【CGC】仲良しNIN……なんでもないです
四月カフェ狂想曲 イベントノベル(テーマ)卯月浪漫茶房制作 ほふる、納品 2024年05月04日 12時06分25秒
「うぇーい、コンカフェキャストの皆様をご紹介する配信『キャストご紹介ちゃんねるぅ』、今日もやってくぜ。ジャポネコンカフェ推しの皆、元気にしてたか? インフルエンサーリクトだ。
さて、今日は卯月浪漫茶房の奉仁会館支店に来てるぜ。仲良し二人組なキャストをご紹介だ。それでは早速にゅーってん!」
インフルエンサーリクトが支店名と二人組というワードを出すだけで、コメント欄がざわついた。
『ちょっと待って、やばい』『トキアケでは?』などと流れてくるコメントに、インフルエンサーリクトは苦笑しつつも、配信画面にトキワとアケを映す。
どどっと興奮するお姉様方のコメントが滝のように流れる。
「お察しの視聴者もいたみたいだが、今日のご紹介キャストはトキワとアケだ」
このたぐいの大興奮コメントは拾わないに限るので、インフルエンサーリクトはスルーしつつ、キャストに歩み寄る。
「よぉ、今日はよろしく!」
「ああ」
「どうぞよろしく!」
鉄面皮の真顔のままアケが会釈する一方、隣のトキワはアケとは打って変わって愛想よくニコニコハキハキと返事をする。
「二人は仲良いって評判だけど、プライベートでも仲良いのか?」
「そうだな、オレとアケは先輩後輩の関係だけど、友人って言って良いと思うぞ」
トキワが率先して答え、アケも頷く。
「気が合うんだ」
コメント欄のボーイズなラブがお好きなタイプの女子リスナーが大騒ぎだが、全員スルーする。
アケはコメントの内容をよく分かっていない様子だが、トキワは少し困っているようだ。
『トキワは概ね分かってるが、そういう趣味じゃないのになって事か。お気持ちお察しするぜ……。けど、こういうのはインプレッション伸びるんだ……。すまねえな! 俺は知らないフリをするぜ! だって、俺は……配信者だからよッ!』
とインフルエンサーリクトは内心でトキワに謝りつつも、
「よくツーショットを頼まれてるもんな! ここでもいつもみたいな仲の良い感じ出してみてくれよ!」
と容赦なくカメラレンズを二人に向ける。
「わかった」
アケが素直に頷き、トキワの頬に顔を近づける。
「~~~っ(お客様のご要望、お客様のご要望……ッ)」
アケの顔が近くて恥ずかしそうなトキワ。それが一部女子リスナーを煽るのだが。
合掌と墓の絵文字が大量に流れ、投げ銭も飛び交う。視聴者数も爆発的に上昇する。
「ヒューッ、皆ありがとうなー!」
ほくほくしつつもインフルエンサーリクトはレンズの死角で『もう大丈夫』とジェスチャーして二人を離す。
「それからこの配信で紹介してるキャストには全員に聞いてるんだが、特技ってあるか?」
「身体能力には自信がある」
アケが軽くトンボを切る。簡単そうにやっているが、備品や什器の多い店内で物に当たらずに軽業を披露できるのは、かなりの腕前がなくては出来ない妙技だ。
笑顔でトキワが付け加える。
「付け加えると、アケは記憶力も凄いんだ。昨日の売上履歴を提供したお客様の特徴も含めてそらんじられるんだぞ」
「へえ、まるで顧客管理機能付きの高性能POSレジだな! けど、絶妙に配信に乗せるのはヤバそうだからまたの機会にってことで……聞いてみたい奴は実際に奉仁会館に行ってみてくれ。それじゃあトキワの特技は?」
インフルエンサーリクトに水を向けられ、トキワは頭をかく。
「オレは……愛想の良さとサービス精神ってところか? 何事も小さな事からコツコツとだ」
大事大事、とインフルエンサーリクトは頷く。
それから一番気になっていたことがある、とインフルエンサーリクトは真顔になった。
「アケはなんで女装なんだ? トキワは男性制服だから、ここのキャスト全員女性制服必須ってわけじゃないんだろ」
アケは無表情のまま、
「これもNIN……いや、修行だ」
NINJAと言いかけて一つ首を振り、アケはきっぱりと修行と言い切る。
「アケはちょっと天然ボケなところあるよなーっ」
とトキワはアケにあえてボディタッチし、NINJAのワードを視聴者の記憶から流すことに成功した。
視聴者は珍しいトキワからの接触シーンに大騒ぎだからである。
トキワも実はNINJA、口を滑らせてしまった後輩のフォローも先輩の大事な仕事だ。優秀なる諜報員として、趣味じゃなくとも有効と思う行動は迷わずとる。
「店長も女装だからなー。アケはそういうもんだと思ってしまったみたいだ。オレもここに勤め始めた時は、てっきり……と思ってどうにか女装回避できないかって悩んだんだけど、あっさり店長に男性制服でいいって言われて拍子抜けしたよ」
「へえ、店長も女装なのかよ! そりゃあ気になるぜ……次回は店長も紹介したいところだな!」
