だったんだわ! なんて恐ろしい子!」
現実はいつだって、後から追いついてくる。例えば体重計に乗った時とかに。
「なんでみんな絶望してるのですか? まあ、その感情もおいしいからいいです♪……でも、ちょっとかわいそうですね、またおいしいお菓子を出してお茶会に誘いましょう!」
地獄への道は善意で舗装されている――。