【幻秋】夢幻と現の収穫祭

シグルラン
見て見てキサキっち~! テリーズ・トラ・トリュ~~~ス!!
キサキ・アカネ
あら。素敵な衣装ですね、シグルラン。ええと……こすぷれ、と言うのでしょうか?
シグルラン
ピンポン、正解! 秋といえば収穫祭。収穫祭といえばコスプレだよね~♪
シャルガネの新米も楽しみにしてっからね! 何がいい? やっぱおにぎり? 飲み会の〆にサイッコーじゃん!
キサキ・アカネ
ふふ。お祭り会場には屋台が出るそうですから、お腹いっぱい食べましょうね。
そうそう……収穫祭は楽しみですが、この時期はなぜか「おばけ」風の魔物が多くなりますし、各地で不思議な霧や新種の妖精のようなものも見られているとか。
冒険者の皆様は忙しくなりそうですね。
シグルラン
そだよね~。リブラネスタも王国も大変そうだし、帝国のほうはまた不作が来てるって話じゃん? みんな楽しく飲んで騒げる秋になればいいんだけどな~!
……とまれ、今日は朝まで飲むよ! 行こっ、キサキっち♪
ロスガリア大陸に、今年も収穫祭の時期がやってきました!
(10月2日より 【幻秋】夢幻と現の収穫祭 連動シナリオリリース開始!)
assignment【幻秋】夢幻と現の収穫祭 概要
【幻秋】連動は、1223年の収穫祭の時期に起こった一連の事件の総称である。 『天霧りに消ゆる幽界樹』による不作、リーンエス王国の騒乱、超大型クリーパーの襲来を受けたリブラネスタ――世界は今、数々の脅威に晒されている。一方で、去年までは見られなかった不思議な生物や現象も各地で確認されている。人々は今年、収穫の秋にどのような体験をするのだろうか。
assignmentここまでの流れ
テリーズ・トラ・トリュース! 今年も収穫祭の時期がやってきた。
しかし、この時期はなぜか「おばけ」風の魔物が活発化する季節でもある。また、シルトラース帝国とリーンエス王国北部では、昨年に豊かな実りを齎した『豊穣の雫』の在庫が乏しくなり、再び不作の波が押し寄せている。加えて、リブラネスタは超巨大クリーパーの襲来に揺れ、リーンエス王国の王都は苛烈な戦場と化した。
王国で多用された『龍逓架』の影響による大地のエーテルの乱れからか、大陸全土で不可思議な空間が発生したり、見たこともない新種の『妖精』のようなものも目撃されている。
そんな不安定な情勢の中でも、人々は天と大地の恵みに感謝を忘れず、収穫祭をとり行うのだ。
person_pin関連NPC
刀の製法を再発見し、その功績を持って若くして匠王の座に就いたドワーフ。性格のチャラさは生まれつきだが、鍛冶への情熱は深い。
《本連動での動き》
飲み会目的でシャルガネ居住区の友人キサキ・アカネを訪ね、妖精ジュールと出会った。
表の顔は、シャルガネ居住区の宿場街の女将頭。裏の顔はシノビの頭領であるという噂もあるが、実情は定かではない。
《本連動での動き》
友人シグルランを迎えて実りの秋を満喫しようとしていたら、妖精ジュールと出会った。
menu_book関連用語・情報
収穫祭
様々な風土や宗教が混在するロスガリア大陸。この時期になるとそれらの枠を超え、各地で一斉に収穫祭が行われる。古くは秋の実りに感謝する純然たる収穫祭だったが、いつの頃からか亡者や魔物をフィーチャーした風習が生まれた。
実りの季節であると同時に、日毎夜闇が濃く長くなり行く時期でもある。夜闇に彷徨う悪霊に憑かれぬよう魔物の仮装をしたり、鎮魂あるいは魔物除けのために歌い踊ったりと、祭りの内容は多種多様。厳かに執り行う郷もあれば、観光客を呼ぶべく派手に行う町もある。
