【西局】王国西部局地戦線

ルーヴェン・アクファリテ

何だよガレスの奴。来てたんなら、ひと声かけてくれりゃあ良いのに……まぁ良いや、今度俺からメシ誘おう。

ロレッタ・レーゼン

辺境伯、随分機嫌が良さそうですね。

ルーヴェン・アクファリテ

お、分かるか? 実は内地に居た裏切者の正体が分かってな。ここからが反撃だぜ。

ロレッタ・レーゼン

それは私も聞きました。矢張り、ファブランド侯爵家が……始まりの百家にも連なろうという名門が、堕ちたものですね。しかし何故ファブランドと吸血鬼が、こうまでして深い繋がりを得る様になったのか……。

ルーヴェン・アクファリテ

これがまた驚きの真相でなぁ。俺の爺さんが討伐した吸血鬼ラネンターカムの子吸血鬼が、ファブランドの陰の支配者レムアルス・ファブランドだったみてぇなんだよ。ま、詳しくはうちのケルソーから聞いてくれ。

リーンエス王国西部のシラー砂漠最前線で、急展開があった模様です。
(8月4日より 【西局】連動シナリオリリース開始!)

assignment【西局】王国西部局地戦線 特設ページ

王国西部局地戦線連動は、リーンエス王国西部に広がるシラー砂漠を舞台とした戦乱の記録である。シラー砂漠最大級のバルバロイ組織『太信党』が突如、西方辺境伯との戦いに打って出てきた。しかしその背後には、太信党だけではない別の何かが潜んでいる。
その何かが、戦いの行方を大きく左右する。

assignmentここまでの流れ

バルバロイ組織『太信党』がシラー砂漠とリーンエス王国内地を隔てる西方領境に、大規模な攻勢を仕掛けてきた。
西方辺境伯ルーヴェン・アクファリテは麾下の戦力を動員すると同時に、冒険者ギルドに対しても支援を要請。同じく西方領境を守る王国貴族達と力を合わせ、太信党の侵攻を食い止めようとしている。
一方、太信党の背後には蛮族や魔獣以外にも、何者かの影が蠢いている。その何者かが、いよいよ表舞台に姿を現わそうとしていた。
(2022/7/2追記)
 各砦や戦線で太信党との戦いを見据え、準備を進めてきたアクファリテ西方辺境伯。
 ところがここ最近になって極秘の補給線が攻撃されたり、或いは一部の砦では公にされていない筈の弱点を衝かれたりするなど、明らかに情報が漏れていると思しき状況が続き、敵の攻勢が活発化してきている。
 加えて、太信党には謎の吸血鬼が戦力に加わっていることも判明。
太信党と通じる王国内部の何者かを炙り出すため、冒険者を中心とした熾烈な情報戦が展開されようとしている。
(2022/8/3追記)
 太信党に協力していたリーンエス王国内地の裏切者は、始まりの百家に連なる名門貴族ファブランド侯爵家であることが判明。王家の命で派遣された王国騎士団から領地封鎖措置を受けたファブランドだったが、攻め込まれる直前に脱出。アンデッド部隊を率いてシラー砂漠へと向かい、太信党との合流を目論む。

