【聖祭】聖霊節2022

リーミル

あっ、オペラさんなの! 今日も予知夢を見たの?

オペラ

リーミル殿。いや、昨夜は神様がお休みだったようじゃ。年始は面白い夢を見た者が多いようじゃし、神様も休暇をとっていたのかも知れぬのぅ。

リーミル

神様も聖霊節で飲みすぎちゃったのかもしれないの。あ、オペラさん今夜空いてるの?

オペラ

おぬしは連日飲み過ぎじゃ! 聖霊節も年始も終わったのじゃから少しは酒を控えるのじゃ。

リーミル

ああ~、ずっと聖霊節なら良かったの。ポピーさん、最近見ないけど一緒に飲んでくれるかな……。

1222年の「聖霊節」はこれにておしまいです。
本年もアニエピカをどうぞよろしくお願いいたします。

assignment【聖祭】聖霊節2022 概要

聖霊節2022連動は、新歴1222年の聖霊節の時期に起きた一連の出来事の記録である。 ロスガリア大陸の人々にとって聖霊節は、一年の終わりの大切な行事。今年もきっと、人々の数だけ思い出が生まれることだろう。

assignmentここまでの流れ

聖霊節とは、伝説の英雄『ジド・ルウ』と名もなき小さな神々の偉業を讃え、あるいは祖先や近しい人への祈りを捧げる冬の行事である。この時期には、街や家庭にモミの木を飾り、数多くの祭りや礼拝が行われる。家族や友人、恋人たちと街を巡り、温かなごちそうが並ぶ食卓を囲むひとときは、人々にとって大切な一年の締めくくりでもある。
今年も各地で戦役が続き、帝国や王国北部では不作も続いている。しかし、一時的にでも豊作を約束する『豊穣の雫』のおかげで、多くの街や村の人々に笑顔が戻った。
冬の始まりと一年の終わりを告げるかのように、冒険者ギルドにも聖霊節に関する依頼が並び始める。

assignment結果

1222年12月の聖霊節では、ロスガリア大陸全土で特別な催しや慈善事業が行われた。それに伴いトラブルも発生したようだが、冒険者たちの協力によって見事解決。人々は晴れやかな気持ちで新年を迎えられたようだ。

person_pin関連NPC

冒険者御用達のとあるショップの敏腕店員。目つきの悪さや強気な言動とは裏腹に冒険者のサポートは手厚いミスツンデレ。ひそかに美容に興味があり、とある都市の名産品である「百合茶」を愛飲しているそう。

《本連動での動き》

今年も特に良き出会いは無かったので、踊る子熊亭メンツと過ごす。占いにハマり始めている。

「必ず的中する」予知夢を見ると証明された女性。予知の範囲はロスガリア大陸全土にわたり、夢の中に「白い鳥」が現れることが彼女の予知夢の特徴だという。彼女はそれを神の預言であると信じ、世界中の人々を救うべく活動している。現在はリブラネスタの冒険者街に滞在し、予知夢の情報を冒険者ギルドへ提供している。

《本連動での動き》

聖霊節の間も予知夢を見る仕事は休みがない。踊る子熊亭メンツでパーティーをする。

リブラネスタの冒険者ギルド本部に配属された新人受付嬢。アナンディーンの部下として依頼の受理、掲示、斡旋のほか、書類整理など様々な雑務を担当している。冒険者から関係各所へ送られる書類の受付・転送も仕事のひとつ。

《本連動での動き》

聖霊節は期間限定の酒が多く販売されるので忙しい。踊る子熊亭メンツでパーティーをする。

蒼狼のハーフビースト。王国に生まれ、貧しすぎる暮らしから幼少期より密猟に手を染めた後、傭兵団に拾われた過去を持つ。年齢故に引退を考えていたところを冒険者ギルドに引き抜かれ、冒険者ギルドにおける新人《授恵者》の教育担当兼、軍事関係のご意見番を務める。

《本連動での動き》

踊る子熊亭でパーティーする三人娘を見守るおじさん。

menu_book関連用語・情報

聖霊節(ユールフェス)

