【樹謂】見えない真実、護り手の声

グレイオンス

帝国過激派の侵攻は止められたか。
だが、世界樹の言葉は重く受け止めなければならない。かの幽界樹を討たねば、世界自体が滅びることになるだろう。

アシムベート・グリオウ

……あの方は何を望み、神々を喰らったのか。

グレイオンス

それは当人しかわからぬよ。
わからぬ以上、我らは世の『理』を変えようとするイダ妃を阻止しなくてはならない。

アシムベート・グリオウ

……。ディズルに戻り、同胞らに報告せねばなるまい。

「【樹謂】決戦:見えない真実、護り手の声」リプレイと特別褒賞・負傷者一覧が公開されました!
一定条件を満たしたキャラクターに称号「イダの刻印」が付与されました。

●大森林各地で
 ザフィーア・ハイセンが討たれたという報が、戦場を駆け巡った。世界樹東の森には、主を討たれ、あるいは撤退した主に置き去りにされた無数のアンデッドたちが残されていた。森をさまよい、生者へと襲いかかるそれらの対応に、冒険者やその場にいたエルフの戦士たちは追われていた。
 そこに、世界樹から発せられた光。
 鋭い光が森に突き刺さり、波紋のように広がっていくが、どこか、柔らかで温かい。
「何があったんだ?」
 冒険者たちは驚くが、不意に「見て、アンデッドが」と声が上がる。
 光を浴びたアンデッドたちは、糸が切れたマリオネットのように、パタリパタリと倒れていく。
 ただの骸に戻ったように見えた。世界樹の力が、彼らを死霊術から解放したのだろうか。
 状況はまだわからない。
 それでも、怪我人救護に力を注ぐことができるようになった。

 灰火(ルイン)の里の近くに出現していたダンジョン。
 その対応に当たっていたハルシ・エルとナツキ・エルなどのエルフたち。
「どこにでもできる! 世界樹の馬鹿!」
 ナツキはやり場のない怒りを世界樹にぶつける。
「巻き込まれている人がいないか注意しないと」
 ナツキをなだめつつ、矢をつがえる。
 その時、強い光が遠くの空を照らした。
 二人や対応に当たっていたエルフたちは驚き、警戒する。
 変わったことと言えば、ダンジョンがあったはずのところがただの森に戻っていることだった。
「あ、あれ? ダンジョンあったよね?」
「あったけど……なくなった?」
「光って世界樹の方から?」
 木々があるため、世界樹が発した光は見えづらかった。
 しかし、彼女らが攻略しようとしていたダンジョンは確かに消えた。
 あの光は、世界樹が力を取り戻した証かもしれないと感じるのだった。

 大森林の南東部、『青の示指』フェンヌ・ダーニが育てた植物型魔獣により植物が枯死し、再生活動が行われていた地域。
 フェンヌの出身の里の巫女ファシオは、そこに発生していたダンジョンが気になり、様子をうかがいに来ていた。
 強い光が空を照らした直後から、周囲の植物や土に変化が起こる。
「芽吹いている!? 土が力を増している?」
 ファシオは周囲の木々が続々と新芽を出していく様を見て、驚きと共に歓喜を覚えた。

 ●世界樹の言葉
 世界樹の足元には、冒険者やエルフの戦士たちが自然と集まっていた。
 さらに世界樹の内部から戻ってきたニルヴァーナ、ルカンドラ、帝国過激派のアンデッドたちとの戦いを終えたアシムベート・グリオウやグレイオンス、聖鳥(メイルアイレ )の集落防衛を成し遂げ、帰還してきたサチコとブラックデスのゴブリンたちもいる。
 枝葉をざわめかせ、怒りを表すように幹を脈打たせていた世界樹は、エーテル石による力を得たことでその様相を変え、穏やかに大森林を見下ろしていた。

 ――我に力を与え、豊かなる森を守りし小さき者達よ。この世を破滅に導かんとする愚者共は東へと去った。

 思念として、頭の中に直接響く声がした。
 世界樹の言葉だろう。

 ――だが、かの幽界樹を滅さぬ限り、いずれ滅びの時は来よう。かのイダ・バルダスは神々をも喰らい、神の領域に足を踏み入れんとしている。彼奴らが宿す力だけならば、既に小さき神々をも凌ぐとも言えよう。

 人語を解さないはずのルカンドラが、その言葉に驚いた様子を見せた。
 まなざしは世界樹に注がれている。
 ケンタウロスである彼にも、世界樹は等しく思念を送っているのだろう。

