泡沫な蒼海の中で
4周年イベントノベル(テーマ)制作 真柄 葉納品 2024年10月05日 22時50分54秒
「ねぇ、ハーヴィ! 見て見てこれ、変な顔してる!」
「変な顔って、流石にそれはお魚にしつれ――――うわ、ほんとに変な顔!」
「でしょっ!」
イーラたっての願いという事で、水族館なる場所へとやってきたんだけど……何と言うか凄かった。
展示物はもちろんなんだけど、その設備の凄さに驚いた。これが異世界の技術か……。
僕は珍しい魚たちよりもそっちの方が気になったんだけど、彼女としてはやっぱり展示物の方に興味を持ったみたい。
さっきから、巨大な水槽の中で泳いでいる見た事もない魚たちに興味津々、目をらんらんと輝かせている。
「このいが栗みたいなのはな――――う、動いたっ!?」
「これはウニって呼ばれる生物みたいだね」
「これも魚なの……?」
「魚、とは少し違うみたい。でも、美味しいんだって」
「美味しいのっ!? そうか、やっぱり中身は栗なのね!」
「い、いや、栗ではないんじゃないかな。だって栗は動かないでしょ。多分、違うものだと思うよ」
こんな感じで、ずっと異世界を楽しんでる。
元居た世界では本当に色々なことがあったけど、そんなのが全部夢だと言わんばかりに、こっちの世界はすごく平和だ。
こんな場所があればいいのにと夢見ていた世界が、今現実に目の前にある。
彼女も終始にこやかだ。その笑顔から、心の底からこの世界を楽しんでいるのだとわかる。
それが本当に嬉しい。
そして、これが本来の彼女の姿なんだろうなと思う。
何の使命も責務もない、ただの目の前のことを全力で楽しむ年相応の女の子。
あるいはこれは本当に夢なのかもしれない、
だけど、それでもいい。
だって、ここでは彼女が心の底からから笑ってくれるのだから――――。
「――――ハーヴィ!」
「……うん? どうしたの?」
「どうしたの、じゃないわよ。そっちこそどうしたのよ、ぼーっとして」
「ああ、ごめん。何でもないよ。あ、そういえば、もうすぐオルカショーの時間だね。そろそろ移動する?」
「そうだったわ、オルカ! わたし、見るの初めて! ほら、ハーヴィ! 早く早く! 急がないといい席埋っちゃう!」
「わわ、そんないい急がなくても大丈夫だって。オルカは逃げたりしないから。それに、”いい席”って、かぶるみたいだよ?」
「かぶる……? え、なに、どういうこと?」
「どういう事だろうね?」
二人して首を傾げつつも、僕は彼女の手を取って屋外のプールへと足を向けた――――。
「変な顔って、流石にそれはお魚にしつれ――――うわ、ほんとに変な顔!」
「でしょっ!」
イーラたっての願いという事で、水族館なる場所へとやってきたんだけど……何と言うか凄かった。
展示物はもちろんなんだけど、その設備の凄さに驚いた。これが異世界の技術か……。
僕は珍しい魚たちよりもそっちの方が気になったんだけど、彼女としてはやっぱり展示物の方に興味を持ったみたい。
さっきから、巨大な水槽の中で泳いでいる見た事もない魚たちに興味津々、目をらんらんと輝かせている。
「このいが栗みたいなのはな――――う、動いたっ!?」
「これはウニって呼ばれる生物みたいだね」
「これも魚なの……?」
「魚、とは少し違うみたい。でも、美味しいんだって」
「美味しいのっ!? そうか、やっぱり中身は栗なのね!」
「い、いや、栗ではないんじゃないかな。だって栗は動かないでしょ。多分、違うものだと思うよ」
こんな感じで、ずっと異世界を楽しんでる。
元居た世界では本当に色々なことがあったけど、そんなのが全部夢だと言わんばかりに、こっちの世界はすごく平和だ。
こんな場所があればいいのにと夢見ていた世界が、今現実に目の前にある。
彼女も終始にこやかだ。その笑顔から、心の底からこの世界を楽しんでいるのだとわかる。
それが本当に嬉しい。
そして、これが本来の彼女の姿なんだろうなと思う。
何の使命も責務もない、ただの目の前のことを全力で楽しむ年相応の女の子。
あるいはこれは本当に夢なのかもしれない、
だけど、それでもいい。
だって、ここでは彼女が心の底からから笑ってくれるのだから――――。
「――――ハーヴィ!」
「……うん? どうしたの?」
「どうしたの、じゃないわよ。そっちこそどうしたのよ、ぼーっとして」
「ああ、ごめん。何でもないよ。あ、そういえば、もうすぐオルカショーの時間だね。そろそろ移動する?」
「そうだったわ、オルカ! わたし、見るの初めて! ほら、ハーヴィ! 早く早く! 急がないといい席埋っちゃう!」
「わわ、そんないい急がなくても大丈夫だって。オルカは逃げたりしないから。それに、”いい席”って、かぶるみたいだよ?」
「かぶる……? え、なに、どういうこと?」
「どういう事だろうね?」
二人して首を傾げつつも、僕は彼女の手を取って屋外のプールへと足を向けた――――。