第一話 サーペント寮の問題児、アステル!

王立アプリーリス魔法学院 イベントノベル(テーマ)制作 おおくまねこ納品 2021年04月17日 23時49分02秒

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「授業に出るより、やっぱり動き回るのが一番だよなー!」
 こっそりと授業を抜け出すことに成功したアステルは、学園の校舎の屋根の上でうーん、と伸びをした。彼はこのアプリーリス学園の6年生なのだが、時折、こうやって退屈な授業を脱走することがある問題児であった。ちなみに所属寮はサーペント寮。勤勉でインテリが多いサーペント寮に何故彼のような脳筋がいるのかと、周りの生徒はみな不思議がっている。
「さて、なんか面白そうなことやってないかなー。ドラゴン退治の実技とか、魔導ロボットの起動実験とか……」
 アステルが屋根の上からきょろきょろと、何か体を動かせそうなことはないかと学園を見渡していると。
「おーい! アステル! こっちで一緒に遊ぼうぜ!」
 運動場で球技をしていた生徒達がぶんぶかと手を振ってきた。アステルは手を振り返すと、学園の校舎の壁を垂直に駆け降り、運動場へと馳せ参じた。
「ちわーす! 何やってるんだ?」
「爆弾フットサルだ! ボールの代わりに火の球の精霊を使うんだ。たまに蹴った瞬間に爆発する。面白いだろー! アステルもやる?」
「やる!」
 アステルは即答した。
「そうこなくちゃ! じゃあお前はドラゴンチームな」
 アステルはドラゴン寮チームに混ぜられた。相手はグリフォン寮チームだ。

「くそ! アステルの奴、速え!」
「へへーんだ!」
 すばしっこいアステルは攻めに守りに活躍していた。騎士の跡継ぎや魔法戦士団志望者が多く、総じて運動能力が高い傾向にあるグリフォン・ドラゴン寮の生徒達相手にも劣らない運動能力だ。

「うおおおっ! 強化魔法を乗せたドライブシュートッ!」
 ドラゴンチームの生徒が魔力を全開にし、渾身の力でシュートした。ボールの爆発を恐れない危険な賭けだ! その賭けは成功し、ボールは凄まじい勢いでゴールへと飛んでいく。
「させるかぁああっ!」
 アステルは俊足でボールに追いつき、空中逆さキックでボールをセーブした!
「なにぃっ! あのシュートを止めやがった!」
 驚愕する生徒達。これでボールは場外だ。ドラゴン寮チームで試合は再開、だと思ったが。強く弾かれたボールはグリフォン寮に向かって猛スピードで飛んでいき、寮の壁に直撃。大爆発を起こした。
「やべっ。あれ、誰の部屋だっけ……?」
 青ざめる学生たち。その内の一人が悟ったような表情で言った。
「確か、ウィリアム・リーンエス寮長の部屋だな」
(つづく)

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アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0