 ――世界の(裂け目 )亀裂を塞ぎし我には、かの幽界樹とイダ・バルダスの討滅は叶わぬ。小さき者たちよ、イダ(かの人間 )と幽界樹を滅ぼせ。いつかその時が来たならば、我が前に集うが良い。神より預かりし我が力を、そなたらに授けよう。

 それは、大地の守護者としての言葉。
 世界樹はそれきり、思念を発することはなかった。

 ニルヴァーナは、ルカンドラが深く考え込んでいるような様子に気付き声を掛ける。
 ニルヴァーナには、ルカンドラの返答のすべてを理解できない。ただ、彼が『幽界樹』出現をはじめとする世界の異変に強い危機感を抱いたらしいことは伝わってきた。
 ルカンドラにとって、世界樹の言葉を聞いたこの時は、幽界樹の出現も帝国の滅亡もどこか他人事であったケンタウロスという種族に対し、目をそらすことのできない現実を突きつけられた瞬間だった。

 ●憐憫と決断と
 グレイオンスは夜天(リシルド )の本集落内に設置されていた仮拠点に戻った。
 世界樹が告げたことを思い返す。
 この世の破滅を、世界樹は予言した。
 帝国の幽界樹が大地のエーテルを吸い上げることによって起きている「不作」が、いずれ大陸全土に広がることを意味しているのだろう。
 幽霊樹の出現から、帝国内だけでも多くの命が失われた。
 エーテルの枯渇により、植物が成長できず、食糧が失われていけば、また、多くの人が死ぬ。
 今は帝国とリーンエス王国北部に留まっている「不作」が大森林にまで拡大すれば、木々は枯れ、エルフは生きる糧を失うだろう。

 そして、仮にイダが『神』と成れば、何が起きるのか。【ハイアルヴ】に成り代わり、森とエルフを害するお告げすら与えていたことを考えれば、何ら安心できる要素はない。
 また、火神ボルガニスクは「人は神に成り、世の理を変える」と言ったと伝え聞いている。イダは『神』となり、この世の何かを変えようとしているのだろうか。世の『理』が変われば、今生きている者たちに何が起きるのか。イダと面識すらないグレイオンスには、想像すらできない。
 ただ、植物であっても、植生が変われば朽ちるものがある。入れ替わって繁茂するものもある。『理』が変わるとは、そのようなことなのだろうか。
 懸念は、それだけではなかった。ザフィーア・ハイセンを配下に置き、大森林に侵攻した皇帝ヨゼフ・バルダスも放置するべきではない。
(大森林の者として、私はレイウェストに決断を促さなければならないだろう。父母を討ち、自らが皇帝となれ、と)
 今回の侵攻で聖鳥(メイルアイレ )は長を失い、多くの民の命が失われた。命を落としたのみならず、遺体をアンデッドとして利用された者も少なくない。
 死者の軍勢と対峙したエルフ戦士たちは勇敢だった。だが、敵中に彼らが知っている顔もあった可能性は高い。
(消えた命は戻らない)
 グレイオンスは目を閉じる。
 浮かぶのは、里に遊びに来た時の彼(か )の長の在りし日の姿だった。

 拠点の外で人が動く気配があった。
「グレイオンスさん、起きてます?」
 エルフの戦士団の一人が入ってくる。
「大森林の各地で、ダンジョンに呑み込まれて命を落としたらしき人々の遺品が現れたそうです」
 グレイオンスはうなずく。
 世界樹が力を取り戻し安定したことによって、森の中に発生していたダンジョンが消失していっているのだ。
「遺族に返してあげられれば良いな」
「そうですね」
 近くで消えたという事がわかっていれば、引き渡すことも可能だろう。
 次の仕事が待っていることに他ならなかった。

 執筆:狐野径

 ●約束の地へ
 シルトラース帝国東部辺境――『聖地』。
 神代の英雄ジド・ルウとの盟約に従い、幾つものケンタウロス部族が暮らすその土地に、一羽のビッグオウムが降り立った。
「ルカンドラ殿、無事でなによりだ」
 籠から降りた人馬(ルカンドラ )に駆け寄り、労いの言葉をかけるレイウェスト。共にフィルエス大森林から帰還した帝国兵たちの報告を受け、ほっと胸を撫でおろす。エルフの伝承にあった『光輝く聖なる石』は、やはりエーテル石で間違いなかった。
「あなたはもう自由だと、頭領が申しております」
 ケンタウロスの通訳が進み出て、ルカンドラの言葉を伝える。ルカンドラはレイウェストら人類に会釈のような仕草をすると、足早に集落の中へと消えて行った。
 ――大森林で彼が見聞きしたことを、他部族の長らへ伝えるために。

