台本『AnnihEpica(アニエピカ) -幻創の箱庭- page_15318』

ボイス台本制作 真柄 葉納品 2021年02月25日 12時51分43秒

「ダメ、まだダメだよ。もっと……もっと、僕(ぼく)を見(み)て。貴方(あなた)の世界(せかい)に他(ほか)のモノが映(うつ)らなくなるくらい私(わたし)を見(み)て。フフフフフ……痛(いた)いよね、苦(くる)しいよね。でも大丈夫(だいじょうぶ)だよ。僕(ぼく)がここに居(い)るもの。貴方(あなた)を一瞬(いっしゅん)で癒(いや)してしまえる、私(わたし)がここに居(い)るわ。だから安心(あんしん)して、例(たと)えどんなに血(ち)を流(なが)したとしても、例(たと)え何(なに)を失(うしな)ったとしても、貴方(あなた)は死(し)にはしない。私(わたし)が傍(そば)で診(み)ているもの、僕(ぼく)が貴方(あなた)をずっと見(み)ているから、何(なに)も怖(こわ)がらなくてもいいんだよ?」


血を失い朦朧とする意識の中、耳元で囁かれるのは甘い甘ーい言葉。痛みと苦しみへの決別を確約する甘言を、彼は――彼女は囁き続ける。
床に倒れた俺に馬乗りで。俺の血にまみれる事もいとわず、肌を寄せて。
熱く火照った吐息で語り掛けてくる。雑音で搔き消えてしまわぬように、耳元で――。

『……だから、私以外要らないって、ちゃんと言葉にして言えるかな?』

恋する乙女の様に、子供を慈しむ母の様に、囁きかけてくる。

この苦しみが消えるのなら、彼の望みに従おう。死への恐怖が終わるのなら、彼女へ言葉を返そう。
戦場に舞い降りた慈愛と狂気の天使。彼――彼女の名は、ギーゼラ。俺の生への希望。そして、死への――。

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0