ある日の幸せな休日
キャラクターノベル(グループ)制作 ウケッキ納品 2024年06月07日 08時47分52秒
●ある日の幸せな休日
それは未来の話。
幸せな家族の姿。
ある晴れた昼下がり。
緩やかな丘がある草原に【アリッグ・レイダー】と【シルク・メイプルリーフ】は子供たちとピクニックにやって来ていた。
広めの布を広げ、シルクはその上に座っている。傍らにはお弁当がたくさん詰まったランチバスケットが置いてある。
「あんまり遠くに行かないでくださいねー? そろそろご飯ですからぁー」
座っているシルクは子供たちと遊ぶアリッグの方へ、手を振りながらそう言った。
次男である【テシオス】を肩に乗せ、次女の【ルナ】と手を繋ぎながらアリッグは少しだけ振り返ってシルクの言葉に応えた。
「わかってる! そこまで遠くには行かないよ……っと、ルナ、そこまで引っ張るんじゃない。虫さんは逃げないよ」
「でも、跳ねてどっか行っちゃうってば! ほら、パパ早くー!」
手をぐいぐいと引っ張るルナと違い、肩に乗ったテシオスは晴れた青空を飛ぶ鳥を眺めている。
「すっげー……なんで、あんな高く跳べるんだろうなぁ」
そんなテシオスにアリッグは笑いながら答えた。
「鳥はな、風を翼に抱いて高く飛ぶんだ。風に乗ってるって言い方が近いかもな」
「そうなの!? 鳥って美味いだけじゃなくってやるじゃん! あ、ちょっと腹減ったかも」
びっくりしながら感心しているテシオスを見て、ルナも同意する。
「うんうん、凄いよね。唐揚げにしても美味しいし、シチューやカレーに入ってても美味しいもん」
そんなルナやテシオスを見て、アリッグは軽く溜め息をつく。
「はぁ、お前たちは全く……こういう話の時ぐらいはメシから離れろ。誰に似たんだか」
そう言いながらも愛する妻の面影を息子や娘に見た彼は嬉しそうに笑うのだった。
シルクはじきに戻ってくるであろうアリッグたちの為に、ランチバスケットを開いてサンドイッチやフライドチキンの入った弁当箱を取り出していく。それらは中々の量があり、お重のように重なった箱がいくつも並んだ。まるで花見の宴会のように。
いつものことだと、その量に特に驚くこともなく長女の【アリシア】は用意を手伝いながらシルクへと話しかけた。
「お母さん、唐揚げの味付け……大丈夫だったかしら? まだ、その、ちょっと不慣れだし」
まだ小さいながら、弟や妹の面倒をよく見る彼女は年よりも大人びて見えた。その容姿はシルクによく似ている。
心配そうなアリシアにシルクはにこやかな笑顔を見せながら頭を撫でる。
「大丈夫ですよ。あんなに頑張って作ったんですもの。きっと、お父さんたちは食べ過ぎちゃうぐらいですよ」
「えへへ、そうかな。うん、そうだといいなぁ」
はにかむように笑ったアリシアはシルクとよく似た笑顔を見せた。
そんな二人の隣で、長男の【リオ】は眼鏡を指で上げながら遊んでいるアリッグたちをちらちらと見ている。
それに気づいたシルクはリオに優しく話しかけた。
「どうしたの、リオ? 遊びたいなら、行ってきてもいいですよ?」
「いや、僕は……ああいう子供っぽい遊びは、べ、別に……興味とかないですし」
それでも、ちらちらと視線をアリッグたちに向けている彼の眼はどこか羨ましそうに見えた。理屈っぽいからか、少々素直になれない所が彼にはあるようだ。
ふふっと笑ったシルクは、ぎゅっとリオを抱き締めて頭を優しく撫でた。
「それじゃあ、皆が怪我しないようにリオが傍で見ててくれますか? そしたらお母さんは安心なんですけどね」
それを聞いたリオは少し恥ずかしそうにしながら立ち上がり、照れ隠しにそっぽを向きながら言う。
「し、仕方ないですね。いいですよ。お母さんが言うなら。僕があの危なっかしい彼らを見ててあげます」
それだけ言うと、リオはアリッグの元へ駆けていく。その顔はとても嬉しそうだ。
「……素直じゃない。もっと素直になれば、いいのに」
シルクの隣に座って本を読んでいた三女【ルシオーネ】は本から視線を上げ、走るリオの背中を見ながらそう呟いた。
「ふふ、そうですね。誰に似たんでしょうねぇ」
楽しそうにくすくすとシルクは笑うのだった。
少ししてからアリッグたちが戻り、楽しいお昼ご飯の時間が始まった。
開かれた弁当箱には、肉や魚に始まり、多種多様な料理が並ぶ。揚げ物に炒め物、焼き魚にサンドイッチ。バリエーションはとても豊かだ。
心配そうにアリシアが見守る中、唐揚げを頬張ったアリッグはパッと顔を明るくする。
「お、これ美味いな! 衣と肉に染み込んだ濃い味が疲れた体に嬉しいぞ」
