【乙因】契約妖神が一体だけだと疑いもしなかったから

清和アヤカシ闘乱帖 イベントノベル(テーマ)拝み屋制作 逆咲 竜紀納品 2026年04月29日 20時01分14秒

 百舌(アヴェラ・ウッチェロ)という少女はその姿に反して戦える娘だった。
 ひとたび杖を振るえば虚の頭上から一本の雷の柱が降り注ぐ。それをすんでのところで回避できたとしても、次に襲うのは杖から放たれる範囲の広い雷撃だ。
 彼女の攻撃は中~遠距離の雷による攻撃が主。かといって近距離に攻め込まれた場合も仕込み杖の刀で防戦することができた。雷の網を具現化し追い込むというような搦め手な戦法だってとる。その為普段はこの程度の虚一体の討伐にさほど時間がかかることはないのだが、どうやら今日の相手は少々体が頑丈なようだ。ここまでの戦いで虚も彼女の動き方とその攻撃方法をよく見、そしてその体に受けていた。
 当初は避けきれず電撃を浴びることが多かった虚も、回避の精度が上がっていく。同時に虚の爪が、彼女の体まで届く範囲に攻め込まれることが増えていた。戦いの中で一刻も早く少女を殺す為にこの自我のない獣は適応していったのだ。

 次で終わらせるといわんばかりに足に力を込め百舌へと躍りかかる虚。この距離ならできたとしても範囲攻撃の雷撃、しかしそれなら避けるほどのものではない。少女は虚の爪から逃げるかそれとも刀で止めるか。しかし彼女は目の前に杖を突きだし――。

 ポンッ。

 そんな音と共に虚の顔の前で何かが破裂した。予想外の反撃に思わず体勢を変えて一度後方へ下がる。
 衝撃はあれど痛みはない。何かが喉に入りこみ咽るような感覚があったがそれもすぐに薄れた。
 今のは何だ。そして虚は気付くだろう。己へと向けられた少女の杖の纏う妖気の質が先ほどとまったく違うことを。

 ぎちり、ぎちり。腹の中で勢いよく膨らむ何か。異変を感じる間もなく、その口から大量の蔓があふれ出し体がはじけ飛ぶのはそのすぐ後のことだった。

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「完全に勝ったと思ってたのに!」
『残念でしたね~、お疲れ様でした。さっそくですが死因は?』
「いや、だれが使役妖神が2体いるって思うよ!?」
『なんだかんだ雷の攻撃は全部対応できそうでしたからね~。あれだけならもしかしたらがあったかもしれませんが』
「まさか途中で切り替えて植物で体内から攻撃しかけてくると思わなかったぜ。よくもまああんな正反対そうな妖神を2体も契約してるわ、すげーなあいつ」
『あ。ちなみにですが、彼女が契約してるのは2柱じゃなくて全部で6柱です。なのであと他に別の属性が4柱います』
「なんて?」
『決めつけはよくないってのがわかりますね』

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0