「……そうか。父上は大森林から退いたのだな」
 宮廷女官長ザフィーアの死と父帝の動向について報告を受け、レイウェストは思案気に長い睫毛を伏せる。
 しかし、兵士の報告は続いた。父のみならず、母までもが大森林で暴挙を働いていたという事実に、レイウェストはただ打ちのめされるしかない。
「母上が……神、に……?」
 若くして皇妃となり、自分を産んだ母(イダ )。まるで少女のようにあどけない表情で微笑む母の顔を、レイウェストは失意の中でぼんやりと思い出していた。

「ヒヒヒ……お前に、イイ報せがあル」
 拳を握りしめて立ち尽くすレイウェストに歩み寄ったのは、それまで帝国兵の背後に居た小柄なゴブリン(アダム )だった。
 緑がかった灰色のその手には、くるりと丸められた一枚の紙――地図が握られている。

「ドンからノ、贈り物ダ……。父親と、話しタイんダロ……ヒヒヒ」

 執筆:桃谷かな

assignment【樹謂】見えない真実、護り手の声 特設ページ

「見えない真実、護り手の声」連動は、フィルエス大森林で起こった大異変に関する一連の出来事を指す。大森林の各地で人や動物が忽然と消え、場所によっては里単位で住民が姿を消している。また、大森林内ではエルフ社会や森の破壊を望む者たちの活動が活発化。時を同じくして、大森林東部の帝国国境方面から正体不明のアンデッド集団も雪崩れ込む。大森林に住まうエルフの最古老の一人グレイオンスは混乱する各氏族の要請を受け、冒険者ギルドに依頼を持ち込んだ。

assignmentここまでの流れ

『青の示指』フェンヌ・ダーニが育成した魔獣によりダメージを受けたフィルエス大森林南東部では(【呪輪】連動)、森の再生をリザードマンや冒険者の助けを借りて行っていた。そのような中、大森林各地でエルフや動物などの消失が多発するようになった。また、シルトラース帝国側からはアンデッドを主体とした謎の勢力が侵攻を開始し、大森林内でもエルフ社会に敵対する何者かが攻撃を始める。
(2022/6/13追記)
各地にできたダンジョンの破壊やとらわれていた者の救出は進む。また、アンデッドを主体とした勢力は帝国皇帝ヨゼフ・バルダス配下の帝国過激派であると判明した。聖鳥(メイルアイレ)氏族の族長は、防衛の策を万全に巡らせながらも初戦で戦死。エルフ社会に対して攻撃する者たち――破壊者たちも「啓示」を聞いているという情報があり、聖鳥族長の不測の死にも関係しているようだ。そのような中、ダンジョンにとらわれていた者たちから「啓示を聞いてはならない」という声を聞いたとの情報がもたらされる。源流氏族の長たちは長く秘匿されてきた世界樹とハイアルヴの真実を明かし、異常事態に対処しようとする。
(2022/7/11追記)
大森林の異変の原因を探るため、大地の守護者でありハイアルヴと同一の存在であるはずの『世界樹』と対話を試みたグレイオンス。その結果、『世界樹』は帝国崩壊の夏にその力の多くを帝国皇女イダ・バルダスに収奪され、現在は彼女がハイアルヴに成り代わって啓示を与えていることが判明した。大森林各地でのダンジョン発生や行方不明者の多発は、世界の危機を感じた世界樹が急速な回復を目指し、人々や動物をエーテルとして吸収しようとしていたためだった。一方、帝国過激派率いるアンデッド勢力は『世界樹』の至近まで到達。グレイオンスは、レイウェストの身柄と引き換えに大森林へもたらされたエーテル石による『世界樹』の回復と『世界樹』の防衛、非戦闘員が退避した集落の防衛を行うため、冒険者ギルドへ再び協力を要請した。