何故収穫祭がこのように変化してきたのか由来は諸説*あるが、今では保守的なエルフの集落やリザードマンの部族集落を除く町や村々である程度一般的に催されている。
テリーズ・トラ・トリュース
一昨年(1221年)の収穫祭から定着した収穫祭時期の挨拶。一部の妖精さんが挨拶のように発していた言葉を人々が真似た。
新種の妖精(?)「ジュール」
この秋、ロスガリア大陸の各地で頻繁に目撃されるようになった謎の妖精らしき存在。両手に乗るくらいの白い球形でちょこんと尻尾があり、ペンで雑に落書きしたような大きい目と口がある「おばけ」っぽい外見。赤白ストライプ柄の三角帽を被っている。自分達のことは「ジュール」と言う。
街はずれや森の中、畑などに昼夜問わず現れ、「強くなりたきゃイタズラするぞ」と人を脅かす。単体が多いが複数まとまっていることもある。
「強くなりたくない」と答えると、やたらと哀れんでくる。
「強くなりたい」と答えると、強力なモンスターに変身して襲いかかってくる。ジュールが勝っても人間が勝っても満足そうに元の姿に戻り、どこかへ去っていく。重傷を負うことはあっても、殺されることはないようだ。
なお、お菓子やフルーツなど甘い物をあげて機嫌をとると、仲良く遊んでくれることもあるらしい。
夢幻の霧
この秋、ロスガリア大陸の各地で頻繁に報告されている怪奇現象。森や草原の一角や、湖沼、遺跡、村など、ある一定の場所がある日突然に不思議な空間と化してしまう。
大体の場合で霧や靄を伴い、その中では通常では考えられないことが起きる。
いずれにせよ1日~数日で霧散し、中にいた人々も元の世界に戻れるようだが、世界で同時多発的に発生している現象のため不思議がられている。リーンエス王国で『龍逓架』がいくつも稼働したため大地のエーテルの流れに乱れが生じた影響ではないかと言われている。
ケンタウロスの『聖地』
複数の部族のケンタウロス達が住む土地で、場所はシルトラース帝国の東端。ドワーフ王国や辺境都市群に近い平原にある。帝都崩壊前も帝国の土地か亜人(ケンタウロス)の土地か曖昧であった場所で、最低でも数百年に渡ってケンタウロスが支配し続けていた土地。彼らは神代の英雄ジド・ルウとの約束によりこの地を守っているという。
人類は長い間、その場所が彼らにとっての聖地であることも、その地下に眠るエーテル石(神石)の存在も知らなかった。1222年初頭に聖地がメドゥの左腕の襲撃を受けたことによりケンタウロスの大移動(【人馬】連動)が起き、聖地とそこに住まうケンタウロス達、そしてエーテル石の存在が明らかとなる。聖地奪還戦においては冒険者が主戦力となり、ケンタウロスと帝国の停戦協定の締結に大きく貢献した。
フィルエス大森林の大異変の際(【樹謂】連動)には、一部族の長ルカンドラが冒険者とともに世界樹を訪れ、幽界樹により世界が滅亡するとの預言を聞いた。その後、大族長レミーラの生前葬(【天馬】連動)での交流も経て、聖地のケンタウロス達の人類への敵対感情はかなり薄れ、友好的関係を築けそうな段階にきているようだ。
豊穣の雫
1222年、『天霧りに消ゆる幽界樹』による不作に蝕まれているシルトラース帝国とリーンエス王国北部を救う為、クーネ・ルウ主導の元で開発されたアイテム。豊穣の雫を用いて儀式を行うことで、不作の地域でも今年は十分な実りを収穫できるようになる(幽界樹によって世界からエーテルそのものが失われ続けている事を解決できるわけではない)。
しかし、材料となるエーテル石の入手が容易ではないため、今年は豊穣の雫の在庫が乏しく、多くの地域が再び不作に陥っている。
龍脈即時通信装置『龍逓架』