person_pin関連NPC

リーンエス王国の現在の西方辺境伯。
腕っぷしの強さと優れた統率力でシラー砂漠のバルバロイ達と渡り合ってきた。
ネーミングセンスにやや難あり。

《本連動での動き》

バルバロイ組織『太信党』との決戦に備え、麾下の兵力『漠兵隊』と『護兵団』を動員し、各拠点や戦線に随時戦力を投入中。

孤高の吸血鬼ハンター。
両親の仇敵たる中位吸血鬼討伐の際に、西方辺境伯から助力して貰った。
その縁で、西方辺境伯には色々と協力することが多くなった。

《本連動での動き》

西方辺境伯を助けるべく、各拠点や戦線に出向いて太信党やクリーパーとの戦いに臨む。

アザンティア・カーン

身長2メートル超えのヒューマン女性。
王国の市井民とシラー砂漠のとある部族民との混血であり、その巨躯と鋼の様な筋肉で並み居る敵を薙ぎ倒すパワーファイター。

《本連動での動き》

アクファリテ西方辺境伯麾下の漠兵隊を率いて太信党との戦いに臨む。

ダルヴィン・ケルソー

優男風の印象を与える長身のヒューマン男性。
頭脳戦術論者で、軽やかな身のこなしでの高速戦闘を得意とする機動戦闘術の達人。

《本連動での動き》

アクファリテ西方辺境伯麾下の護兵団を率いて西方辺境伯領とその周辺の防備を担う。また諜報任務も担当。

シラー砂漠のバルバロイ組織『太信党』の首領。優れた戦術眼と指揮能力、圧倒的なカリスマを駆使して多くの部下を死地へと送り込む。

《本連動での動き》

太信党を率いて西方辺境伯の繰り出す兵や冒険者達との戦いに臨む。
(2022/8/3追記)
リーンエス王国内地の協力者レムアルス・ファブランドをシラー砂漠に迎え、西方辺境伯との戦いに備えようとしている。

『太信党』が支配する遺跡テクホテップ陵で復活した数百年前の吸血鬼であり、数名程度の冒険者では到底斃せない程の実力を誇る怪物。その正体は未だ、謎に包まれている。

《本連動での動き》

目的は不明ながら、ひとまずは太信党と協力して西方辺境伯や冒険者との戦いに臨もうとしている。
(2022/8/3追記)
弟吸血鬼に当たるレムアルス・ファブランドと合流し、西方辺境伯との戦いに備えようとしている。

リーンエス王国の名門ファブランド侯爵家を陰から操っていた吸血鬼。父吸血鬼たるラネンターカムを斃した西方辺境伯家への復讐の為に、『太信党』と結託していた。

《本連動での動き》

その目論見と過去の所業が発覚した為、手勢(アンデッド部隊)を率いてシラー砂漠へと向かい、兄吸血鬼達と共同戦線を張ろうとしている。

menu_book関連用語・情報

シラー砂漠

クリーパーや凶悪な原生生物のみならず、バルバロイと呼ばれる敵対民族の住処でもあり、彼らは王国に対して絶えず略奪の機会を伺っている。これらの外敵の存在は、王家・貴族の権威付けに寄与する一方で、国内における王家・貴族の関係性を複雑にしていることも事実だ。
王国本土の防衛や、砂漠で取れる資源や素材を生活の糧とするために砂漠に近い領域に住まう者たちは総じて日焼けしており、砂漠の民と自称することもしばしば見られる。

太信党

シラー砂漠最大級のバルバロイ組織。その総数は不明ながら、自組織のみならず、太信党に従う幾多の蛮族も合わせると、最大兵力は西方辺境伯と彼の寄り子貴族の軍勢にも劣らない。
シラーの神を信奉する彼らは、王国に恭順姿勢を見せる砂漠部族民をも敵対視している。

アクファリテ西方辺境伯家(7月2日追加)

リーンエス王国の四つの辺境伯家の一つで西方の守備を担う。過酷なシラー砂漠に住むバルバロイや亜人との不断の戦いに鍛えられ、精強な直属軍(漠兵隊・護兵団)と周辺領主の協力を受けて国境地帯を防衛し続けている。周辺の寄り子領主や王国に参入していない部族らも含めた協力者との結束は非常に固い。

漠兵隊

アクファリテ西方辺境伯麾下の外征部隊。シラー砂漠に於ける対バルバロイ戦闘専門の殴り込み集団。攻撃こそ最大の防御の精神で、兎にも角にも先手を打って敵対勢力を叩いてしまえの思想で戦いに臨む。
隊長はアザンティア・カーン。

護兵団

アクファリテ西方辺境伯麾下の防衛部隊。守りを専門とする鉄壁の防衛戦闘部隊で、攻め込むのは苦手ながら、守りに関しては一流の戦闘力を発揮する他、諜報任務にも当たる。
隊長はダルヴィン・ケルソー。

ラネンターカム陵(7月2日追加)

上から見ると星形に見える巨大なピラミッド。神代の頃に建造されたという伝説だけが伝わっており、誰が何の目的で建てたのかは一切不明。後に数百年前の有力な部族長ラネンターカムが自らの陵墓としたことから、この名がついた。
内部は複雑な迷路となっており、初見者が案内も無しに足を踏み入れれば、大抵迷子になる。数多くの罠と要塞の如き堅牢な構造に目を付けた太信党が本拠地として使用しており、一部は首領ウザリ・クル・タハーラの個人宅に割り当てられている。

