【学転】パンクリアース学園改革1222

メアリー・リーンエス

冒険者であれば誰でも貴族の推薦なしで受験可能な編入試験――パンクリアース学園史上初の試みが、ついに来月行われますのね。フォルトゥナ学園長、準備は順調でして?

フォルトゥナ・アルヴァ・クラティアス

試験問題の作成から面接官の選定、日程の調整まで滞りなく進んでおります。……ですが、この改革に反対する勢力は少なくありません。妨害工作への対処も必要でしょう。

メアリー・リーンエス

貴族の園に、後ろ盾のない平民や異種族が正規の学園生として入学する……種族や身分による差別も、今より問題になりますわね。

フォルトゥナ・アルヴァ・クラティアス

貴族生徒の意識改革が必要です。貴族と平民、異種族の混合となった現生徒会の活動も、彼らへ良い影響を与えることでしょう。

メアリー・リーンエス

名実ともに『開かれた学園』を目指すなら、ここが正念場ですわね。学園長、気を引き締めてまいりますわよ!

新年度に向けて、パンクリアース学園に動きがあるようです――
(2月8日より 【学転】連動シナリオリリース開始!)

assignment【学転】パンクリアース学園改革1222 特設ページ

本連動は、リーンエス王国首都「グランスパーダ」内に存在する巨大教育施設「パンクリアース学園」において、学園長フォルトゥナ・アルヴァ・クラティアスとリーンエス王国王家の主導により行われる「改革」、およびそれに関連して起きる一連の事件を指す。
貴族の推薦を必要としない『冒険者』が受験資格を得た1222年度編入試験の円滑な実施、および平民や異種族に対する貴族生徒の意識改革は、パンクリアース学園、ひいてはリーンエス王国の将来を左右する課題である。

assignmentここまでの流れ

「貴族のための学園」から「開かれた学園」へ。
昨年春から秋まで続いたパンクリアース学園の動乱(【学乱】連動)は、革新派の勝利に終わった。穏健派の貴族派教職員も新学園長と王党派に表向き歩調を合わせ、学園は改革の時を迎えている。
貴族による推薦のない冒険者の受験が認められ、3月に実施予定の1222年度編入試験。王家と学園長は、その先に冒険者以外の平民の受け入れという未来も見据えている。反対する勢力の妨害を制し、3月の編入試験は必ず実施しなければならない。また、学園における「ヒューマンの貴族」と平民、異種族の関係性についても変化させる必要がある。

person_pin関連NPC

王家から任命を受けたパンクリアース学園の新学園長であり、『白銀』の異名を持つクラティアス侯爵家の実質的最高権力者である女傑。『白銀』は王国王党派貴族の筆頭である『白薔薇』の分家筋に相当し、男性社会である王国貴族社交界において存在感を示す数少ない女性貴族でもある。

《本連動での動き》

学園内における最高指導者として、自らの理念である「人は生まれに依って生きるに非ず」を実践するために教職員を纏め上げ、庶民、貴族を問わず生徒の思想と学問の自由を守ろうと尽力する。編入試験の準備や妨害工作への対処、貴賓や入学希望者への対応など、最近は特に忙しいようだ。

ウィリアム・リーンエス王子の妹にあたるリーンエス王国第一王女。長い金髪と大きな青い目のお人形のような少女だが、宮廷のドロドロ人間関係の中で生きているだけあって気が強い。第一王女かつ唯一の王女、しかも遅くに生まれた末っ子ということで国王や王太子、ウィリアム王子の寵愛を一身に受ける影の女王。隠れドゥジン信徒。

《本連動での動き》

学園の改革を進めるフォルトゥナ学園長を助けるため、王妃ルイーズの意向により王家の代表として学園を訪れた。ドゥジン活動の際は平民に混じっているためか、異種族や平民への差別意識は薄い。