崩壊前のシルトラース帝国が実用段階直前にまで開発を進めていた通信装置で、帝国内主要都市の魔導院に設置されていた。大陸の地下を流れるエーテルの流れ『龍脈』を利用した遠隔地同士の即時通信装置であり、リーンエス王国との決戦に備えて設計された。この龍逓架が発する魔法的な信号が龍脈を通じて帝都の幽界樹に感知され、帝国内の各都市に幽界分樹を呼び寄せたと推測されている。その推測はディズル大湿地帯の騒乱(【泥乱】連動)における帝国近衛連隊の行動により実証された。
また、メドゥの指先が一つを確保していたが、それを元に新たに量産し、1223年夏から秋にかけてのリーンエス王国において複数の稼働が確認された(【呑竜】連動)。
ススキ野原が有名な小さな村に、祭囃子が響いていた。
「っは~~~!! サイッコー!!!」
「お祭りは華があっていいですね。飲み過ぎちゃダメですよ、シグルラン」
屋台が並ぶ村の通りを、仲良さげに手をつないだ女二人がのんびりと歩いていく。
上品な着物を身にまとう一人は、シャルガネ居住区の宿場街の女将頭、キサキ・アカネ。ひょうたん入りの酒を呷っているもう一人は、ドワーフ王国の『匠王』シグルランだ。
それぞれ国家の顔として行動することも増えた二人だが、平時においては只の友人同士。年に何回かは顔をあわせて美しい景色や美食を楽しんだり、近況を報告し合ったりして親交を深めているらしい。
「よう、姉ちゃんたち! これからススキ野に行くのかい?」
「ええ、せっかくですから見て行こうかと思います」
焼きおにぎりの香ばしい香りに誘われて屋台に寄れば、うちわ片手の親父が商品を包みながら声を低くして二人に顔を寄せる。
「姉ちゃんたち美人だから教えてやるよ。村のモンしか知らない穴場があるんだ」
「えっ、マジ!? 超ラッキーじゃん。やったー♪」
有名なススキ野原は村の裏山にあり、観光客用に整備された道は村の西側から伸びている。しかし、村の住人が山菜採りなどで山へ入る時は、東側からの細い道を使っているのだと言う。
「収穫祭の間は西側が混み合うからな。東のほうなら静かだし、ススキ野を反対側から見るだけだから景色も変わらず見事なもんさ」
「ご親切にありがとうございます。そちらのほうがゆっくりできそうですね」
屋台の親父に御礼を言って、追加でおつまみを数点注文するアカネとシグルラン。良い景色の中でゆっくり二次会でもしようと言い交わし、並んで東側の道へと歩いて行った。
●
「そういえばキサキっち、さっき『不思議な霧』とか『新種の妖精』とか言ってなかった?」
村人たちが踏み固めただけの細い山道を登って行きながら、ふとシグルランが隣のアカネのほうに顔を向けた。
「その話ですか。今年の秋は、大陸の各地で不思議な霧 が発生しているそうですよ。その霧の中では景色が一変して、迷宮のようになっていたり、死者や知人の姿が見えたり、お菓子に囲まれたり……まるで夢の中のような空間が広がっていると聞きます」
「えーっ! なにそれウケる。マジ楽しそうじゃね?」
「そうですね。でも原因は不明で……リーンエス王国で複数の『龍逓架』が稼働した影響で、大地のエーテルが乱れているのではないかとも言われています」
「ああ~、なんか幽界樹の分樹……を呼んじゃう装置だっけ。最近どこも物騒だよね、ガチで」
シグルランは酒を口に含みながら、やれやれと肩を竦めてみせる。
リーンエス王国の王都は伝説の超大型クリーパー『竜喰らい』の復活と幽界分樹の発生、そしてメドゥの指先幹部の襲来に揺れているという。それに幽界樹といえば帝都のものが健在で、帝国全土と王国北部の大地からエーテルを吸い上げ続けている。該当地域は不作に陥り、昨年は『豊穣の雫』なるアイテムが救世主となったものの、その材料となるエーテル石の追加入手が容易ではないことから、今年は十分な収穫が期待できない地域が多くなる見込みだ。
