【西局】王国西部局地戦線

ロレッタ・レーゼン

辺境伯。シラー砂漠がいよいよ、きな臭い状況になってきたとお聞きしましたが……我々冒険者にお手伝い出来ることはありませんか?

ルーヴェン・アクファリテ

おぅ、わざわざ済まねぇな。実のところなぁ、太信党ってバルバロイ共が最近やたらと張り切っててよぉ。どうやってブチのめしてやろうかと頭悩ませてたところだ。

ロレッタ・レーゼン

では、手当てすべき方面をご教示願います。どの方面が手強そうなのか……。

ルーヴェン・アクファリテ

どこがっつったら、そらぁやっぱ全部だよ。猫の手どころか鼠の手も借りてぇぐらいだ。

リーンエス王国西部のシラー砂漠で、大規模な戦乱が巻き起ころうとしています。
(6月2日より 【西局】連動シナリオリリース開始!)

assignment【西局】王国西部局地戦線 特設ページ

王国西部局地戦線連動は、リーンエス王国西部に広がるシラー砂漠を舞台とした戦乱の記録である。シラー砂漠最大級のバルバロイ組織『太信党』が突如、西方辺境伯との戦いに打って出てきた。しかしその背後には、太信党だけではない別の何かが潜んでいる。
その何かが、戦いの行方を大きく左右する。

assignmentここまでの流れ

バルバロイ組織『太信党』がシラー砂漠とリーンエス王国内地を隔てる西方領境に、大規模な攻勢を仕掛けてきた。
西方辺境伯ルーヴェン・アクファリテは麾下の戦力を動員すると同時に、冒険者ギルドに対しても支援を要請。同じく西方領境を守る王国貴族達と力を合わせ、太信党の侵攻を食い止めようとしている。
一方、太信党の背後には蛮族や魔獣以外にも、何者かの影が蠢いている。その何者かが、いよいよ表舞台に姿を現わそうとしていた。

person_pin関連NPC

リーンエス王国の現在の西方辺境伯。
腕っぷしの強さと優れた統率力でシラー砂漠のバルバロイ達と渡り合ってきた。
ネーミングセンスにやや難あり。

《本連動での動き》

バルバロイ組織『太信党』との決戦に備え、麾下の兵力『漠兵隊』と『護兵団』を動員し、各拠点や戦線に随時戦力を投入中。

孤高の吸血鬼ハンター。
両親の仇敵たる中位吸血鬼討伐の際に、西方辺境伯から助力して貰った。
その縁で、西方辺境伯には色々と協力することが多くなった。

《本連動での動き》

西方辺境伯を助けるべく、各拠点や戦線に出向いて太信党やクリーパーとの戦いに臨む。

アザンティア・カーン

身長2メートル超えのヒューマン女性。
王国の市井民とシラー砂漠のとある部族民との混血であり、その巨躯と鋼の様な筋肉で並み居る敵を薙ぎ倒すパワーファイター。

《本連動での動き》

アクファリテ西方辺境伯麾下の漠兵隊を率いて太信党との戦いに臨む。

ダルヴィン・ケルソー

優男風の印象を与える長身のヒューマン男性。
頭脳戦術論者で、軽やかな身のこなしでの高速戦闘を得意とする機動戦闘術の達人。

《本連動での動き》

アクファリテ西方辺境伯麾下の護兵団を率いて西方辺境伯領とその周辺の防備を担う。また諜報任務も担当。

シラー砂漠のバルバロイ組織『太信党』の首領。優れた戦術眼と指揮能力、圧倒的なカリスマを駆使して多くの部下を死地へと送り込む。

《本連動での動き》

太信党を率いて西方辺境伯の繰り出す兵や冒険者達との戦いに臨む。

menu_book関連用語・情報

シラー砂漠

クリーパーや凶悪な原生生物のみならず、バルバロイと呼ばれる敵対民族の住処でもあり、彼らは王国に対して絶えず略奪の機会を伺っている。これらの外敵の存在は、王家・貴族の権威付けに寄与する一方で、国内における王家・貴族の関係性を複雑にしていることも事実だ。
王国本土の防衛や、砂漠で取れる資源や素材を生活の糧とするために砂漠に近い領域に住まう者たちは総じて日焼けしており、砂漠の民と自称することもしばしば見られる。

