【夏果】サマービーチでトロピカルフルーツを

シュゼット

『次なるブームはトロピカルフルーツ』?
エフィミアさん、これって……?

エフィミア・リリック

あちこちの商人がカカオブームや宝石ブームの次の題材を探していて、それに行き着いたようなのよ。カカオの台頭でお株を奪われたフルーツの復権を、という農家の希望もあるかしらね。

シュゼット

は、はぇ〜……でもこれからの季節、冷えたフルーツや飲み物はありがたいですね!

エフィミア・リリック

私も休暇を取って、夏の海を満喫しちゃおうかな?

次なるブームは「トロピカルフルーツ」のようです――
(7月8日より 【夏果】連動シナリオリリース開始!)

assignment【夏果】サマービーチでトロピカルフルーツを 特設ページ

【夏果】連動は、各地の海岸を中心に発生した「トロピカルフルーツブーム」にまつわる出来事の数々である。カカオブーム、宝石ブームに次ぐものを探していた商人たちは夏の果物に目をつけ、これを海辺のバカンスと結びつけた。冒険者ギルドにも関連の依頼が貼り出されることとなったのである。

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assignmentここまでの流れ

それは休暇中のギルド受付嬢たちの些細なお喋りが、ひとの口から口へ伝わり、とある豪商の耳に入ったことからはじまった夏の商業戦略。カカオにお株を奪われていたフルーツの復権を望む農家たちもおり、商人たちはこぞってトロピカルフルーツを取り上げ、ブームを作り出そうとしていた。
それはそれとして、せっかくの夏は海辺でバカンスを楽しみたい。そうは思わないかね?

person_pin関連NPC

探索支援ギルド長。
リリックと言う名字は引退後に勝手に名乗っているものであり、エピックとなる死に様を迎えた友人への当てつけらしい。
眼鏡をかけ髪型を変えれば誰にも気づかれないと思っており、ときどき街中(やけ食い)や迷宮(魔法ぶっぱ)でストレスを解消している。

《本連動での動き》

休暇を取り水着でバカンスを満喫中。トロピカルフルーツをいっぱい食べよう。

リブラネスタの冒険者ギルドに務める新人受付嬢。うさぎ種のハーフビーストで、気が弱く、おっちょこちょい。「はわわ……」が口癖。
惚れっぽいが即座に失恋するまでがセット(対象に恋人がいる、既婚者等)。めげずに物語にあるような大恋愛をしてみたいと思っている。

《本連動での動き》

今回は夏季休暇をめいいっぱい楽しむつもりのようですが、どうやら色気より食い気が勝っているようです。

「あづ〜……ぃ」
 冒険者ギルドの新人受付嬢シュゼットは、色気のないうめき声をあげて机に突っ伏していた。
 サウゼル大樹海やゴールディほどの湿度ではないとはいえ、リブラネスタも夏本番ともなれば暑いものは暑いのだ。平々凡々な体型を隠す厚着もできなくなったシュゼットは、とうとう薄着になり、伸ばしていた髪も切ってしまった。若干伸びてきた髪を強引にまとめているせいで、うっすらと汗が浮かぶうなじにおくれ毛が張り付いている。
「任されたお仕事も、そこそこ早く捌けるようになりましたし、このあたりでご褒美が欲しいです〜……」
 例えば、バカンスとかバカンスとか。
 シュゼットは物欲しそうな目で、先輩受付嬢を見上げる。
「そうね……シュゼットにはこの間シャルガネまで出張して貰ったし」
「!!」
 暑さでだれていたシュゼットのうさぎ耳がぴんと立った。まんまる大きな瞳が期待に輝く。
 それに対し、先輩受付嬢はにっこりと微笑みかけた。
「もっと大きい規模の案件を任せてもいい頃合いかもしれないわね!」
「どうして」
 ごん、と音を立ててシュゼットは再び机に突っ伏した。
「そうがっかりすることないわよ、ほぼほぼ休暇みたいなものになるかもしれないし」
「……? どういうことなのです?」
 のろのろと顔を上げたシュゼットの頬に、先輩受付嬢はよく冷えたフルーツジュースの注がれたグラスをひたりと当てた。
「ぴゃあっ! はわわつめたい」
「とりあえずまずはこれを飲みなさい。暑くて倒れちゃうわよ」
 シュゼットはグラスを受け取ると、ごくりと一口飲んでみた。
 口の中に広がるほどよい酸味と甘さ、柑橘系の爽やかな香り……よく冷やされたジュースが喉を伝って体の奥に落ちていく心地よさ。シュゼットはほうと息をついた。
「とってもおいしいです! 食堂に新しいメニューが入ったんですか?」
「そうなのよ。今夏の流行りはトロピカルフルーツ、ってことでね」
 先輩受付嬢はいくつかの依頼書を机の上に広げた。
「カカオに市場を奪われたフルーツ農家たちと商人が張り切っているというわけ」
「なるほど……」
 なんでも先輩受付嬢の話によれば、豪商が動いたことからはじまったこの流れは、海岸沿いを中心に大陸全土規模に広がりつつあるというのだ。夏といえば海、海といえばバカンス、バカンスといえばみずみずしいフルーツ……という具合で、各地で催事が準備されているらしい。それに伴い、冒険者ギルドにも色々と依頼が舞い込み始めているというわけだ。
「どこも『うちのフルーツが負けるわけない』ってね」
「王国メロンに、都市同盟のさくらんぼ、ゴールディ産のマンゴーにシャルガネのスイカ。フィルエスは言わずもがな、果実といえばよりどりみどりですからね」
 帝国にも海(ダンジョン )はあるし、加工や品種改良に長けたディズルも名乗りをあげたという。ちなみにシグモルは女神ボルガニスクも愛したらしい芋アイスを大プッシュしている。フルー……ツ……? まあ夏にアイスはおいしいからね。
 そういえばカカオブーム発祥の地、エドゥノーグは――といったところで、玄関ホールに来客を知らせるベルが響き渡った。
「エフィミアさん、こっちです!」
 探索支援ギルド長エフィミア・リリック――エドゥノーグにおける有名人が休暇満喫中といった格好で現れたことに、シュゼットは驚いた。
「こんにちは。しばらくお世話になるわ」
「はい! こちらでの不便はすべて、シュゼットにお申し付けください!」
「は……はわわわわわ!」
 突然先輩受付嬢によって立たされたシュゼットは、エフィミアという人生の大先輩を前に緊張のあまり、声も出ないのだった。


 執筆:炙りとろ左門
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0