【北乱】北港騒乱

ラネンターカム
リブラネスタの反応は、まぁ妥当なところであろうな。
ジルベル
あそこでハイ分かりましたぁ、なぁんていわれちゃあ、俺達の方が困っちまいますな。
ラネンターカム
しばらくはエスト・ポーラの動きをのんびり見物かのぅ。
ジルベル
折角なんで、エスト・ポーラの魚介料理なんてどうですかね。長いこと行ってねぇなぁ。
ラネンターカム
阿呆、わしは吸血鬼じゃ。魚なんぞ喰わぬわ。
エラトゥーン都市同盟で、戦乱の嵐が吹き荒れようとしています。
(4月1日より 【北乱】連動シナリオリリース開始!)
assignment【北乱】北港騒乱 概要
幽界分樹に端を発した、エラトゥーン都市同盟の二大巨頭リブラネスタとエスト・ポーラ間の戦いの行方を追う。その裏にはメドゥの指先の不気味な思惑が蠢いている。
assignmentここまでの流れ
エスト・ポーラを始めとするエラトゥーン都市同盟の北部諸都市に対してメドゥの指先が突如、幽界分樹出現を誘発されたくなければリーンエス王国と戦端を開けとの無茶な要求を突き付けてきた。
事態の解決に動いたエスト・ポーラ市長はしかし、リブラネスタの北部諸都市軽視の態度に怒りを募らせ、都市同盟内の南北開戦へと舵を切ろうとしていた。
person_pin関連NPC
エスト・ポーラの現市長であり、エラトゥーン都市同盟内の他の北部諸都市からも絶大な信頼を寄せられている実務派。政治的手腕はもとより、経済的な見識も深く、彼の意見であれば間違いは無いであろうとの信頼を多方面から寄せられている。
《本連動での動き》
メドゥの指先からの脅迫に対処すべく動いていたが、リブラネスタの態度に怒りを募らせ、南北開戦も視野に入れた対抗措置を取ろうと奔走する。
数百年を生きた、妖艶な美女という外観の吸血鬼。大型魔獣のアンデッド化を得意とする他、個人の戦闘能力も極めて高い。
《本連動での動き》
エスト・ポーラを始めとするエラトゥーン都市同盟北部諸都市に、幽界分樹出現を誘発されたくなければリーンエス王国に攻め入れとの無茶な要求を突き付ける。
白銀虎のハーフビースト。戦士としての技量もさることながら、様々な事件で暗躍し、数多くの謀略を巡らせてきた。
《本連動での動き》
エスト・ポーラを始めとするエラトゥーン都市同盟北部諸都市に、幽界分樹出現を誘発されたくなければリーンエス王国に攻め入れとの無茶な要求を突き付ける。
menu_book関連用語・情報
龍脈即時通信装置『龍逓架』
崩壊前のシルトラース帝国が実用段階直前にまで開発を進めていた通信装置で、帝国内主要都市の魔導院に設置されていた。龍脈を利用した遠隔地同士の即時通信装置であり、リーンエス王国との決戦に備えて設計された。この龍逓架が発する魔法的な信号が龍脈を通じて帝都の幽界樹に感知され、帝国内の各都市に幽界分樹を呼び寄せたと推測されている。
過日、元帝国魔導院エスタル支部長クライス・アクバーは龍逓架のひとつがメドゥの指先幹部『青の中指』ジルベルによって盗み出されていた事実を知ったが、その所在は未だ不明のままである。
龍脈
ロスガリア大陸の地下深くを流れるエーテル地脈。エーテル浄化者はここに働きかけてエーテル浄化儀式を行っている。
幽界分樹
帝都シルトラースに聳える幽界樹を「本体」と見做した場合の、帝国内主要都市に出現した幽界樹の「分樹」。ただし幽界樹については未だ不明点が多く、帝都に出現した幽界樹が本体であるか、それとも地中やアストラル界などに真の「本体」が存在するのかは判明していない。
春の陽気が少しずつ、ひとびとの心に開放的な気分を誘 い始めた頃。
エスト・ポーラ市長ローヴィス・クレイヴラーが僅かな供回りだけを率いて突如、リブラネスタを訪れた。
彼はエラトゥーン都市同盟北部諸都市に於いて尋常ならざる緊急事態が生じたとして、リブラネスタ市長ヴィルジニア・テレーザ・セルッティや、同市の主だった重鎮を急ぎ呼び集めさせた。
「一体何事でしょうか?」
鳩が豆鉄砲を食った様な表情で会議室へと引っ張り出されたヴィルジニアだったが、ローヴィスが放った台詞には更なる驚きを禁じ得なかった。
曰く、すぐにでも軍備を整えてリーンエス王国に攻め入るべし、などとあり得ない要求を突き付けてきたのである。
「アンタ、頭大丈夫かい? 何でまたいきなりそんな……」
「龍逓架だッ! メドゥの指先があれを北部に持ち込み、幽界分樹出現を誘引されたくなければ、王国との間に戦端を開けと要求してきたのだッ!」
ローヴィスの剣幕に眉を顰めたヴィルジニア。勿論彼女とて、龍逓架 については知っている。そして、幽界分樹との関係性についても。
