【聖祭】聖霊節2023

リーミル
聖霊節が終わって、新しい年が始まりましたね。皆の想いや祈りは、帝都に届いたでしょうか。
アナンディーン
帝都奪還作戦がどうなったのか……まだ情報は届いていない。だが、きっと祈りは届いただろう。近いうちに必ず、良い報せがもたらされると信じて待つんだ。
リーミル
そうですよね! きっと、もうすぐです。
今年こそは、大陸中で笑顔があふれる年になってほしいですね。アナンディーン先輩!
アナンディーン
そうだな。……ところでリーミル、その水筒の中身は何だ?
新年だからといって、まさか職場に酒を……
リーミル
ハッ……!?
ち、ちがいます! 違うんです先輩、これはただの水で――あっ、だめです開けちゃ……!!!
1223年の「聖霊節」は終わり、人々は帝都から吉報が届くことを願っています。
assignment【聖祭】聖霊節2023 概要
聖霊節2023連動は、新暦1223年の聖霊節の時期に起きた一連の出来事の記録である。
今年は帝都シルトラース奪還作戦に世界中から人が送られている。それでもロスガリア大陸の人々にとって聖霊節は、一年の終わりの大切な行事。今年もきっと、人々の数だけ思い出が生まれることだろう。
assignmentここまでの流れ
聖霊節とは、伝説の英雄『ジド・ルウ』と名もなき小さな神々の偉業を讃え、あるいは祖先や近しい人への祈りを捧げる冬の行事である。
しかし、帝都シルトラースでは大きな戦いが繰り広げられている。戦地へは、帝国だけでなく、ロスガリア大陸各国から大勢の人々が送られた。
今年は多くの街が華やかな催しを控え、かわりに神殿や広場などに戦勝や兵士達の無事を祈る場を設けるなど、戦時下にある人々の心に寄り添う対応を行っている。身も心も傷ついて帰ってくるだろう兵士達のために温かく迎える準備をしておこうと、贈り物を作ったり、バザーなどのチャリティイベントを行ったりしている所もある。残された家族たちの不安や不便を和らげるべく、ささやかなパーティーや慈善活動で支えている所もある。
戦時下にあっても、ジド・ルウがメドゥの指先首領だという噂が流れても、聖霊節は人々にとって一年の締めくくりだ。
冒険者にもきっと、聖霊節の依頼が舞い込んでくるだろう。
assignment結果
1223年の聖霊節では、帝都奪還作戦における勝利や戦地に在る人々の無事を祈る礼拝や催しが大陸の各地で開かれた。
帝都奪還作戦の後方拠点である古砦都市シャルトをはじめ、人々の心を癒し励ます聖霊節の食事会も同様に、各地で催されたようだ。
依頼を受けてそれらに参加した冒険者達は、戦時下の聖霊節を過ごす人々の心に寄り添い、援助の手を差し伸べた。
person_pin関連NPC
冒険者御用達のとあるショップの敏腕店員。目つきの悪さや強気な言動とは裏腹に冒険者のサポートは手厚いミスツンデレ。ひそかに美容に興味があり、とある都市の名産品である「百合茶」を愛飲しているそう。
《本連動での動き》
今年も特に良き出会いは無かったが、人生の目標として恋愛や結婚を夢見る時期は過ぎようとしているようだ。
リブラネスタの冒険者ギルド本部に配属された新人受付嬢。アナンディーンの部下として依頼の受理、掲示、斡旋のほか、書類整理など様々な雑務を担当している。冒険者から関係各所へ送られる書類の受付・転送も仕事のひとつ。
《本連動での動き》
戦地の人々の無事を祈りつつ、聖霊節限定の酒の販売情報はいつも通り収集している。
蒼狼のハーフビースト。王国に生まれ、貧しすぎる暮らしから幼少期より密猟に手を染めた後、傭兵団に拾われた過去を持つ。年齢故に引退を考えていたところを冒険者ギルドに引き抜かれ、冒険者ギルドにおける新人《授恵者》の教育担当兼、軍事関係のご意見番を務める。
《本連動での動き》
聖霊節の依頼の処理と部下リーミルへの説教を終え、帝都からの吉報を待っている。
menu_book関連用語・情報
聖霊節(ユールフェス)
聖霊節の由来は、ハーフリングの英雄、『ジド・ルウ』が、その身をエーテルと成して世界に穿たれた大穴を塞いだことによる。
その挺身は、微々たる効果しかもたらさなかったが、ジド・ルウに小さな神々が続いたことが、マテリアル界への大型クリーパーの侵入を激減させ、今日の平和の礎となった。
