【西局】王国西部局地戦線

ロレッタ・レーゼン
辺境伯……太信党は壊滅し、吸血鬼共も全て斃されました。本来であれば、おめでとうございますとお祝いの言葉を申し上げたいところですが……。
ルーヴェン・アクファリテ
おぅ、分かってるさ。今回の戦い、勝つには勝ったが、犠牲も大き過ぎた。
ロレッタ・レーゼン
多くの漠兵隊員、護兵団員、それにアザンティア隊長も……。
ルーヴェン・アクファリテ
けどな、俺達は立ち止まっちゃあいられねぇ。死んだ奴らの分まで生きて、前に進まなきゃあな。
ロレッタ・レーゼン
そうですね……微力ながら、私もお手伝い申し上げます、閣下。
シラー砂漠最大級のバルバロイ組織『太信党』は壊滅し、恐るべき吸血鬼達も死に絶えた。しかし、その代償は余りに大き過ぎた。
(10月6日より 【西局】事後シナリオリリース予定!)
assignment【西局】王国西部局地戦線 特設ページ
王国西部局地戦線連動は、リーンエス王国西部に広がるシラー砂漠を舞台とした戦乱の記録である。シラー砂漠最大級のバルバロイ組織『太信党』が突如、西方辺境伯との戦いに打って出てきた。しかしその背後には、太信党だけではない別の何かが潜んでいる。
その何かが、戦いの行方を大きく左右する。
assignmentここまでの流れ
バルバロイ組織『太信党』がシラー砂漠とリーンエス王国内地を隔てる西方領境に、大規模な攻勢を仕掛けてきた。
西方辺境伯ルーヴェン・アクファリテは麾下の戦力を動員すると同時に、冒険者ギルドに対しても支援を要請。同じく西方領境を守る王国貴族達と力を合わせ、太信党の侵攻を食い止めようとしている。
一方、太信党の背後には蛮族や魔獣以外にも、何者かの影が蠢いている。その何者かが、いよいよ表舞台に姿を現わそうとしていた。
(2022/7/2追記)
各砦や戦線で太信党との戦いを見据え、準備を進めてきたアクファリテ西方辺境伯。
ところがここ最近になって極秘の補給線が攻撃されたり、或いは一部の砦では公にされていない筈の弱点を衝かれたりするなど、明らかに情報が漏れていると思しき状況が続き、敵の攻勢が活発化してきている。
加えて、太信党には謎の吸血鬼が戦力に加わっていることも判明。
太信党と通じる王国内部の何者かを炙り出すため、冒険者を中心とした熾烈な情報戦が展開されようとしている。
(2022/8/3追記)
太信党に協力していたリーンエス王国内地の裏切者は、始まりの百家に連なる名門貴族ファブランド侯爵家であることが判明。王家の命で派遣された王国騎士団から領地封鎖措置を受けたファブランドだったが、攻め込まれる直前に脱出。アンデッド部隊を率いてシラー砂漠へと向かい、太信党との合流を目論む。
(2022/9/4追記)まで守り続けてきた防衛線の一角が破られ、太信党が怒涛の勢いで西方辺境伯領都へと雪崩れ込んできた。ふたりの吸血鬼も太信党に協力する形で同時に、西方辺境伯抹殺へと動く。最終決戦の舞台は、領都及びその周辺。ここで、決着がつく。
assignment結果
西方辺境伯領都に於ける太信党との決戦は、西方辺境伯側の勝利に終わった。同時に、西方辺境伯家抹殺を目論んでいた吸血鬼レムアルス・ファブランドとテクホテップも討伐され、一連の戦いは終結。しかし西方辺境伯側の犠牲も多く、手放しで喜べる状況ではなかった。
person_pin関連NPC
リーンエス王国の現在の西方辺境伯。
腕っぷしの強さと優れた統率力でシラー砂漠のバルバロイ達と渡り合ってきた。
ネーミングセンスにやや難あり。
《本連動での動き》
バルバロイ組織『太信党』との決戦に備え、麾下の兵力『漠兵隊』と『護兵団』を動員し、各拠点や戦線に随時戦力を投入中。
西方辺境伯領都へと雪崩れ込んできた太信党を迎撃する為、自らも剣を手に取り、最前線で戦った。
孤高の吸血鬼ハンター。
両親の仇敵たる中位吸血鬼討伐の際に、西方辺境伯から助力して貰った。
その縁で、西方辺境伯には色々と協力することが多くなった。
《本連動での動き》
西方辺境伯を助けるべく、各拠点や戦線に出向いて太信党やクリーパーとの戦いに臨んだ。