assignment結果

冒険者は湖水の巫女ニルヴァーナとケンタウロスのルカンドラを守り、世界樹の核へ到達。エーテル石を得た世界樹は力を取り戻した。世界樹の東では、帝国過激派ザフィーア・ハイセン率いるアンデッドの軍勢を、冒険者とエルフ戦士達が迎撃。ザフィーアの討伐に成功し、世界樹を守り切った。また、帝国過激派の襲撃を受けていた集落の防衛は、ブラックデスと連携した冒険者の活躍により、完遂された。
世界樹から発せられた光を受けたアンデッド達は物言わぬ骸へと戻り、大森林各地に生じていたダンジョンは消失。世界樹は世界の滅亡を預言し、帝国皇妃イダ・バルダスと幽界樹の討滅を人類とケンタウロスに等しく求めた。

person_pin関連NPC

フィルエス大森林のエルフの最古老の一人であり、まとめ役。氏族間のもめごとなどが起きた際に調停にあたったり、他国や他種族に対してはフィルエス大森林を代表した立場で外交を行うこともある。

《本連動での動き》

冒険者ギルドとの窓口であり、森のエルフのまとめ役。大森林の異変とアンデッド勢力の侵攻、大森林内で多発する何者かの襲撃に対処するため、冒険者ギルドとアシムベート・グリオウに救援を要請した。
(2022/7/30追記)
帝国過激派の侵攻を阻止し、大森林で起きた大異変の収束を確認。大森林の代表として、レイウェストに『決断』を迫ろうと考えている。

ディズル大湿地帯の最大派閥であるギシュム族の酋長。武威ばった人物ではあるが、人柄は良く義理堅い。

《本連動での動き》

大森林の異変にリザードマンたちも巻き込まれたことから、ディズルのリザードマン戦士たちを率いて救援に駆けつけた。
(2022/7/30追記)
冒険者とともに戦い、世界樹に押し寄せた帝国過激派アンデッドの軍勢に勝利。ディズル大湿地帯へ帰還した。

亡国となった帝国の皇族の、唯一と思われていた生き残り。皇位継承順位こそ八位と低いが、皇帝ヨゼフとその子女である第三皇女イダとの間に生まれた生粋の皇族と言われている。帝都から脱出して以降、各国の支援や冒険者達の助力を受けて帝国南部を奪還し、その後も帝国民の安住の地を確保しようと努めている。

《本連動での動き》

フィルエス大森林に侵攻中のアンデッドの大群が父帝ヨゼフと帝国過激派の軍勢であるという情報から、調査・解決のため関わることになった。現在はケンタウロスの『聖地』で人質になっている。
(2022/7/30追記)
ルカンドラの帰還とともに『聖地』から解放された。

元メドゥの指先幹部「緑の親指」で、現ブラックデス構成員。短距離ながら影を渡る瞬間移動など特異な能力を持つ授恵者。

《本連動での動き》

ドン・ゴーフルにフィルエス大森林へ救援に向かうことを強く申し出、許可された。
(2022/7/30追記)
ドン・ゴーフルの密命を受け、帝国皇帝ヨゼフ・バルダスと接触。皇帝にレイウェストとの会談の場を設けることを約束させた。

ドン・ゴーフルが擁するマフィア「ブラックデス」の幹部にして実働部隊。あくまでも現場思考のため、戦略的な思考は不得手。攻撃魔法としての「消えない炎」を操る授恵者。

《本連動での動き》

フィルエス大森林への救援に行きたいと言うアダムに違和感を覚え、手下のブラックデス構成員とともに同行した。
(2022/7/30追記)
冒険者とともに戦い、帝国過激派の襲撃からエルフ集落を防衛した。ドン・ゴーフルの命により、ゴールディへ帰還したようだ。

30代後半のヒューマンの女。崩壊したシルトラース帝国の元宮廷女官長で、帝国過激派の重鎮の一人。高位の死霊術師でもあるらしい。

《本連動での動き》

配下の死霊術師らとともにアンデッドの大群を従え、フィルエス大森林へ侵攻。『聖鳥(メイルアイレ)』やその他氏族の里々に攻撃を仕掛けている。
(2022/7/30追記)
世界樹に向かい侵攻を続けるも、冒険者によって居場所を割り出され、討伐された。

シルトラース帝国の現皇帝。帝国崩壊に際し死亡したとみられていたが、1222年冬にシグモル火山帯にて生存が確認された。火生の神ボルガニスクの力を奪い、大陸全土を支配すべく更なる力を追い求めている。

《本連動での動き》

ザフィーア・ハイセンら配下の帝国過激派メンバーに命じ、フィルエス大森林を攻撃していると思われる。目標は世界樹とみられているが、現状は戦場に姿を見せていない。
(2022/7/30追記)
ゴールディの使者アダムに対し、レイウェストとの会談の場を設けることを約束。大森林から引き揚げ、帝国方面へ向かったようだ。