ジド・ルウと、名を失った神々がそれを成させしめたのが、12月――というわけではない。
当時は現代の『新暦』、つまり暦が無かった。神代における『冬の時代』という比喩表現を、12月と解釈したという説が根強い。収穫祭を終え、冬に閉ざされた時節に祝い事がある、というのもヒトの営為としてちょうど良かったのだろう。
ともあれ、ロスガリア大陸ではこれらの冬の催しを、『ユール』、あるいは『ユールフェス』と呼ぶ。
『ユール』という言葉そのものの意味を冬の祭り、あるいは冬至とする説もあるが、これは違う。ジド・ルウの渾名こそがその由来である。ジド・ルウが、自らの名を「呼びにくいから」という理由で渾名として周囲に伝えたのが、『ジュール』あるいは『ユール』であった。
由来はさておき、ジド・ルウの英雄的行為を称え、名を失った神々に祈りを捧げることから始まった聖霊節は、様々な土地の風習や営為と重なった結果、亡き祖先や、近しい人々への思いを捧げるようになったのだ。特別信仰心の無いものであっても、神殿や家庭でモミの木や柊を飾り立てて祈りを捧げたり、街をあげて催しを行い、厳しい冬の中でもとっておきのごちそうを食すこの時期は、収穫祭に続く特別な時期となる。
1223年の聖霊節事情
1223年12月現在、ロスガリア大陸全土から帝都シルトラースへ大勢の人とモノが送られており、激戦の最中である(【帝国】連動)。帝都シルトラース奪還作戦の結果次第では、人類の大部分が征竜によって粛清される可能性もあり、大陸全土が戦時下の空気に包まれている。
多くの都市や街、村で華やかな祭りは控えられ、ロスガリア大陸連合軍の勝利や戦地の人々の無事の帰還を祈る礼拝や集会が開かれている。また、戦地に家族を送り出した人々の不安や生活の不便に寄り添う形で、慈善活動やささやかな食事会のお手伝いのような依頼が多く出されるようだ。
ジド・ルウの正体
神代の英雄ジド・ルウこそがメドゥの指先の首領であるという噂が、一般の人々の間にも流れている。しかし、確かめるすべもない人々の多くは、まだ数ある噂のひとつに過ぎないと考えており、聖霊節に忌避感はないようだ。ただし、中には、噂を気にして騒ぐ市民などもいるかもしれない。
メリーユールフェス
聖霊節の時期に人々の間で交わされる挨拶。乾杯のかけ声などにも使われる。
テラリウムのランタン
【大変動】の折、サウゼル大樹海で発見された新素材『ヒカリゴケ』を使用したテラリウム。とある冒険者の熱意と知識により考案された。モニターがてら祭りを彩る明かりとして『神匠』ヴィンダールヴルより貸し出しされている。
瓶の中に寄せ植え的にヒカリゴケの生育環境を再現したもの。冒険者向けアイテムとして配布されたテラリウムのランタンよりも大きく、街の装飾に向いている。ただし、素人の世話では枯れて光を失うまでに3日ほど。また、瓶から出せばすぐに茶色くなり光量も減ってしまう。瓶に着色したり、外装のデザインにこだわるなどして柔軟な運用が可能。
例年は街のお祭りの装飾などに利用されていたが、今年は礼拝の灯りなどとしての需要が大きいようだ。
水上都市アキュアリスタ
ロスガリア大陸北東、辺境都市郡の遺跡都市の一つ。
今年はドン・ゴーフルを刺傷したアダムが遺跡に逃げ込んだことから、遺跡内は立ち入り禁止になっている。
紀元前より存在するとされる広大な湖内部に沈んだ遺跡部と、遺跡の中でも大きい建造物の最上部を利用して作られた行政区などの中心部、遺跡上に建築したり浅瀬を埋め立てることで建造された外縁部からなる。
都市内は徒歩での移動も可能だが、ボートでの移動もよく利用されている。同都市では冬季に行われる『水神祭』が最も知られている。原因は不明であるが、湖は一年に一度、冬季に大きく水位が下がり、遺跡の外観の一部が明らかになると同時に遺跡への進入が可能となる。
この時期は冒険者、研究者、加えて、その景観を見ようと観光客が押し寄せる時期であり、『水神祭』は彼らをターゲットとした、大陸全土で見ても最も大きな祭りの一つである。なお、遺跡自体は強固な素材で建築されており、破壊による遺跡調査や資材採集が困難であることから、長年に渡り探索・研究の対象となっている。現状確認されている遺跡内部への入り口は都市中心部の深層に一つのみであることも手伝い、調査用・探索用に遺跡を開放する際の利用料は同都市の貴重な収入源となっている。