「ほんとに? 良かったぁ……ダメだったらどうしようかと」
ホッと胸撫で下ろすアリシアにシルクは、ほら大丈夫ですと笑いかける。つられてアリシアも笑顔になった。
卵サンドをかじっているリオを見て、テシオスはにやにやしながら言う。
「おい、兄さん。また卵かよ? もっと肉食わねえと父さんみたいに強くなれないぞ?」
「うるさいですね。好きだからいいんです。それに卵の栄養素はとても高くって……」
説明を始めようとしたリオを見て、テシオスは自分の耳を塞いだ。
「あーあー聞きたくねえってば。遊びに来てるのに、勉強はごめんだっての!」
「いいですか、知識というものは日頃の――」
そんなリオとテシオスのやり取りを見て、ルシオーネは呆れた目を向けている。なお、ルシオーネはちゃっかりアリッグの膝の上だ。
「……ばかばっか。もっと静かに……食べて、欲しい」
アリッグはルシオーネを撫でながら、楽しそうに笑う。
「ははは、兄弟仲が良いってのは良いことだ。きっと、大きくなってから助けになることもあるだろ」
「そうですね、ほら……あーん」
シルクがサンドイッチを一つ掴んで、アリッグの口へと持っていく。アリッグは、はむっとサンドイッチを頬張った。ベーコンとレタスの旨味が口に広がる。
「ああー! パパがママといちゃいちゃしてるー! いいな、いいなー!」
そうルナに目を輝かせながら言われたアリッグは少々恥ずかしそうに顔を赤くした。
「ばっ……そ、そういうことを叫ぶんじゃないっ! ああ、恥ずかしくなってきた……!」
「あはは、パパまっかっかじゃん!」
日が傾き、夕方頃。
荷物を纏めてアリッグたちは帰路についていた。
アリッグの背中では騒ぎ疲れたのだろう、ルナがすやすやと眠っている。
「今日は楽しかったな。たまには、こういう外出も悪くない」
「そうですね。んふふ、また来れるといいですね」
夕日に照らされながら、月日と共にいつしか二人から七人になった家族はゆっくりと歩いていく。
今、手にある幸せを噛み締めながら肩を寄せ合う夫婦。ぽつりとシルクが言う。
「もっと、たくさんいたら……更に楽しいと思うんですけど」
「……ま、まあ、お前がそう言うなら、俺も……頑張っても、いい」
少し照れ、そっぽを向くアリッグを見てシルクは楽しそうに笑うのだった。
家族の道をは続く。
きっとこれからも。
ずっと、ずっと。
それは未来の話。
幸せな家族の姿。
ある晴れた昼下がり。
緩やかな丘がある草原に【アリッグ・レイダー】と【シルク・メイプルリーフ】は子供たちとピクニックにやって来ていた。
広めの布を広げ、シルクはその上に座っている。傍らにはお弁当がたくさん詰まったランチバスケットが置いてある。
「あんまり遠くに行かないでくださいねー? そろそろご飯ですからぁー」
座っているシルクは子供たちと遊ぶアリッグの方へ、手を振りながらそう言った。
次男である【テシオス】を肩に乗せ、次女の【ルナ】と手を繋ぎながらアリッグは少しだけ振り返ってシルクの言葉に応えた。
「わかってる! そこまで遠くには行かないよ……っと、ルナ、そこまで引っ張るんじゃない。虫さんは逃げないよ」
「でも、跳ねてどっか行っちゃうってば! ほら、パパ早くー!」
手をぐいぐいと引っ張るルナと違い、肩に乗ったテシオスは晴れた青空を飛ぶ鳥を眺めている。
「すっげー……なんで、あんな高く跳べるんだろうなぁ」
そんなテシオスにアリッグは笑いながら答えた。
「鳥はな、風を翼に抱いて高く飛ぶんだ。風に乗ってるって言い方が近いかもな」
「そうなの!? 鳥って美味いだけじゃなくってやるじゃん! あ、ちょっと腹減ったかも」
びっくりしながら感心しているテシオスを見て、ルナも同意する。
「うんうん、凄いよね。唐揚げにしても美味しいし、シチューやカレーに入ってても美味しいもん」
そんなルナやテシオスを見て、アリッグは軽く溜め息をつく。
「はぁ、お前たちは全く……こういう話の時ぐらいはメシから離れろ。誰に似たんだか」
そう言いながらも愛する妻の面影を息子や娘に見た彼は嬉しそうに笑うのだった。
シルクはじきに戻ってくるであろうアリッグたちの為に、ランチバスケットを開いてサンドイッチやフライドチキンの入った弁当箱を取り出していく。それらは中々の量があり、お重のように重なった箱がいくつも並んだ。まるで花見の宴会のように。
いつものことだと、その量に特に驚くこともなく長女の【アリシア】は用意を手伝いながらシルクへと話しかけた。
「お母さん、唐揚げの味付け……大丈夫だったかしら? まだ、その、ちょっと不慣れだし」