太信党

シラー砂漠最大級のバルバロイ組織。その総数は不明ながら、自組織のみならず、太信党に従う幾多の蛮族も合わせると、最大兵力は西方辺境伯と彼の寄り子貴族の軍勢にも劣らない。
シラーの神を信奉する彼らは、王国に恭順姿勢を見せる砂漠部族民をも敵対視している。

漠兵隊

アクファリテ西方辺境伯麾下の外征部隊。シラー砂漠に於ける対バルバロイ戦闘専門の殴り込み集団。攻撃こそ最大の防御の精神で、兎にも角にも先手を打って敵対勢力を叩いてしまえの思想で戦いに臨む。
隊長はアザンティア・カーン。

護兵団

アクファリテ西方辺境伯麾下の防衛部隊。守りを専門とする鉄壁の防衛戦闘部隊で、攻め込むのは苦手ながら、守りに関しては一流の戦闘力を発揮する他、諜報任務にも当たる。
隊長はダルヴィン・ケルソー。

陸戦階級称号「青燕兵曹」

【西局】連動でリリースされたシナリオのうち、「難易度:普通以上」かつ以下のジャンルのシナリオにおいて結果が「成功以上」となった場合、特に功績が認められたPCに対して「青燕兵曹」という西方辺境軍閥特有の称号が付与されることがある。

【対象シナリオジャンル】
・戦闘:剣のアイコン
・冒険:靴のアイコン
・調査:紙と虫眼鏡のアイコン

「青燕兵曹」の称号を持つPCは、付与された次のフェーズ以降にリリースされる【西局】連動の一部シナリオで、小隊規模(20名前後)のNPC部隊(主に西方辺境伯麾下の漠兵隊、もしくは護兵団の分隊)に対し、部隊規模での行動を依頼することが出来る。但し依頼内容によっては断られる可能性もある。

「青燕兵曹」の称号をもつPCがNPC部隊に行動を依頼することができるシナリオには「解説」の冒頭に必ず以下の定型文が記載され、記載のないシナリオでは称号に効力はない。実際に依頼できる部隊の詳細や依頼できる行動の制限などは、シナリオ毎に個別に設定される場合がある。

【定型文】
このシナリオでは、「青燕兵曹」の称号を持つPCがNPC部隊(約20名)に対し、部隊規模での行動を依頼することが出来ます。但し依頼内容によっては部隊の了承を得られない場合もあります。

●斜陽の砂漠を望む
 リーンエス王国西方辺境伯ルーヴェン・アクファリテは城壁の頂きに佇み、西から射し込む強い陽射しを浴びながら鋭い眼光を一面砂だらけの不毛な大地へと投げかけていた。
 幾つもの隆起を見せる広大な砂漠――その向こうに、叩くべき相手が居る。
 シラー砂漠最大級のバルバロイ組織『太信党』が、リーンエス王国内地とシラー砂漠を隔てる西方領境の各地で攻勢を強め始めていた。
 太信党はかつては、数あるバルバロイ組織のうちの一集団に過ぎなかった。それが今では人間だけの単一組織ではなく、亜人や周辺蛮族、或いは魔獣使いといった諸々の戦力を吸収し、巨大な戦闘部族へと成長を遂げつつある。
 ここで太信党を叩いておかねば、必ずやリーンエス王国にも甚大な被害をもたらすことになるだろう。
 ルーヴェンは精悍な面に厳しい色を浮かべ、来たるべき決戦に想いを馳せている様にも見えた。その彼の背後にふたつの影が佇む。
 ひとりは2メートルを超える巨躯を誇る美貌の女戦士。
 今ひとりはどこか優男風の印象を与える長身の男。
 女戦士は西方辺境伯麾下の漠兵隊を率いるアザンティア・カーン。王国の市井民とシラー砂漠のとある部族民との混血であり、その巨躯と鋼の様な筋肉で並み居る敵を薙ぎ倒すパワーファイターだ。
 彼女が率いる漠兵隊とは、シラー砂漠に於ける対バルバロイ戦闘専門の殴り込み部隊である。攻撃こそ最大の防御の精神で、兎にも角にも先手を打って敵対勢力を叩いてしまえの思想で戦いに臨む集団だ。
 一方、長身の男は護兵団と呼ばれる部隊の長ダルヴィン・ケルソーである。頭脳戦術論者で、軽やかな身のこなしでの高速戦闘を得意とする機動戦闘術の達人である。
 護兵団は守りを専門とする鉄壁の防衛戦闘部隊で、攻め込むのは苦手ながら、守りに関しては一流の戦闘力を発揮する部隊である。
 攻めのアザンティア、守りのダルヴィン。このふたりの率いる隊があればこそ、西方辺境伯ルーヴェンは砂漠の蛮族とも互角にわたり合うことが出来るのだ。
 勿論、ルーヴェン自身も屈強な戦士であり、アザンティアやダルヴィンが束になってかかっても到底叶わない程の技量を誇る優秀な授恵者だ。しかしその一方でルーヴェンは誰よりも仲間と部下を大事にする。
 だからこそふたりの隊長はルーヴェンに心酔し、その手足となって戦うことを誓っていた。
「閣下、『青燕兵曹』の諸手続きが終わりました。本日より、閣下が功績を認めた冒険者からの支援依頼に対し、正式に部隊運用が可能となります」
「おぅ、早かったな。けどこれで、冒険者も色々と動き易くなるだろうなぁ」
 アザンティアからの報告を受けて、ルーヴェンは振り向きながら相好を崩した。
 そのアザンティアの傍らで、ダルヴィンは分厚い資料のページをぱらぱらとめくっている。過去に『青燕兵曹』の運用が無かったかを、改めてチェックしていた。
 ここでルーヴェンは再び、西の方角に踵を返す。今考えるべきは冒険者に与える青燕兵曹の効果ではなく、太信党に与する諸々の勢力についてだ。
「果たして……どんな連中が奴らに手ぇ貸してんだろうねぇ」
 ルーヴェンの頭の中には、幾つかの顔が浮かんでは消え、消えては浮かぶ。
 どれもこれも、厄介な強敵ばかりであった。