聖霊節の由来は、ハーフリングの英雄、『ジド・ルウ』が、その身をエーテルと成して世界に穿たれた大穴を塞いだことによる。
その挺身は、微々たる効果しかもたらさなかったが、ジド・ルウに小さな神々が続いたことが、マテリアル界への大型クリーパーの侵入を激減させ、今日の平和の礎となった。
ジド・ルウと、名を失った神々がそれを成させしめたのが、12月――というわけではない。
当時は現代の『新暦』、つまり暦が無かった。神代における『冬の時代』という比喩表現を、12月と解釈したという説が根強い。収穫祭を終え、冬に閉ざされた時節に祝い事がある、というのもヒトの営為としてちょうど良かったのだろう。
ともあれ、ロスガリア大陸ではこれらの冬の催しを、『ユール』、あるいは『ユールフェス』と呼ぶ。
『ユール』という言葉そのものの意味を冬の祭り、あるいは冬至とする説もあるが、これは違う。ジド・ルウの渾名こそがその由来である。ジド・ルウが、自らの名を「呼びにくいから」という理由で渾名として周囲に伝えたのが、『ジュール』あるいは『ユール』であった。
由来はさておき、ジド・ルウの英雄的行為を称え、名を失った神々に祈りを捧げることから始まった聖霊節は、様々な土地の風習や営為と重なった結果、亡き祖先や、近しい人々への思いを捧げるようになったのだ。特別信仰心の無いものであっても、神殿や家庭でモミの木や柊を飾り立てて祈りを捧げたり、街をあげて催しを行い、厳しい冬の中でもとっておきのごちそうを食すこの時期は、収穫祭に続く特別な時期となる。

メリーユールフェス

聖霊節の時期に人々の間で交わされる挨拶。乾杯のかけ声などにも使われる。

テラリウムのランタン

【大変動】の折、サウゼル大樹海で発見された新素材『ヒカリゴケ』を使用したテラリウム。とある冒険者の熱意と知識により考案された。モニターがてら祭りを彩る明かりとして『神匠』ヴィンダールヴルより貸し出しされている。
瓶の中に寄せ植え的にヒカリゴケの生育環境を再現したもの。冒険者向けアイテムとして配布されたテラリウムのランタンよりも大きく、街の装飾に向いている。ただし、素人の世話では枯れて光を失うまでに3日ほど。また、瓶から出せばすぐに茶色くなり光量も減ってしまう。瓶に着色したり、外装のデザインにこだわるなどして柔軟な運用が可能。

水上都市アキュアリスタ

ロスガリア大陸北東、辺境都市郡の遺跡都市の一つ。
今年はドン・ゴーフルを刺傷したアダムが遺跡に逃げ込んだことから、遺跡内は立ち入り禁止になっている。
紀元前より存在するとされる広大な湖内部に沈んだ遺跡部と、遺跡の中でも大きい建造物の最上部を利用して作られた行政区などの中心部、遺跡上に建築したり浅瀬を埋め立てることで建造された外縁部からなる。
都市内は徒歩での移動も可能だが、ボートでの移動もよく利用されている。同都市では冬季に行われる『水神祭』が最も知られている。原因は不明であるが、湖は一年に一度、冬季に大きく水位が下がり、遺跡の外観の一部が明らかになると同時に遺跡への進入が可能となる。
この時期は冒険者、研究者、加えて、その景観を見ようと観光客が押し寄せる時期であり、『水神祭』は彼らをターゲットとした、大陸全土で見ても最も大きな祭りの一つである。なお、遺跡自体は強固な素材で建築されており、破壊による遺跡調査や資材採集が困難であることから、長年に渡り探索・研究の対象となっている。現状確認されている遺跡内部への入り口は都市中心部の深層に一つのみであることも手伝い、調査用・探索用に遺跡を開放する際の利用料は同都市の貴重な収入源となっている。
遺跡は巨大な石材を組み合わせて作られており、巨大な基部と、そこから様々な方向に伸びる直方体様の構造物が組み合わさったような形をしている。
水位が下がった際に見ることができる威容はこの世のものとは思えない景観であること、夜間はその外壁の紋様が明るく発光することから、観光客の人気も根強い。

 聖霊節の賑わいも、豪華で温かなご馳走の並ぶパーティーも、今はもう過去のこと。

 都市同盟にリーンエス王国、辺境都市群、シルトラース帝国、ドワーフ王国。1222年も大陸の各地で聖霊節の祭りが執り行われた。
 今年はなんと、世界樹の下やケンタウロスの聖地でも、冒険者を招いてのパーティーが開かれたという。
 アンデッドのお陰でホラーな聖霊節となった地域もあったらしいが、それも冒険者の活躍で無事に解決している。
 人々は晴れ晴れとした気持ちで一年を締めくくり、新たな年を迎えることができた。

 ●
 年明けから半月もすれば、街も人々もすっかり落ち着きを取り戻し、いつもと変わらぬ日常へと戻って行く。
 そんな1月後半のある日。運命の人を探し続けるハーフリングの敏腕ショップ店員――ことポピー・アルルンは、記憶を頼りにリブラネスタの商店街をスキップで進んでいた。

 (今年の恋愛運は人生最高……だけど、もうちょっと詳しく聞きたいわね、そこんとこ!)