まだ小さいながら、弟や妹の面倒をよく見る彼女は年よりも大人びて見えた。その容姿はシルクによく似ている。
心配そうなアリシアにシルクはにこやかな笑顔を見せながら頭を撫でる。
「大丈夫ですよ。あんなに頑張って作ったんですもの。きっと、お父さんたちは食べ過ぎちゃうぐらいですよ」
「えへへ、そうかな。うん、そうだといいなぁ」
はにかむように笑ったアリシアはシルクとよく似た笑顔を見せた。
そんな二人の隣で、長男の【リオ】は眼鏡を指で上げながら遊んでいるアリッグたちをちらちらと見ている。
それに気づいたシルクはリオに優しく話しかけた。
「どうしたの、リオ? 遊びたいなら、行ってきてもいいですよ?」
「いや、僕は……ああいう子供っぽい遊びは、べ、別に……興味とかないですし」
それでも、ちらちらと視線をアリッグたちに向けている彼の眼はどこか羨ましそうに見えた。理屈っぽいからか、少々素直になれない所が彼にはあるようだ。
ふふっと笑ったシルクは、ぎゅっとリオを抱き締めて頭を優しく撫でた。
「それじゃあ、皆が怪我しないようにリオが傍で見ててくれますか? そしたらお母さんは安心なんですけどね」
それを聞いたリオは少し恥ずかしそうにしながら立ち上がり、照れ隠しにそっぽを向きながら言う。
「し、仕方ないですね。いいですよ。お母さんが言うなら。僕があの危なっかしい彼らを見ててあげます」
それだけ言うと、リオはアリッグの元へ駆けていく。その顔はとても嬉しそうだ。
「……素直じゃない。もっと素直になれば、いいのに」
シルクの隣に座って本を読んでいた三女【ルシオーネ】は本から視線を上げ、走るリオの背中を見ながらそう呟いた。
「ふふ、そうですね。誰に似たんでしょうねぇ」
楽しそうにくすくすとシルクは笑うのだった。
少ししてからアリッグたちが戻り、楽しいお昼ご飯の時間が始まった。
開かれた弁当箱には、肉や魚に始まり、多種多様な料理が並ぶ。揚げ物に炒め物、焼き魚にサンドイッチ。バリエーションはとても豊かだ。
心配そうにアリシアが見守る中、唐揚げを頬張ったアリッグはパッと顔を明るくする。
「お、これ美味いな! 衣と肉に染み込んだ濃い味が疲れた体に嬉しいぞ」
「ほんとに? 良かったぁ……ダメだったらどうしようかと」
ホッと胸撫で下ろすアリシアにシルクは、ほら大丈夫ですと笑いかける。つられてアリシアも笑顔になった。
卵サンドをかじっているリオを見て、テシオスはにやにやしながら言う。
「おい、兄さん。また卵かよ? もっと肉食わねえと父さんみたいに強くなれないぞ?」
「うるさいですね。好きだからいいんです。それに卵の栄養素はとても高くって……」
説明を始めようとしたリオを見て、テシオスは自分の耳を塞いだ。
「あーあー聞きたくねえってば。遊びに来てるのに、勉強はごめんだっての!」
「いいですか、知識というものは日頃の――」
そんなリオとテシオスのやり取りを見て、ルシオーネは呆れた目を向けている。なお、ルシオーネはちゃっかりアリッグの膝の上だ。
「……ばかばっか。もっと静かに……食べて、欲しい」
アリッグはルシオーネを撫でながら、楽しそうに笑う。
「ははは、兄弟仲が良いってのは良いことだ。きっと、大きくなってから助けになることもあるだろ」
「そうですね、ほら……あーん」
シルクがサンドイッチを一つ掴んで、アリッグの口へと持っていく。アリッグは、はむっとサンドイッチを頬張った。ベーコンとレタスの旨味が口に広がる。
「ああー! パパがママといちゃいちゃしてるー! いいな、いいなー!」
そうルナに目を輝かせながら言われたアリッグは少々恥ずかしそうに顔を赤くした。
「ばっ……そ、そういうことを叫ぶんじゃないっ! ああ、恥ずかしくなってきた……!」
「あはは、パパまっかっかじゃん!」
日が傾き、夕方頃。
荷物を纏めてアリッグたちは帰路についていた。
アリッグの背中では騒ぎ疲れたのだろう、ルナがすやすやと眠っている。
「今日は楽しかったな。たまには、こういう外出も悪くない」
「そうですね。んふふ、また来れるといいですね」
夕日に照らされながら、月日と共にいつしか二人から七人になった家族はゆっくりと歩いていく。
今、手にある幸せを噛み締めながら肩を寄せ合う夫婦。ぽつりとシルクが言う。
「もっと、たくさんいたら……更に楽しいと思うんですけど」
「……ま、まあ、お前がそう言うなら、俺も……頑張っても、いい」
少し照れ、そっぽを向くアリッグを見てシルクは楽しそうに笑うのだった。
家族の道をは続く。
きっとこれからも。
ずっと、ずっと。
登場キャラクター
シルク・メイプルリーフ
アリッグ・レイダー