「姪っ子ちゃん 、大丈夫かなぁ。ちょびっと心配になってきたかも」
「リブラネスタの被害状況も、まだ詳しくは伝わってきていませんものね……。大丈夫、きっと無事ですよ!」
「……だよね! ってか、あれススキじゃね? ゴール近い?」
遠い海からリブラネスタに襲来した超大型クリーパー『嵐逆巻く魔海竜』と、彼の都市の冒険者ギルドで働く姪 のことを思い出して、一瞬しょんぼりしてしまったシグルラン。しかしアカネの言葉に励まされ、前方に見えた金色の輝き目指して一気に山道を駆けあがった。
「うわぁ~~~~~!!! すっげ~~~~~!!!」
「素敵! まるで黄金色の海みたいですね……!」
山の頂上よりも少し下。森を抜けた二人の目の前には、どこまでも続く黄金色のススキ野原が広がっていた。
しばらく絶景を楽しんだ後は、女子会タイム。
木陰にゴザを敷いておつまみとお菓子、日本酒を並べれば、野外宴会場の出来上がりだ。
「フルーツやお団子もありますよ」
「美味しそ~~! よーし、それじゃ」
「「「いっただきまーーす!」」」
((……ん?))
今、誰かもう一人の声がしなかっただろうか。
不審に思った二人がキョロキョロと視線を巡らせると――
「わー、この甘納豆おいしいね。こっちのお団子も貰っていい?」
二人のすぐ横で、ふわふわ浮遊する変な物体がお菓子を貪り食っていた。
「うわっ!? なになに誰お前!?」
「ま、魔獣? いえ、何でしょう……?」
白くてコロンとした球体に、ちょこんと尖った尻尾(?)。子どもの落書きのような目と口。頭(?)に被った赤白ストライプの三角帽。
両手に載るくらいの大きさの見たこともない何かが、いつの間にか女子会に参加している。
「ボクは『ジュール』。お菓子ぜんぶ食べていい?」
「ジュール……?」
「へー、なんか知らねーけどよく見たら鬼可愛いじゃん。何してんの?」
途端に眉を寄せたアカネの様子に気付かず、ジュールと名乗った妖精(?)らしきものをマジマジと観察するシグルラン。問われたジュールは、口をモグモグさせながら二人を交互に見た。
「――強くなりたきゃイタズラするぞ」
「えー何それウケる!」
「……待って、シグルラン」
妙なことを言い出すジュール。アカネが声をかけるが、シグルランには聞こえていなかった。
「強くなりたきゃイタズラするぞ!」
「強く~~~? まあ、なれるんならなりたいかな?」
「シグルラン、ダメです!!!!」
アカネが思わず叫んだその瞬間。
ジュールの姿がぼやけたかと思うと、二人の目の前が一気に暗くなった。
耳を塞ぎたくなるような咆哮が響き渡り、真横から襲い来た尾に二人の身体が薙ぎ払われ、宙を舞う。
「ウソ……」
「あ、あれが……新種の『妖精』ジュールです……! 強くなりたいと答えれば……こうなります」
地面に倒れた二人の前には、巨大なドラゴンが立ちはだかっていた。
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この秋、大陸各地で目撃され、「強くなりたきゃイタズラするぞ」と人々を脅かしているらしい新種の妖精(?)ジュール。
強くなりたくないと答えれば、哀れみの視線を向けてくる。しかし強くなりたいと答えれば、強力なモンスターに変化して襲いかかってくるのだという。
文字通りボッコボコにされたシグルランと、結構ドラゴンの攻撃も回避できちゃったらしい謎の女将アカネ。二人が山を下りられたのは、それから数十分後のことだった。
執筆:桃谷かな