天魔大戦~天使と悪魔の魔法遊戯~
天魔大戦アポカリプス・ゼロ-四月革命- イベントノベル(テーマ)制作 空色みなも納品 2022年04月03日 10時01分15秒
●
天使と悪魔の総力を挙げた衝突、天魔大戦アポカリプス・ゼロ。
その片隅で行われた、一組の天使と悪魔の戦いがあった――。
●
「さて、指定された場所まで来ましたが――」
白き翼を広げた天使が、天より舞い降りる。
火の中級天使、ルアンナ(ルアンナ・ミュラー)だ。
よく見ると、その手には『果たし状』と書かれた封書が収まっていた。
「よく逃げずに現れましたね。そこは褒めて差し上げましょう」
それを地の底より飛び立って出迎えたのは、怠惰の悪魔ハルア(雨利 晴花)。
その背にはルアンナと対照的な黒の翼が背負われている。
ハルアはライバルであるルアンナとまさに白黒をつけるべく、ルアンナに果たし状を送り付けていたのだ。
「御託は聞き飽きました。私は勝負のためにここへ来たんです」
「ええ、では早速ですが始めましょうか」
ルアンナの言葉に、ハルアが好戦的な笑みを浮かべて右手を振りかざす。
するとルアンナへ向け苛烈な魔法が放たれる――のではなく、二人の間を隔てる空間に、光が線を描いていく。
光線は空間を格子状に区切っていき、天地、東西、南北の三方向がそれぞれ三等分されたキューブ状のフィールドを生み出した。
「セットアップ!」
ルアンナが声を張り上げると、天の端に四個の白い球体が現れる。
金色に光る複雑な模様を描かれた球体は、天使と同じく白い翼を生やし、宙に浮いていた。
見れば、ハルアも地の端に四個の球体を呼び出していた。
こちらはやはり悪魔のように黒い翼を生やした、黒い球体である。
「最初は私の先攻です。先攻後攻を入れ替えてもう一戦、二勝先取でいいですね? もし三戦目があれば先攻後攻はランダムに決めましょう」
「ええ、望むところです」
ハルアはルアンナが頷いたのを確認すると、黒い球体の一つに指示を出す。
すると、指示を受けた球体が天へ向かって一マス分、ふわりと浮かび上がった。
そう、二人が今から行おうとしているのは、魔法を用いてコマを動かし、勝敗を競う遊戯であり。
ルアンナとハルアがライバルというのは、この魔法遊戯においてなのだ。
「ふむ、ここは取っておきましょう」
ルアンナは自陣である天に布陣していた白い球体を一マス、地の方向へ下げ、先ほど攻め上がって来た黒い球体の位置へと重ねた。
すると白い球体が黒い球体にぶつかり、黒い球体は木っ端みじんに吹き飛んだではないか。
どうやら、この遊戯ではコマを一マスずつ動かしながら、位置を重ねた相手のコマを破壊することができるらしい。
「このまま手薄になった自陣に攻め込まれてはまずいですね」
ハルアが呟きながら自陣に向けて手をかざすと、そのうち空いた一マスの景色が揺らぐ。
すると空間そのものがねじれるようにして、その場に黒い球体が一つ、呼び出されていた。
この黒い球体は何も新たに生み出されたものではない。
であれば、どこから現れたのか――。
それは、過去からである。
実は同様の立体的なフィールドが、過去の世界と未来の世界にもそれぞれ広がっており。
過去と未来、それぞれの地の陣と天の陣にも四個ずつのコマがあらかじめ配置されていたのだ。
そして、コマは同じ座標の過去と現在、現在と未来の間も一マス分の移動で行き来することができる。
これは人智を越えた天使と悪魔の魔法遊戯――。
過去と未来をも見通す能力が可能とする、四次元遊戯なのだ。
「守りに入りましたか。でも私はそのままコマを突き入れますよ?」
ルアンナは黒い球体の出現にも慌てず騒がず、先ほど地の方向へ進めた白い球体を、今度はさらに地方向の端――ハルアの陣まで進める。
この遊戯では、コマを相手の陣のどこかに突入させ、さらに一手番使って『突破』することができれば勝利することができるのだ。
「そうはさせません」
ハルアは先程、過去から呼び寄せた黒い球体を移動させ、自陣に攻め込んだ白い球体を破壊する。
すると――破壊された白い球体から、紅い閃光が迸った。
「ふふ、それは殉教者ですよ」
「まあ、そうでしょうね。ですが今はそちらのコマを減らすのも大事ですから」
ほくそ笑むルアンナに、あくまで冷静に返すハルア。
殉教者というのは、各陣営十二個あるコマのうち、四個ずつ最初に仕込まれている特殊なコマだ。
外見からは区別がつかないが、破壊すると赤い光を発して、相手を呪う。
四個とも破壊された場合、相手への呪いが完成し、この場合も勝利となる。
ただし『突破』を行うことはできないため、迂闊に相手の陣へ踏み入れると正体がバレる可能性もあるため注意が必要だ。
「互いにコマは残り十一個。でもそちらはすでに私の殉教者を一つ破壊している――私が有利ですね?」
「最後まで勝負は分かりませんよ?」
勝ち誇るルアンナの目を、ハルアは真っすぐに見つめ返す。