テクホテップ陵(7月2日追加)

三角錐型のピラミッド。神代の頃に建造されたという伝説だけが伝わっており、誰が何の目的で建てたのかは一切不明。ラネンターカムに仕えた数百年前の神官テクホテップの陵墓であると伝えられてきたが、実際は吸血鬼と化したテクホテップが永きに亘って封印されていた。
現在は太信党がラネンターカム陵に次ぐ第二拠点として使用している他、一部はテクホテップの個人宅に割り当てられている。こちらも数多くの罠と堅牢な構造で、侵入者を苦しめる。

陸戦階級称号「青燕兵曹」

【西局】連動でリリースされたシナリオのうち、「難易度:普通以上」かつ以下のジャンルのシナリオにおいて結果が「成功以上」となった場合、特に功績が認められたPCに対して「青燕兵曹」という西方辺境軍閥特有の称号が付与されることがある。

【対象シナリオジャンル】
・戦闘:剣のアイコン
・冒険:靴のアイコン
・調査:紙と虫眼鏡のアイコン

「青燕兵曹」の称号を持つPCは、付与された次のフェーズ以降にリリースされる【西局】連動の一部シナリオで、小隊規模(20名前後)のNPC部隊(主に西方辺境伯麾下の漠兵隊、もしくは護兵団の分隊)に対し、部隊規模での行動を依頼することが出来る。但し依頼内容によっては断られる可能性もある。

「青燕兵曹」の称号をもつPCがNPC部隊に行動を依頼することができるシナリオには「解説」の冒頭に必ず以下の定型文が記載され、記載のないシナリオでは称号に効力はない。実際に依頼できる部隊の詳細や依頼できる行動の制限などは、シナリオ毎に個別に設定される場合がある。

【定型文】
このシナリオでは、「青燕兵曹」の称号を持つPCがNPC部隊(約20名)に対し、部隊規模での行動を依頼することが出来ます。但し依頼内容によっては部隊の了承を得られない場合もあります。

●反撃の夜
 西方辺境伯邸内、深夜。
 漠兵隊長アザンティア・カーンと護兵団長ダルヴィン・ケルソーを執務室に招いたリーンエス王国西方辺境伯ルーヴェン・アクファリテは、燭台の灯の下で不敵に笑った。
「前回は色々手ぇ焼かされたが、ここからが本番だ。きっちり反撃させて貰うぜ」
「しかし、始まりの百家にも名を連ねる名門貴族が黒幕だったとは、少々驚きですね」
 ルーヴェンとは対照的に、戸惑いを隠せないダルヴィン。
 リーンエス王国カペル侯爵家が擁する諜報部隊『青薔薇』からの報告によれば、王家は貴族派の名門ファブランド侯爵家がシラー砂漠最大級のバルバロイ組織『太信党』と結託し、西方辺境伯家を背後から襲う格好で情報を横流ししていたことを突き止めた。
 勿論この事実が明るみになったのは、冒険者達の活躍によるところが大きい。
「王家はファブランド侯爵家とその寄り子貴族の所領に対し、主要街道と交易路の封鎖、及び人流の抑制といった措置を取った様ですね。周辺戦力を掻き集めての防衛線を張られる前に、要衝を抑えようということでしょう。実に手早い」
 青薔薇から届けられた書面を片手に、アザンティアは小さく肩を竦めた。どうやら王家は以前からファブランド侯爵家に疑義の目を向けていたらしいのだが、これといった決定的な証拠が無かった為、裏で密かに調査を進めていたとの由。
 それが今回、改めて太信党との結託という事実が浮上した。王家が嬉々として、そして大手を振りながらファブランド侯爵家の勢力一掃に動いたことが、アザンティアには何となく可笑しかった。
 西方辺境伯を陥れる筈が、一転して窮地に陥ったファブランド侯爵家。この名門貴族を陰から支配していたのが吸血鬼レムアルス・ファブランドであったという事実も既に、分かっている。
 レムアルスは上位吸血鬼であり、且つ高度な死霊術を操る恐るべき化け物でもあるという。その親吸血鬼がラネンターカムであることも判明していた。
 子吸血鬼は、親吸血鬼に対して強い愛情を持つというのが一般論らしい。レムアルスもその例には漏れず、二代前の西方辺境伯当主がラネンターカムを討伐したことに、激しい怒りを覚えていたのだろう。
 その孫たるルーヴェンに怒りの矛先が向けられたのは良い迷惑でもあったが、しかし逆をいえば、ファブランド家を永きに亘って陰から支配し続けていた吸血鬼を打倒するチャンスでもある。
 ここは、その好機に乗るべきであろう。
 そして現在、所領内での防衛戦が不可能と判断したレムアルスと彼の傀儡である現侯爵家当主クウリ・ファブランドは、王国騎士団に攻められる前に領地を脱出し、麾下のアンデッド部隊を率いてシラー砂漠に向かっている模様。恐らく太信党と合流し、西方辺境伯軍勢との決戦に臨もうとしているのだろう。
 またその一方で、太信党は様々な伝手を頼って暗殺者を雇い入れているとの報告も入っている。正面からの部隊間戦闘のみならず、搦手をも用いた戦術に打って出ようとしているのかも知れない。
 その暗殺の担い手として主に名前が挙がっているのがメドゥの指先だった。
「なりふり構ってられねぇって訳か……良いぜ、受けて立ってやる」
 ルーヴェンはのっそりと立ち上がり、夜の闇に沈む辺境伯領都を静かに睨んだ。
 決戦は近い。だがその前に、叩けるところは徹底的に叩く。
 ここから先は、気合の勝負だ。少しでも怯めば、勝利の女神はそっぽを向いてしまうだろう。

