【息抜】どこまでいっても博徒

四月カフェ狂想曲 イベントノベル(テーマ)The 4th Stage Cafe制作 龍川 那月納品 2024年04月28日 12時41分52秒

「終わった終わった」
 The 4th Stage Cafe陣営のMiddle Aged Stars(通称:ミドスタ)も本日の営業が終わり、朝からホールに立ち続けたヴァンゲルス・ロッドは大きく伸びをした。
「お疲れ様です。今日も稼いだんですか?」
「おぅ。がっぽり」
 一日ヘルプでいたL(ルッツ)にヴァンゲルスはニカッと笑う。
「ロイヤルストレートフラッシュが出た瞬間は本気で心が沸き立ったぜ」
 ヴァンゲルスはミドスタ内ではギャンブラーアイドルとして売り出している。
 という設定だと思っているファンも多いが、本人は本当に飲む打つ買う全部嗜むギャンブル大好き人間である。
「あぁ、見ました。あの瞬間はドキドキしましたね」
 彼からファンサを受けるにはギャンブルで勝たなくてはいけないのもファンの間では有名なことだ。
 内容はポーカー、ダイス、ブラックジャックなど客側が指定でき、使用する道具も客が持ち込むことが出来る。
 つまり、イカサマし放題なのだが、それでも生粋のギャンブラーであるヴァンゲルスに勝つことは難しい。
「この後、どうよ。一局」
「本当好きですね。いいですよ。あ……でも、明日は、奥様と出かけるんじゃなかったです? 早く帰らなくていいんですか?」
「おぅ、そうだったな」
 ファンたちには明かされていないが、彼にはマリカという若いお嫁さんがいる。
 彼女が海が好き、という理由で最近は競艇に行くことが多いんだと語っていたのをLは忘れていなかった。
「でもちょっとやり足りねぇんだよなぁ……」
「じゃあ、簡単なところでコイントスとかどうですか? 持ってるでしょう?」
「よし、それでいこうぜ。何賭ける?」
「んー、来週末の青葉賞の日出勤でしたよね。ヴァンさんが勝ったら代わりますよ」
「じゃあ……俺が負けたらこの日勤務代わるぞ」
「いいですよ。あ、ちょっとだけいいですか?」
「これ頼むわ」
「いいですよ」
 Lが通りかかったキャストを呼び止めると、ヴァンゲルスがコインを投げ渡した。
 ミドスタのキャストはコイントスの為に、コインの投げ方をマスターしている。
 表を向けて人差し指の関節の上に置かれたコインをピンと親指を上に向け強くはじくとくるくると回りながら跳ね上がる。
「裏」
 コイントスは投げる時に上になっている面が出やすいという研究結果が出ていることをLは知っていた。
「いいんですか? 表」
 地面に落ちたコインが一度跳ね、勝負は決する。
「俺の、勝ちだな」
 ヴァンゲルスが白い歯を見せて笑った。

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0