キャストとしては同じ卯月浪漫茶房のインフルエンサーリクト、彼らの事情は勝手知ったるというところ。
ふたりしてフォローし、アケがきょとんとしている間に、『NINJA』はすっかり無かったことになった。
さて、今日は卯月浪漫茶房の奉仁会館支店に来てるぜ。仲良し二人組なキャストをご紹介だ。それでは早速にゅーってん!」
インフルエンサーリクトが支店名と二人組というワードを出すだけで、コメント欄がざわついた。
『ちょっと待って、やばい』『トキアケでは?』などと流れてくるコメントに、インフルエンサーリクトは苦笑しつつも、配信画面にトキワとアケを映す。
どどっと興奮するお姉様方のコメントが滝のように流れる。
「お察しの視聴者もいたみたいだが、今日のご紹介キャストはトキワとアケだ」
このたぐいの大興奮コメントは拾わないに限るので、インフルエンサーリクトはスルーしつつ、キャストに歩み寄る。
「よぉ、今日はよろしく!」
「ああ」
「どうぞよろしく!」
鉄面皮の真顔のままアケが会釈する一方、隣のトキワはアケとは打って変わって愛想よくニコニコハキハキと返事をする。
「二人は仲良いって評判だけど、プライベートでも仲良いのか?」
「そうだな、オレとアケは先輩後輩の関係だけど、友人って言って良いと思うぞ」
トキワが率先して答え、アケも頷く。
「気が合うんだ」
コメント欄のボーイズなラブがお好きなタイプの女子リスナーが大騒ぎだが、全員スルーする。
アケはコメントの内容をよく分かっていない様子だが、トキワは少し困っているようだ。
『トキワは概ね分かってるが、そういう趣味じゃないのになって事か。お気持ちお察しするぜ……。けど、こういうのはインプレッション伸びるんだ……。すまねえな! 俺は知らないフリをするぜ! だって、俺は……配信者だからよッ!』
とインフルエンサーリクトは内心でトキワに謝りつつも、
「よくツーショットを頼まれてるもんな! ここでもいつもみたいな仲の良い感じ出してみてくれよ!」
と容赦なくカメラレンズを二人に向ける。
「わかった」
アケが素直に頷き、トキワの頬に顔を近づける。
「~~~っ(お客様のご要望、お客様のご要望……ッ)」
アケの顔が近くて恥ずかしそうなトキワ。それが一部女子リスナーを煽るのだが。
合掌と墓の絵文字が大量に流れ、投げ銭も飛び交う。視聴者数も爆発的に上昇する。
「ヒューッ、皆ありがとうなー!」
ほくほくしつつもインフルエンサーリクトはレンズの死角で『もう大丈夫』とジェスチャーして二人を離す。
「それからこの配信で紹介してるキャストには全員に聞いてるんだが、特技ってあるか?」
「身体能力には自信がある」
アケが軽くトンボを切る。簡単そうにやっているが、備品や什器の多い店内で物に当たらずに軽業を披露できるのは、かなりの腕前がなくては出来ない妙技だ。
笑顔でトキワが付け加える。
「付け加えると、アケは記憶力も凄いんだ。昨日の売上履歴を提供したお客様の特徴も含めてそらんじられるんだぞ」
「へえ、まるで顧客管理機能付きの高性能POSレジだな! けど、絶妙に配信に乗せるのはヤバそうだからまたの機会にってことで……聞いてみたい奴は実際に奉仁会館に行ってみてくれ。それじゃあトキワの特技は?」
インフルエンサーリクトに水を向けられ、トキワは頭をかく。
「オレは……愛想の良さとサービス精神ってところか? 何事も小さな事からコツコツとだ」
大事大事、とインフルエンサーリクトは頷く。
それから一番気になっていたことがある、とインフルエンサーリクトは真顔になった。
「アケはなんで女装なんだ? トキワは男性制服だから、ここのキャスト全員女性制服必須ってわけじゃないんだろ」
アケは無表情のまま、
「これもNIN……いや、修行だ」
NINJAと言いかけて一つ首を振り、アケはきっぱりと修行と言い切る。
「アケはちょっと天然ボケなところあるよなーっ」
とトキワはアケにあえてボディタッチし、NINJAのワードを視聴者の記憶から流すことに成功した。
視聴者は珍しいトキワからの接触シーンに大騒ぎだからである。
トキワも実はNINJA、口を滑らせてしまった後輩のフォローも先輩の大事な仕事だ。優秀なる諜報員として、趣味じゃなくとも有効と思う行動は迷わずとる。
「店長も女装だからなー。アケはそういうもんだと思ってしまったみたいだ。オレもここに勤め始めた時は、てっきり……と思ってどうにか女装回避できないかって悩んだんだけど、あっさり店長に男性制服でいいって言われて拍子抜けしたよ」
「へえ、店長も女装なのかよ! そりゃあ気になるぜ……次回は店長も紹介したいところだな!」
キャストとしては同じ卯月浪漫茶房のインフルエンサーリクト、彼らの事情は勝手知ったるというところ。
ふたりしてフォローし、アケがきょとんとしている間に、『NINJA』はすっかり無かったことになった。