身長2メートル超えのヒューマン女性。
王国の市井民とシラー砂漠のとある部族民との混血であり、その巨躯と鋼の様な筋肉で並み居る敵を薙ぎ倒すパワーファイター。
《本連動での動き》
アクファリテ西方辺境伯麾下の漠兵隊を率いて太信党との戦いに臨む。
(2022/10/5追記)
西方辺境伯領都へと雪崩れ込んできた太信党との決戦に臨むも、巨大蠍型魔獣との闘いの中で命を落とした。
優男風の印象を与える長身のヒューマン男性。
頭脳戦術論者で、軽やかな身のこなしでの高速戦闘を得意とする機動戦闘術の達人。
《本連動での動き》
アクファリテ西方辺境伯麾下の護兵団を率いて西方辺境伯領とその周辺の防備を担う。また諜報任務も担当。
シラー砂漠のバルバロイ組織『太信党』の首領。優れた戦術眼と指揮能力、圧倒的なカリスマを駆使して多くの部下を死地へと送り込む。
《本連動での動き》
太信党を率いて西方辺境伯の繰り出す兵や冒険者達との戦いに臨む。
(2022/8/3追記)
リーンエス王国内地の協力者レムアルス・ファブランドをシラー砂漠に迎え、西方辺境伯との戦いに備えようとしている。
(2022/9/4追記)
西方辺境伯領都攻略の為、自らも大型魔獣を駆って最前線に姿を現し、漠兵隊や授恵者に戦いを挑む。
(2022/10/5追記)
西方辺境伯領都での決戦に臨むも、冒険者達に討ち取られた。
『太信党』が支配する遺跡テクホテップ陵で復活した数百年前の吸血鬼であり、数名程度の冒険者では到底斃せない程の実力を誇る怪物。その正体は未だ、謎に包まれている。
《本連動での動き》
目的は不明ながら、ひとまずは太信党と協力して西方辺境伯や冒険者との戦いに臨もうとしている。
(2022/8/3追記)
弟吸血鬼に当たるレムアルス・ファブランドと合流し、西方辺境伯との戦いに備えようとしている。
(2022/9/4追記)
西方辺境伯領都攻略に動いた太信党と共に、自らも西方辺境伯抹殺の為に領都近くまで迫る。その狙いは飽くまでも、西方辺境伯の首ひとつ。
(2022/10/5追記)
西方辺境伯を狙って攻撃を仕掛けるも、冒険者達の手によって滅ぼされた。
リーンエス王国の名門ファブランド侯爵家を陰から操っていた吸血鬼。父吸血鬼たるラネンターカムを斃した西方辺境伯家への復讐の為に、『太信党』と結託していた。
《本連動での動き》
その目論見と過去の所業が発覚した為、手勢(アンデッド部隊)を率いてシラー砂漠へと向かい、兄吸血鬼達と共同戦線を張ろうとしている。
(2022/9/4追記)
西方辺境伯領都攻略に動いた太信党と共に、自らも西方辺境伯抹殺の為に領都近くまで迫る。その狙いは飽くまでも、西方辺境伯の首ひとつ。
(2022/10/5追記)
西方辺境伯を狙って攻撃を仕掛けるも、冒険者達の手によって滅ぼされた。
menu_book関連用語・情報
シラー砂漠
クリーパーや凶悪な原生生物のみならず、バルバロイと呼ばれる敵対民族の住処でもあり、彼らは王国に対して絶えず略奪の機会を伺っている。これらの外敵の存在は、王家・貴族の権威付けに寄与する一方で、国内における王家・貴族の関係性を複雑にしていることも事実だ。
王国本土の防衛や、砂漠で取れる資源や素材を生活の糧とするために砂漠に近い領域に住まう者たちは総じて日焼けしており、砂漠の民と自称することもしばしば見られる。
太信党
シラー砂漠最大級のバルバロイ組織。その総数は不明ながら、自組織のみならず、太信党に従う幾多の蛮族も合わせると、最大兵力は西方辺境伯と彼の寄り子貴族の軍勢にも劣らない。
シラーの神を信奉する彼らは、王国に恭順姿勢を見せる砂漠部族民をも敵対視している。
アクファリテ西方辺境伯家(7月2日追加)
リーンエス王国の四つの辺境伯家の一つで西方の守備を担う。過酷なシラー砂漠に住むバルバロイや亜人との不断の戦いに鍛えられ、精強な直属軍(漠兵隊・護兵団)と周辺領主の協力を受けて国境地帯を防衛し続けている。周辺の寄り子領主や王国に参入していない部族らも含めた協力者との結束は非常に固い。
漠兵隊