遺跡は巨大な石材を組み合わせて作られており、巨大な基部と、そこから様々な方向に伸びる直方体様の構造物が組み合わさったような形をしている。
水位が下がった際に見ることができる威容はこの世のものとは思えない景観であること、夜間はその外壁の紋様が明るく発光することから、観光客の人気も根強い。
昨年は【鬼哭】連動にて遺跡が騒動に巻き込まれ、立ち入り禁止となってしまっていたが、今年は例年通り入ることができる。ただし、戦時下ということもあって観光客は少なく、むしろ「人が少ないからゆっくり調査できる!」と遺跡の研究者達がワクワクしているようだ。
新しい年を迎えたロスガリア大陸の人々は、いつもより控えめだった聖霊節の装飾を片付けながら、たった一つの吉報を心待ちにしていた。
「どうなったのかしら。帝都からは、まだ何も聞こえてこないわね」
「俺の息子が物資輸送で帝国へ行ったきり、年を越しても帰ってこない。そろそろ帰ってくるんだろうが……」
「帝国の親戚が帝都で戦ってるの。早くいい報せが聞きたいな」
帝都奪還作戦の成功――つまりロスガリア大陸連合軍の勝利は、1220年夏のシルトラース帝国崩壊に端を発した混迷の時代の終わりを意味する。そして失敗は、皇帝ヨゼフ・バルダスの暴挙を止められないばかりか、征竜による人類の粛清が実行される暗黒時代の始まりを意味するだろう。
戦地へ赴いた兵士や輸送隊の家族は彼らの無事を祈り、勝利の報せと帰還を待ち望んでいる。
「あんなに静かな聖霊節は初めてだったけど、普段行かない神殿に行ってみたのは良い経験だったわね。お陰で少しは穏やかに年を越せたわ」
「ポピーさん、長い時間ずっとお祈りしてたの。皆のお祈りが届くといいなって思ってるの」
リブラネスタの街を彩っていたテラリウムのランタンを近隣住民と一緒に片付けながら、職人通りの敏腕ショップ店員ポピー・アルルンと冒険者ギルドの受付係リーミルが笑顔を交わしていた。
1223年の聖霊節では、各地で礼拝や戦勝祈願の催しが開かれ、戦時下にある人々はささやかに一年の終わりを祝った。冒険者ギルドにも複数の依頼が舞い込み、現地に赴いた冒険者達は不安な日々を過ごす人々の心に寄り添い、温かな手を差し伸べていたようだ。
そろそろ帝都からの報せが届くだろうか。年が明け、不安と期待を入り混じらせながら世間話をする人々の声を聞きながら、ポピーはあえて声を張った。彼らにも聞こえるように、彼らが安心できるように。
「あれだけ祈ったんだもの。それに、冒険者だって大勢帝都で戦ってくれてるのよ。人類が勝つに決まってるじゃない」
片付けの手を止めず、視線は吊られたランタンに向けたままで発したその言葉に、人々はふと世間話をやめて振り返る。
ポピーの隣で回収したランタンの箱詰め作業をしていたリーミルが、そんな彼らに笑顔を向けて言葉を継いだ。
「きっともうすぐだって、アナンディーン先輩が言ってましたよ! 勝利を信じて待ちましょう。皆さんの想い、きっと戦地に届いてます!」
「そうよ。去年の聖霊節は大人しかったけど、すぐに祝勝会で忙しくなるに違いないわ。ちゃんと準備しとかなきゃね! 皆わかってる!?」
注目を浴びて、照れたような顔でぶっきらぼうに言い放つポピー。その様子につい噴き出してしまったリーミルを見て、それまで不安そうだった人々も思わず笑顔をこぼした。
「な、何よ! 何か変なこと言った?」
「ううん。何でもないの。確かにポピーさんの言う通りなの。きっとすぐに祝勝会だから、早くランタン片付けちゃわないとなの!」
「そうだよな」「きっと、もうすぐね」――そんな希望に満ちた声が人々の間から上がり、あっという間に片付けられていくランタン達。聖霊節を彩った灯りが消えても、人々の心に灯る希望の光は、決して消えない。
「さあ、皆でリブラネスタ中の聖霊節飾りをキレイに片付けましょう! 頑張りますよーー!!」
いつもと違った聖霊節。いつもと違った年明け。
それでも人々は、明るい未来を夢見て前へと進む。
帝都奪還作戦の結果がリブラネスタにもたらされる、数日前の出来事だった。
執筆:桃谷かな