【呑竜】眠れる竜は王国を呑むか

ウィリアム・リーンエス

僕の臣籍降下によって、【集権派】が作られる。貴族にとっては大事だけど、王国貴族の出身で無い冒険者にとってはそれほど気にする事では無いかもしれないね。……いや、出方によっては戦争になるかもしれないから、できれば気にして貰った方が良いかもしれないな。

assignmentリーンエス王家の考える【中央集権化】について

中期以後のリーンエス王家が中央集権化を望んだのは、仮想敵国である帝国が急速に国力増大を果たした為に、その国情を分析した事によります。国を発展させるために必要な改革であると王家は判断していましたが、既存貴族の有形無形の抵抗により遅々として進まなかったのがこれまでの歴史でした。
王家の考える中央集権化とは、現在は領地ごとにバラバラな税制や法などを一本化し、『領地内で貴族が自分勝手を行う権利』を剥奪する方向性です。王家の考えの通り進めば、現行のような司法、警察、徴税など全ての権力を貴族に集中させた領地制度は(法を統一する事や、税制を統一することなど)段階を踏んで少しずつ失われていくでしょう。
もともと外敵としてクリーパーや魔獣の居るロスガリアの文化、文明の発達速度は現実世界よりもゆるやかです。もしも実際に中央集権化がなされるとして、現状のリーンエス王家は現国王の代で改革が終わるとはまったく考えていません。
また、この貴族と王家の綱引きは長らく王国内で行われてきた政治です。ある程度情勢の読める貴族家であれば、数年前までは貴族側が王家に面従腹背で領主権を自由に行使していましたが、現在は王家と【集権派】が力関係を逆転したという時世の変化を理解できています。
王家側の力は確かに強くなっていますが、だからといって即座に全ての領地貴族が取り潰され、領地を返上するような事にはなり得ない程度のバランスです。

assignment王国身分制度の将来像について

王国が現在の王家の望むとおりに発展する場合、遠い将来には「貴族家だから何もしなくても親の後を継いで領主や官僚や騎士になれる」というような既得の権利は失われていくでしょう。もちろん貴族家は順当に行けば平民よりも金や人脈を持っているでしょうから、王国社会の中で名門家系であり続ける可能性は高いです。
王家にも貴族制度そのものを無くすつもりは無いため、爵位継承などの儀式的な側面は文化として残ると思われます。領地貴族であれば、何か問題を起こして没落しない限りはその地方の名士ではあり続けるでしょう。遠い将来には領主では無く代官、あるいは政治体制によっては市長のような形として統治しているかもしれません。

assignment王国貴族の短期的な立ち回りについて

貴族としての特権を維持することを狙う【貴族派】は手詰まりになっています。【貴族派過激派】であれば文字通り過激な手段に出る可能性があります。【貴族派穏健派】の場合はこれまで同様に貴族の権利を維持しようと工作を続けるでしょうが、以前ほどその立場は有利ではありません。王国の枠から出て国外に権益を得たい貴族派としてみれば、国内が駄目ならば復興中の帝国へ圧を掛けたいところですが、メアリー王女の婚姻で王家がレイウェスト皇子のバックについていることを明らかにした為にそちらの行動も封じられました。
【王党派】にも「王家に忠誠を誓ってはいるが領内では好き勝手したい貴族」は大勢居ますので、そういった貴族であれば【貴族派穏健派】と手を組む可能性はあります。これまで通りに王家へ条件闘争(忠誠を持って仕えるので領地を支配する権利は維持して欲しい)を仕掛けようと考えるでしょう。めざとい貴族であればその路線はいずれ負けそうだという予測は立ちますが、どの権利を最初に王家に持って行かれるか、といった部分で自分が手放したくないものが後回しになるように立ち回る(つまり他の家を売る)事は考えられます。
特にしがらみも私欲も薄い貴族であれば、周囲の関係の深い貴族家の様子をうかがいつつ、なるべく不義理にならない形で【集権派】へ移行しようとするでしょう。 また、数の少ない【中立派】や法衣貴族の多くはその思想的に【集権派】に所属すると思われます。

assignmentウィリアムの配偶者について

王国貴族にとって婚姻政策は政治の一環です。ウィリアムが婿入りするバデーニ公爵家内へ妻を送り込むことは【集権派】、ひいては王家へ人質を出すことでもあり、かつ派閥を移動することについて波風の立たない理由にもなります。強硬姿勢を取る力や意思の無い【王党派】や【貴族派】の貴族が【集権派】へ移るための手段とできるように、王家はウィリアムの婚姻を政治利用する意図を隠していません。
放蕩者とされ浮いた噂を流しつつも(一部の強火ファンメドゥの指先幹部などを除いて)大きな女性問題を起こしてこなかったウィリアムですが、複数の配偶者を持つのがほぼ確実な今、改めてその手腕が問われることとなるでしょう。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0