アクファリテ西方辺境伯麾下の外征部隊。シラー砂漠に於ける対バルバロイ戦闘専門の殴り込み集団。攻撃こそ最大の防御の精神で、兎にも角にも先手を打って敵対勢力を叩いてしまえの思想で戦いに臨む。
隊長はアザンティア・カーン。
護兵団
アクファリテ西方辺境伯麾下の防衛部隊。守りを専門とする鉄壁の防衛戦闘部隊で、攻め込むのは苦手ながら、守りに関しては一流の戦闘力を発揮する他、諜報任務にも当たる。
隊長はダルヴィン・ケルソー。
ラネンターカム陵(7月2日追加)
上から見ると星形に見える巨大なピラミッド。神代の頃に建造されたという伝説だけが伝わっており、誰が何の目的で建てたのかは一切不明。後に数百年前の有力な部族長ラネンターカムが自らの陵墓としたことから、この名がついた。
内部は複雑な迷路となっており、初見者が案内も無しに足を踏み入れれば、大抵迷子になる。数多くの罠と要塞の如き堅牢な構造に目を付けた太信党が本拠地として使用しており、一部は首領ウザリ・クル・タハーラの個人宅に割り当てられている。
テクホテップ陵(7月2日追加)
三角錐型のピラミッド。神代の頃に建造されたという伝説だけが伝わっており、誰が何の目的で建てたのかは一切不明。ラネンターカムに仕えた数百年前の神官テクホテップの陵墓であると伝えられてきたが、実際は吸血鬼と化したテクホテップが永きに亘って封印されていた。
現在は太信党がラネンターカム陵に次ぐ第二拠点として使用している他、一部はテクホテップの個人宅に割り当てられている。こちらも数多くの罠と堅牢な構造で、侵入者を苦しめる。
陸戦階級称号「青燕兵曹」
【西局】連動でリリースされたシナリオのうち、「難易度:普通以上」かつ以下のジャンルのシナリオにおいて結果が「成功以上」となった場合、特に功績が認められたPCに対して「青燕兵曹」という西方辺境軍閥特有の称号が付与されることがある。
【対象シナリオジャンル】
・戦闘:剣のアイコン
・冒険:靴のアイコン
・調査:紙と虫眼鏡のアイコン
「青燕兵曹」の称号を持つPCは、付与された次のフェーズ以降にリリースされる【西局】連動の一部シナリオで、小隊規模(20名前後)のNPC部隊(主に西方辺境伯麾下の漠兵隊、もしくは護兵団の分隊)に対し、部隊規模での行動を依頼することが出来る。但し依頼内容によっては断られる可能性もある。
「青燕兵曹」の称号をもつPCがNPC部隊に行動を依頼することができるシナリオには「解説」の冒頭に必ず以下の定型文が記載され、記載のないシナリオでは称号に効力はない。実際に依頼できる部隊の詳細や依頼できる行動の制限などは、シナリオ毎に個別に設定される場合がある。
【定型文】
このシナリオでは、「青燕兵曹」の称号を持つPCがNPC部隊(約20名)に対し、部隊規模での行動を依頼することが出来ます。但し依頼内容によっては部隊の了承を得られない場合もあります。
西からの強い陽射しを浴びながら、男は無表情のまま、砂の大地をじっと眺めていた。
リーンエス王国西方辺境伯ルーヴェン・アクファリテ――決して誰にも見せたことの無い、幾らか疲れ切った表情。その黒い瞳には、此度の戦いで散っていった多くの将兵達を悼んでいる様な色が浮かぶ。
西方辺境伯領都内の自邸屋上に設置された物見櫓上で、ルーヴェンは瞼を閉じ、大きな吐息を漏らした。
幾つもの後悔、答えの出ない自問が次々と胸中に湧き起こってくる。
もっと良い戦い方が出来たのではないか。
これ程に多くの兵を死なせることなく、更に何か上手くやれる方法があったのではないか。
己を責め、罵倒する内なる声はしばし、ルーヴェンの脳裏で静かに渦巻き続けていた。
しかし、その静寂は長くは続かない。
護兵団長ダルヴィン・ケルソーが櫓上に姿を見せ、ルーヴェンの背に向かって一礼した。
「戦後措置は全て完了しました」
「そうか。ご苦労だった」
応じてからルーヴェンは瞼を開き、先程までとは異なる力強い眼光を湛えて、ダルヴィンに振り向いた。
ルーヴェンの前では、ダルヴィンは努めて無表情を貫いている。
これまで常に傍らにあった、頼れる同僚が居ない。彼女はもう二度と、隣で肩を並べることは無いだろう。だが、つらい思いを抱いているのは何も自分ひとりだけではない。だからこそ彼は、静かに感情を押し殺した。護兵団長として、己の悲哀を無闇にさらけ出す訳にはいかなかった。