龍脈即時通信装置『龍逓架』は、崩壊前のシルトラース帝国が実用段階直前にまで開発を進めていた通信装置であり、帝国内主要都市の魔導院に設置されていた。これは龍脈と呼ばれる地下のエーテルの流れを利用した遠隔地同士の即時通信装置であり、リーンエス王国との決戦に備えて設計されたのだという。
この龍逓架が発する魔法的な信号が龍脈を通じて帝都の幽界樹に感知され、帝国内の各都市に幽界分樹を呼び寄せたと推測されていた。
過日、元帝国魔導院エスタル支部長クライス・アクバーは龍逓架のひとつがメドゥの指先幹部『青の中指』ジルベルによって盗み出されていた事実を知ったが、その所在は未だ不明のままであった。その情報は冒険者ギルドの報告書を通じて各国にも知られている。
その行方不明とされていた龍逓架を用いて、メドゥの指先が幽界分樹出現を誘発されたくなければ王国との戦端を開けと要求してきたのだ。その真意は分からないが、都市同盟の北部諸都市にとっては文字通り尋常ならざる緊急事態であり、最大の脅威として認識されるに至った。
「いや、ちょっと待ちなって。王国と戦争状態に突入すれば、都市同盟全体が被る損害は幽界分樹の比じゃないってことは、アンタにも分かるだろう?」
「……成程、よく分かった。それがリブラネスタの本音という訳だな」
それだけいい残すとローヴィスはいきなり背を向け、会議室を出て行ってしまった。
まるで疾風の如き勢いだった。乗り込んできた時と同様、去る時もまた一方的であり、取り付く島もない。
「ちょっとローヴィス! アンタ何考えてるか知らないけど、早まるんじゃないよ!」
ヴィルジニアの声が追いかけてきたが、ローヴィスはまるで聞く耳持たずの様子で肩を怒らせ、物凄い勢いで立ち去って行った。
一体、何だったのか――議事録を取る暇すら無く、両市長の会談はものの数分程度で終了した。
●突如吹き荒れ始めた嵐
後日、ヴィルジニアは仰天した。
エスト・ポーラ市長ローヴィスが、リブラネスタを猛烈に糾弾してきたからだ。
彼はいう。リブラネスタは北部諸都市に住まうひとびとの命を軽んじ、自分達に死ねとまでいった、と。
勿論、ヴィルジニアもリブラネスタの重鎮達も、そんなことはひと言もいっていない。が、議事録等は一文の文言すら残されておらず、北部諸都市に於いては絶大な信頼を得ているローヴィスの言葉だけが、既に独り歩きし始めていた。
更によくよく調べてみると、ローヴィスは北部諸都市を烈火の如き勢いで駆け巡り、各都市の市長らにリブラネスタの北部蔑視の姿勢を説き回って、中部に位置するリブラネスタとそれ以南の南部諸都市を徹底的に非難しまくっているのだという。
ヴィルジニアは、信じられなかった。
ローヴィス・クレイヴラーという人物はもっと思慮が深く、何事にも慎重な人物だった筈だ。その政治手腕はもとより、経済的な見識も深く、彼の意見であれば間違いは無いであろうとの信頼を多方面から寄せられている程の人物だった。リブラネスタに対して過剰な競争心を抱く議員も珍しくないエスト・ポーラにおいて、理性的に対話できる相手だと彼女自身も一目置いている。
その彼の言葉だからこそ、北部諸都市の市長達はリブラネスタの北部蔑視という本来ならあり得ない姿勢を信じたのかも知れない。
だがしかし、どうして彼が――ヴィルジニアは困惑しつつも、一体北部で何が起きているのかを調べなければならぬと頭を切り替えた。
ところが、そんなヴィルジニアの困惑を嘲笑うかの様に、更に拙い事態が出来した。
リブラネスタの軍船がエスト・ポーラの民間船を一方的に攻撃し、撃沈したとの噂が出回ったのである。
これを受けてローヴィスは、南北開戦もありやとの勢いで更にリブラネスタおよび同都市と協調する姿勢を見せた南部諸都市を激しく口撃し、都市同盟内における南北間の緊張が俄かに高まっていった。
勿論、ヴィルジニアとて黙って見ている訳ではない。事の真偽を確かめるべく、彼女はエスト・ポーラの民間船を沈めたとされる軍船の乗組員に対して、すぐさま事情聴取を実施した。
ところが、彼らは一様に無罪だと主張するばかりで、要領を得なかった。中には、怪物が件の民間船を沈めたといい出す者も居た。
しかし都市同盟沖に、船を瞬く間に沈める様な化け物が居るという話はここ最近では聞いたことも無かった。大抵の大型海棲魔獣はリブラネスタ海軍が追い払い、沿岸航路の安全は確保されている筈だったからだ。
「妙だね……何もかもが、変な方向に流れ始めている」
ヴィルジニアはここまでの一連の事態の裏に、何者かの意図を密かに感じ始めていた。
執筆:革酎