 ●蛮族、蜂起す
 太信党本拠地、ラネンターカム陵。
 数百年前、とある大部族の長だった男ラネンターカムが、神代の頃から存在する巨大遺跡を己の墳墓として自らを弔ったことから、その様に呼ばれている。
 星形のピラミッドという外観を見せるこの巨大遺跡は、それだけでひとつの堅牢無比な大型要塞であった。
 周辺には防衛線として幾つもの神殿や遺構群が並んでおり、更にはピラミッド自体も単一ではなく、ラネンターカム陵の他にテクホテップ陵と呼ばれる中型遺跡が隣接している。
 その日、太信党の主だった面々がラネンターカム陵内の地上部、王家の墓石室と呼ばれる広大な空間に呼び集められていた。
 無数の篝火によって、真昼の様な明るさに照らし出される石造りの密閉空間。
 その中央に、ひとりの男の姿があった。簡素な石舞台を組み上げ、周辺に集まる面々をぐるりと見渡すその男の名は、太信党の首領ウザリ・クル・タハーラ。
 西方辺境伯とほぼ同じ年代ながら、こちらは妙に顔つきが老け込んでおり、渋みのある表情が特徴的な戦士である。
 ウザリは並み居る屈強な戦士達の顔をじっくりと見廻してから、腹の底から響く様な殷々たる声音を絞り出した。
「シラーの戦士達よ。時は満ちた。我等がシラーの神は教えに従わぬ愚か者共を、全て駆逐せよと仰せである」
 ウザリは不意に、腰に吊るした鞘から曲刀を引き抜いた。篝火が放つオレンジ色の光を受けて、銀色の刃が怪しく煌めいた。
「邪悪なる王国民を斃せ。奴らに跪く愚かな民を粛清せよ。シラーの神のご加護は我等にこそある」
 砂漠民特有の日に焼けた髭面を、笑みの形に歪める。ウザリは既に勝利を確信したかの如く、声高に吠えた。シラーの神を崇め称える我等が勝者たり得るのだ、と。
「全てを平らげよ」
 ウザリの号令を受けて、戦士達は鬨の声を上げた。

 ラネンターカム陵の別室内。
 ウザリは、ひとりの男と対面していた。年の頃はウザリと然程に変わらないが、砂漠民独特の彫りの深い顔立ちながら、その肌は病的に青白く、そして唇の左右の端からは妙に鋭い上顎の犬歯が覗いていた。
「ラネンターカム王のご意思を、お聞きしたい」
 青白い肌の男に低く呼びかけるウザリ。すると目の前の男はニヤリと口角を吊り上げた。
「我が弟の、支援を信じるが良い。間も無く、動き出す」
 ウザリは一礼した。それだけ聞ければ、十分であった。


 執筆:革酎
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0