その様は、二人の目の間に火花が散っているのが見えるかのようであった。
天使と悪魔の総力を挙げた衝突、天魔大戦アポカリプス・ゼロ。
その片隅で行われた、一組の天使と悪魔の戦いがあった――。
●
「さて、指定された場所まで来ましたが――」
白き翼を広げた天使が、天より舞い降りる。
火の中級天使、ルアンナ(ルアンナ・ミュラー)だ。
よく見ると、その手には『果たし状』と書かれた封書が収まっていた。
「よく逃げずに現れましたね。そこは褒めて差し上げましょう」
それを地の底より飛び立って出迎えたのは、怠惰の悪魔ハルア(雨利 晴花)。
その背にはルアンナと対照的な黒の翼が背負われている。
ハルアはライバルであるルアンナとまさに白黒をつけるべく、ルアンナに果たし状を送り付けていたのだ。
「御託は聞き飽きました。私は勝負のためにここへ来たんです」
「ええ、では早速ですが始めましょうか」
ルアンナの言葉に、ハルアが好戦的な笑みを浮かべて右手を振りかざす。
するとルアンナへ向け苛烈な魔法が放たれる――のではなく、二人の間を隔てる空間に、光が線を描いていく。
光線は空間を格子状に区切っていき、天地、東西、南北の三方向がそれぞれ三等分されたキューブ状のフィールドを生み出した。
「セットアップ!」
ルアンナが声を張り上げると、天の端に四個の白い球体が現れる。
金色に光る複雑な模様を描かれた球体は、天使と同じく白い翼を生やし、宙に浮いていた。
見れば、ハルアも地の端に四個の球体を呼び出していた。
こちらはやはり悪魔のように黒い翼を生やした、黒い球体である。
「最初は私の先攻です。先攻後攻を入れ替えてもう一戦、二勝先取でいいですね? もし三戦目があれば先攻後攻はランダムに決めましょう」
「ええ、望むところです」
ハルアはルアンナが頷いたのを確認すると、黒い球体の一つに指示を出す。
すると、指示を受けた球体が天へ向かって一マス分、ふわりと浮かび上がった。
そう、二人が今から行おうとしているのは、魔法を用いてコマを動かし、勝敗を競う遊戯であり。
ルアンナとハルアがライバルというのは、この魔法遊戯においてなのだ。
「ふむ、ここは取っておきましょう」
ルアンナは自陣である天に布陣していた白い球体を一マス、地の方向へ下げ、先ほど攻め上がって来た黒い球体の位置へと重ねた。
すると白い球体が黒い球体にぶつかり、黒い球体は木っ端みじんに吹き飛んだではないか。
どうやら、この遊戯ではコマを一マスずつ動かしながら、位置を重ねた相手のコマを破壊することができるらしい。
「このまま手薄になった自陣に攻め込まれてはまずいですね」
ハルアが呟きながら自陣に向けて手をかざすと、そのうち空いた一マスの景色が揺らぐ。
すると空間そのものがねじれるようにして、その場に黒い球体が一つ、呼び出されていた。
この黒い球体は何も新たに生み出されたものではない。
であれば、どこから現れたのか――。
それは、過去からである。
実は同様の立体的なフィールドが、過去の世界と未来の世界にもそれぞれ広がっており。
過去と未来、それぞれの地の陣と天の陣にも四個ずつのコマがあらかじめ配置されていたのだ。
そして、コマは同じ座標の過去と現在、現在と未来の間も一マス分の移動で行き来することができる。
これは人智を越えた天使と悪魔の魔法遊戯――。
過去と未来をも見通す能力が可能とする、四次元遊戯なのだ。
「守りに入りましたか。でも私はそのままコマを突き入れますよ?」
ルアンナは黒い球体の出現にも慌てず騒がず、先ほど地の方向へ進めた白い球体を、今度はさらに地方向の端――ハルアの陣まで進める。
この遊戯では、コマを相手の陣のどこかに突入させ、さらに一手番使って『突破』することができれば勝利することができるのだ。
「そうはさせません」
ハルアは先程、過去から呼び寄せた黒い球体を移動させ、自陣に攻め込んだ白い球体を破壊する。
すると――破壊された白い球体から、紅い閃光が迸った。
「ふふ、それは殉教者ですよ」
「まあ、そうでしょうね。ですが今はそちらのコマを減らすのも大事ですから」
ほくそ笑むルアンナに、あくまで冷静に返すハルア。
殉教者というのは、各陣営十二個あるコマのうち、四個ずつ最初に仕込まれている特殊なコマだ。
外見からは区別がつかないが、破壊すると赤い光を発して、相手を呪う。
四個とも破壊された場合、相手への呪いが完成し、この場合も勝利となる。
ただし『突破』を行うことはできないため、迂闊に相手の陣へ踏み入れると正体がバレる可能性もあるため注意が必要だ。
「互いにコマは残り十一個。でもそちらはすでに私の殉教者を一つ破壊している――私が有利ですね?」
「最後まで勝負は分かりませんよ?」
勝ち誇るルアンナの目を、ハルアは真っすぐに見つめ返す。
その様は、二人の目の間に火花が散っているのが見えるかのようであった。