フィルエス大森林の源流氏族『湖水(アエリゼル)』の巫女。亜人の言葉を僅かながら話せる特異な能力を持つ。

《本連動での動き》

『世界樹の核』にエーテル石を捧げるため、ケンタウロス代表のルカンドラとともに『世界樹』内部に入る。
(2022/7/30追記)
冒険者やルカンドラと共に世界樹の核まで無事到達し、帰還した。

帝国東部辺境にあるケンタウロスの『聖地』に住むとある部族の頭領。人語は解さない特異個体であり、エーテル石を『世界樹』に捧げる瞬間を見届けるため大森林へやって来た。

《本連動での動き》

『世界樹の核』にエーテル石を捧げるため、ニルヴァーナとともに『世界樹』内部に入る。
(2022/7/30追記)
ニルヴァーナや冒険者と共に、世界樹の核まで向かい、エーテル石を捧げた。世界樹の言葉を重く受け止め、『聖地』に戻った。

帝国過激派に属する老ゴブリン・ロードのキャスター。ザフィーアの配下ではないが協力関係にあるらしい。

《本連動での動き》

他の帝国過激派の授恵者や死霊術師とともに、エルフの非戦闘員が避難している集落を襲撃する。
(2022/7/30追記)
エルフ集落を襲撃するも、冒険者により阻止され、絶命した。

menu_book関連用語・情報

フィルエス大森林

大陸西部に広がる大森林で、エルフが住まう地。ここに住まうエルフたちの暮らしは、大森林に現れるクリーパーなどの『外敵』を鑑みても長く安定している。彼らにとってそれは、外部の種族や国家との交流を不要と判断するには十分な根拠となっていた。
気候は穏やかで、年中暖かく寒さに凍えることもない。常春の森というにふさわしい環境である。ほとんどの氏族で農耕や牧畜は行っておらず、自然の恵みの中で暮らしている。
(2022/7/30追記)
帝国過激派の侵攻により、多くのエルフ集落が被害を受けた。帝国の幽霊樹がエーテルを吸い上げることにより生じている「不作」がいずれ大森林にも及ぶと予想されている。

フィルエス大森林のエルフ達

エルフとは、大陸各地の森の中で暮らし、その森における調和を保ちながら暮らす種族である。
伝統や生活、価値観は異なっても自然を愛し、保守的。
他種族にはない長命性や美貌を誇るものの彼らに選民思想はなく、彼ら自身は"森"という複雑な生命体系に属する一因子、という姿勢が根本にあり、基本的には謙虚な種族である。
環境を破壊し収奪する各国家・都市やドワーフという種への軽蔑は長い歴史の中で綿々と形成され、特にフィルエス大森林においては一部の氏族を除いて他種族との交流が乏しい。歴史的に友好関係を築いてきたリザードマンくらいしか交流がないエルフも、大森林では多数を占める。
(2022/7/30追記)
帝国過激派の侵攻阻止や大森林で起きていた異変の解決には、冒険者やディズル大湿地帯、ゴールディの協力が必要不可欠だった。幽界樹によるエーテルの枯渇がいずれ大森林にも及ぶと預言されたこともあり、エルフたちは『外』に目を向けざるを得ない。大森林の中だけで生を完結する営みは難しいことがあらわになった。

氏族について

フィルエス大森林のエルフ達は入植当時から存在する「5氏族」を源流とし、現在では多くの氏族に分かれている。彼らの社会では、各氏族の長が合議によって意見を出し合い、ときに長老が助言を述べる。速断には向かないものの、もとより外部からの干渉を拒む同地域にとっては大きな支障を来たすことはなかったようだ。
源流の5氏族は『メイルアイレ(聖鳥)』『ロスラバ(樹花)』『ルイン(灰火)』『リシルド(夜天)』『アエリゼル(湖水)』である。

ハイアルヴ

「森の意思の代弁者」として各氏族の多くが信仰する霊的存在であり、エルフたちに啓示を与えている。その姿や存在の描かれ方、受け入れられ方は氏族ごとに異なるが、【ハイアルヴ】と交感することができた者は『覡』・『巫女』として、氏族の方針決定のキーパーソンとして扱われている。
(2022/6/13追記)
「ハイアルヴは本来、世界樹と同一の存在である」という源流氏族の長らによって代々秘匿されてきた真実が明かされた。なお、ダンジョンの中にとらわれていた者たちは「啓示を聞いてはならぬ、災厄が来る、我に力を与えよ」という世界樹の声を聞いたという。
(2022/7/30追記)
世界樹の核にエーテル石を捧げたことにより、世界樹はイダ・バルダスの干渉を退け、ハイアルヴとしての力を取り戻したようだ。