 王子様に出逢うのは、今月なのか来月なのか春なのか夏なのか秋なのか。それとも次の聖霊節直前なのか。今年といっても一年あるのだ。可能性の高い時期を特定し、そこに合わせて肌やら髪やらの調子を最高の状態までもっていく必要がある。
 先月占ってくれたシグモル出身の占い師。彼を見つけて、もっと詳細な結果を授からなければ。

 たかが占い。されど占い。
 素敵な未来を予言されたポピーは、この一ヶ月を天にも昇る気持ちで過ごしてきたのだ。

「おかしいわね。確かこのへんなんだけど……」

 ところが。
 あったはずの場所に、目当ての占い屋台は無い。
 まさか、聖霊節の時期だけの出張屋台か何かだったのだろうか。いや、人気が出過ぎて別の場所に店を構えることにしたのかもしれない。

「あのっ、ちょっといいかしら!」

 慌てて、通行人を呼び止めるポピー。

「ここに占い師が屋台を出してたと思うのだけど、どこ行ったか知らない?」
「ああ~、あの占い師ね」

 しかし、現実は非情なもので。

「詐欺だったらしいわよ~? シグモル出身どころか、どっかの肉屋の放蕩息子ですって。占いなんて言って、適当に客が喜びそうなこと言ってただけみたい」

 ●
「ふっっっざけやがってえぇぇーーーーーー!!!! もう一杯!!!!」
 冒険者で賑わう、夜の踊る子熊亭。すっかり酔いの回ったポピーの右腕が、大音量とともにジョッキの底を卓へと叩きつける。
「なぁ~にが恋愛運よ。アタシの一ヶ月は何だったのよ!!」
「けしからん男じゃ。悩める者を騙して金をとるなど、人の恨みを買うだけじゃろうに」
「あはは~。ポピーさん、その人見つけ出して〆るなら依頼票はこちらなの~」
「やめるんだリーミル。ポピーを殺人犯にしたいのか」

 怒りのままにジョッキをあおり、次々とオーダーを重ねていくポピー。
 占い師を騙った不届き者のせいで予知や預言というものまで胡散臭く見られては困る、と眉を寄せるオペラ。
 特に理由はないがべろんべろんに酔っているリーミル。
 意識して酒量を抑えながら、酒場で一番騒がしい三人娘を見張るアナンディーン。
 ちょっぴり遅い新年会は、2時間経っても同じ話題(詐欺師への怒り )の堂々巡りであった。

「はぁ……アタシの王子様は一体どこにいるのかしら。結構がんばってるつもりなんだけど」

 12杯目のエールをあけて、ポピーは急にしょんぼりと肩を落とした。
 リーミルは卓に突っ伏して寝落ちし、オペラも酔いが回ったのかボンヤリとした顔で肴をつついている。

「ねえアナンディーン。独身のアンタに聞くのも何だけど、運命の出会いってそんなに無いもの? アタシ、自信なくなってきちゃう」
「……。運命の出会いなんてものは、人生で何度もあるものじゃない」

 杯を傾けながら、アナンディーンは静かに言葉を継いだ。

「いつ、どこでその人に出逢うかはわからない。出逢ったとして、それがどんな運命なのかわかるのは、恋に落ちてしまってからだ」
「どんな、運命……」
 蒼狼の金眼が寂しげに揺れた気がして、ポピーは握っていたジョッキをそっと卓へ置く。

「急ぐ必要はない。いつか人生を捧げても良いと思える誰かに逢えたその時に、全力で恋をすればいい。だからポピー、焦って変な男に捕まるようなことだけはするんじゃないぞ」
「アナンディーン……」

 すっかり感じ入った様子で、赤い瞳を潤ませるポピー。ぐっと両手を握り締め、アナンディーンに向かって勢いよく身を乗り出した。

「アンタ、実は息子とかいない!? できればアタシと同年代の!! アタシ、アンタが義父なら上手くやっていけると思うのよ!!!」
「いるわけがないだろう! 全く、急ぐなと言ったそばから何を……」

 鼻息荒く迫ってくるポピーの勢いに圧され、アナンディーンは頭を抱えて席を立つのだった。

 執筆:桃谷かな
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0