ルーヴェンはダルヴィンが差し出した褒賞一覧、及び補償対象表を受け取り、さっと目を通した。
これといった抜けや漏れも無く、過不足も無い。完璧な内容だ。ダルヴィンの今の心境を思えばこれ程の仕事をこなすのは至難の業だっただろう。
それでもダルヴィンは平静を貫き、己のやるべきことを全うした。
ならばルーヴェンも、その心意気に応じなければならない。決して下を向くことはせず、常に前だけを見続ける強いリーダーシップを発揮しなければならなかった。
「皆、集まってるか?」
「既に閣下の御登壇を待ち焦がれております」
そうか、と短く答えてルーヴェンは櫓を降りた。向かう先は領都中央広場。そこに、シラー砂漠最大級のバルバロイ組織『太信党』との激闘を生き抜いた多くの兵と、避難先から帰ってきた領都民が集まっている。
彼らはルーヴェンの勝利宣言と、死んでいった者達への哀悼の言葉を聞く為に、彼の登場を待っていた。西方辺境伯の堂々たる姿を見てこそ、彼らは安心を得られるのだ。
アクファリテ西方辺境伯はいつでも厳粛さと強さと、そして優しさを併せ持つ存在でなければならぬ――西方辺境伯に求められる資質は常に高潔で、そして厳しい。
だがそれでも、受け入れなければならない。アクファリテ家に生まれた以上は、泣き言は許されぬ。
ルーヴェンは両掌で己の頬を軽く打って気合を入れ直した。
(くよくよしている場合じゃねぇな……俺は西方辺境伯だ。皆を率いて前に進まなきゃならねぇ)
トップに立つ者には感傷に浸る時間など、許されない。
それはルーヴェン自身が誰よりもよく理解していた。
●シラー砂漠のこれから
ルーヴェンが領都中央広場で将兵や領都民達に力強い言葉を贈っている一方、ダルヴィンは今回の戦いで武功を誇った一部の冒険者や傭兵達を、アクファリテ邸の大食堂に招いていた。
吸血鬼ハンター、ロレッタ・レーゼン。
砂狼、シャムハーン・ラハマディ。
黒槍の守り人、ガレス・コーニッシュ。
近隣冒険者ギルドからの代表、アルヒ・ラスカス。
そして、吸血鬼レムアルス・ファブランドやテクホテップを討伐した多くの冒険者達。
いずれもそうそうたる顔ぶれであった。
「近く西方辺境伯閣下より正式に感謝の御言葉が贈られることになるが、まずはこの私から皆様方に心からの御礼を申し上げたい。此度の活躍、実に見事でした」
貴族ではなく、軍人として敬礼を送るダルヴィン。
一瞬だけ室内は引き締まった空気に満たされた。この一事からだけでも、西方辺境伯家が優雅さよりも武を重んじる家風であることがよく分かる。
アクファリテ家は始まりの百家に連なる名門だが、貴族ではなく武家としての誇りが高い家柄の様だ。
しかし、堅苦しいのもここまで。
ダルヴィンは表情を和らげ、穏やかな笑みを湛えた。その表情にはどこか安堵感が漂う。太信党との戦いが如何に峻烈だったかを如実に物語っている様にも思えた。
「漠兵隊は、今後どうなる?」
ロレッタが淡々とした表情で訊いた。短い間ではあったが、彼女にとっては故アザンティア・カーン漠兵隊長は良い友だった。そのアザンティア死後の漠兵隊の行く末が気になっている様子だった。
「当面は辺境伯閣下が隊長を兼任されるが、それも臨時措置に過ぎない。近いうちに新たな隊長を迎える予定だが……もし君達の中から立候補者が現れれば、十分に考慮の対象となるだろうね」
だがそれよりも今は、他にやることがあるとダルヴィンは苦笑を返す。
その第一が、太信党がかつて本拠地として利用していたラネンターカム陵、及びテクホテップ陵の攻略と接収である。このふたつの巨大遺跡は、下手に放置すれば今後もまた、別のバルバロイ組織に本拠地として利用されかねない。
その前に西方辺境伯が自身の勢力下に置こうと考えているとの由。
「近々、また君達に依頼が出されることになるだろう。その時は、また宜しく頼むよ」
太信党との戦いは終わっても、まだまだ仕事は多い。
冒険者や傭兵達の間に、妙な安堵感が流れた。
この先も、自分達の活躍の場は幾らでもある、と。
執筆:革酎