帝国過激派(2022/6/13追記)

シルトラース帝国が崩壊する以前から存在していた派閥。当時は「実力派」と呼ばれていた。帝国こそがロスガリアの統治者として相応しく、王国も都市同盟も、その他の小国も全てを滅ぼすか吸収し永久に支配すべし、その為には手段など選んではおれぬ、という思想。帝国崩壊後はヨゼフを匿い、様々な事件の裏で暗躍するメドゥの指先とも蜜月の関係にある。
シグモル火山帯の辺獄では、宮廷道化師アルルカンの一派が人造授恵者ホムンクルスの製造などを行っていた。
(2022/7/30追記)
ザフィーア・ハイセンを中心とした一派が、フィルエス大森林に侵攻し世界樹に向かったが、冒険者らにより阻止された。

破壊者(2022/6/13追記)

ハイアルヴの啓示を受け、それを利用してフィルエス大森林やそこに住むエルフ達に危害を加える者達。大森林のエルフ社会に対して敵意を持つ者が多く、その理由はさまざまである。

エーテル石(2022/6/13追記)

神代からケンタウロスが『聖地』と呼ぶ鉱脈に眠る不思議な光る石。自然にできた鉱石の一種。『神代の戦いで散った小さき神々の遺体が鉱石化したもの』とケンタウロスの間では伝えられている。
1221年に邪竜バイアーディスがドワーフ王国マミダ地域を侵略した争乱(【竜盤】連動)の中で初めて確認され、バイアーディスが都市の生命を纏めてエーテルに変換し収奪するための魔法陣の核としていた。「【竜盤】決戦:ドワーフ王国解放戦線」では、逆にバイアーディスを滅ぼすための魔法陣の核として使用された。
メドゥの指先による悪用が強く懸念されている。
(2022/7/30追記)
ケンタウロス代表のルカンドラや冒険者たちにより、世界樹の核に捧げられた。

世界樹(2022/7/11追記)

フィルエス大森林中北部にそびえる大樹。実は神代に創造神によって生み出された『大地の守護者』であり、本来は征竜と並ぶ強大な力を持つと言われている。また、その身をもってアストラル界との境界の裂け目を塞いでいるという。かつて大型級クリーパー『混沌の残滓たる大腐樹』とその眷属に寄生されたが、入植したエルフやリザードマンにより討伐された。1220年夏の帝国崩壊時に帝国皇女イダ・バルダスにより力を収奪され、回復を目指して大森林各地で異変を起こしていた。ハイアルヴとしてエルフに啓示を出していたのも『世界樹』であるが、イダに力を奪われてからは彼女がハイアルヴに成り代わっている。
(2022/7/30追記)
フィルエス大森林各地で発生していたダンジョンは、イダ・バルタスに力を奪われた世界樹が森に住まう者からエーテルを得ようとした結果の産物だった。核にエーテル石を捧げられたことにより、世界樹は力を取り戻し、東から押し寄せていたアンデッドたちをただの骸へと戻した。ダンジョンは消滅し、大森林南東部で昨夏に起きた植物枯死や土の腐食も急速に回復しているようだ。

イダ・バルダス(2022/7/11追記)

シルトラース帝国現皇帝ヨゼフ・バルダスの第三皇女であり、皇妃(側室)でもある女性。第八皇子レイウェスト・バルダスの実母として知られている。『大陸一の美姫』と謳われた美貌の姫だが、ヨゼフ帝と婚姻し成人とされた後の彼女の姿を見た者は極端に少ない。1220年の夏、エフレムに命じて『天霧りに消ゆる幽界樹』を召喚させ、帝国を崩壊させた人物とされている。その際に死亡したとみられていたが、1221年秋に単身で帝都に潜入したアダムにより生存が確認された。
人を超えた『超越者』となり、神の領域にも近づいているイダは帝都の幽界樹と多数のクリーパーを支配下に置き、『世界樹』の力をも収奪。ハイアルヴに成り代わってエルフ達に啓示を与えている。
(2022/7/30追記)
力を取り戻した世界樹により、フィルエス大森林への干渉を退けられたようだ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0