 ●分裂の危機
 太信党本拠地ラネンターカム陵内でも、最も大きい石室。
 首領ウザリ・クル・タハーラは剃髪の吸血鬼テクホテップ、その弟吸血鬼に当たるルブドゥル・デハ・シャマリ、そしてメドゥの指先の死霊術師アリバ・ジャハール・カサドを迎えて、今後の対西方辺境伯戦線についての議論を重ねていた。
「フィルエス大森林の方では、散々な目に遭ったそうですな」
「いやはや、それについてはもう、思い出したくもありませんよ」
 ウザリに水を向けられ、アリバは禿げ上がった頭を叩きながら苦笑を浮かべた。
 そんなふたりの軽口などはどうでも良いとばかりに、テクホテップが不機嫌そうに遮った。
「西方辺境伯を孤立させてやると随分自信たっぷりだったが、結局は失敗しちまった様だな。で、この挽回策はどうするつもりだ?」
 テクホテップに現実を突きつけられても尚、ウザリは余裕の笑みを崩さない。
 自分より強い相手に対し、少しでも弱みを握られる様な態度は出してはならぬというのが、ウザリが自身の経験から得た交渉術なのかも知れない。
「まだまだ、勝負はこれからです。既にレムアルス閣下が支援の為の部隊を率いて、御領を発っておられます。我らと合流を果たせば、西方辺境伯など怖くありません」
「ふん……実情は王国騎士団に追いやられて、尻尾を巻いて逃げてくるだけだろうが」
 物はいいようだな、と小さく吐き捨てるテクホテップ。
 流石にこの時ばかりはウザリのみならず、ルブドゥルやアリバも頬を引きつらせていた。確かにテクホテップのいう通り、実際のところは王国内地側の協力体制が失われ、全兵力がシラー砂漠一点に押し込まれた格好となっている。
 兵力が増大した、などと諸手を上げて喜んでいられる状況ではなかった。
「勿論、我らとてじっと指を咥えて見ている訳ではありません。方々に手を打ち、西方辺境伯に痛打を与える策を幾つも立案しようとしているところです」
 その方策とは即ち、暗殺である。
 だがそれは、窮地に追いやられた側が万策尽きる前に絞り出した苦肉の策でもある。決して誇らしげに胸を張れるものでもなかった。
 ウザリのそんな胸中を見抜いているのかどうか――テクホテップは嫌味とも皮肉とも取れる笑みを浮かべて、やれやれとかぶりを振った。
「兎も角、だ。俺達は西方辺境伯の首が取れれば、それで良い。俺も、そしてこのルブドゥルも死力を尽くして奴の打倒に動く。お前達も、もっと気合入れて動けよ」
 そこで一旦、話は終わった。
 テクホテップとルブドゥルは揃って室を辞していったが、ウザリとアリバは依然としてその場に座り込んだままである。
 ウザリの面には、苦々しい色が浮かんでいた。


 執筆:革酎
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0