フィルエス大森林のエルフの最古老の一人であり、まとめ役。部族間のもめごとなどが起きた際に調停にあたったり、他国や他種族に対してはフィルエス大森林を代表した立場で外交を行うこともある。

《本連動での動き》

フォルトゥナ学園長の留学生招致策の一環として招待を受け、学園の見学に訪れた。若者を学園で学ばせることは保守的なフィルエス大森林のエルフ社会に変化をもたらすと期待しているが、学園内に森がないことを気にしている。

刀の製法を再発見し、その功績を持って若くして匠王の座に就いたドワーフ。性格のチャラさは生まれつきだが、鍛冶への情熱は深い。

《本連動での動き》

フォルトゥナ学園長の留学生招致策の一環として招待を受け、学園の見学に訪れた。難しいことはよくわからないが、頭のいい子供は勉強すれば良いと思っている。学園の食堂で蒸留酒を注文したら、厨房のおばちゃんに叱られた。

蒼狼のハーフビースト。王国に生まれ、貧しすぎる暮らしから幼少期より密猟に手を染めた後、傭兵団に拾われた過去を持つ。年齢故に引退を考えていたところを冒険者ギルドに引き抜かれ、冒険者ギルドにおける新人《授恵者》の教育担当兼、軍事関係のご意見番を務める。

《本連動での動き》

冒険者と学園生の二足の草鞋を履く者が増えることから、フォルトゥナ学園長の招待を受け、学園の見学に訪れた。身分と種族の違いによる差別問題には、個人的にも思うところがあるらしい。

menu_book関連用語・情報

パンクリアース学園と「改革」

王国の貴族や騎士の子息子女が主として学ぶ王立の名門校であり、彼らとの縁故を求めて国内外からの入学者も後を絶たない。平民や他国の者が入学するためには卒業生や寄付を行っている貴族・豪商らの「推薦状」を要することからも、選ばれし者のための学園とも呼ばれる。
1222年4月の入学希望者からは、王家の意向によりこの入学条件に大きな緩和がなされ、学園内外で混乱が生まれている。これまで聴講生として出入りが許されていた冒険者が、「推薦状」を得ずとも自由に編入試験を受験できることとなったのだ。王家と学園長のフォルトゥナは、いずれ冒険者登録のない国内外の庶民にも正規の学園生としての門戸を開くべく改革を進めている。

※参考:
パンクリアース学園について(ワールドガイド)
パンクリアース学園施設案内(ワールドガイド)

冒険者が学園生になるには?

公認設定を得られているPCの場合、本連動において冒険者でも学園生、あるいは元学園生として扱われます。
詳しくは「ワールドガイド:リーンエス王国」の「※パンクリアース学園(2020/09/21更新)」をご確認ください。
なお、公認設定で学園生や元学園生となっていないPCは本連動終了後の3月に実施予定の「1222年度編入試験」に合格した後、4月より正規の学園生として入学が可能となります。

1222年度編入試験

本連動終了後の3月に実施予定の、新入学希望者向けの編入試験です。
合格すると4月から入学が認められます。
ただし、本連動においては編入試験の妨害が予想されており、関連シナリオの成功度によっては中止されてしまう可能性もあります。

聴講生

冒険者ギルドに所属する冒険者は、正規の学園生でなくとも、それが認められているものに限り各種授業や催し物などに参加することが可能です。
学園内に立ち入る冒険者の立場はシナリオに応じて「依頼をうけた冒険者」または「聴講生」となるため、その表明は原則不要です。

1221年度パンクリアース学園生徒会

1221年秋に実施された生徒会総選挙の結果として誕生した生徒会役員5名による組織。パンクリアース学園における選挙は長らく形骸化していましたが、現生徒会役員は「生徒の無記名投票」により選出されたことで注目を集めています。
今代の生徒会に求められている「自治」は「学園への提案、提起」であり、最終的な決定権はあくまで学園にあります。生徒会役員は生徒からの陳情などの窓口となるほか、学園の規定、執行予算などを他の生徒へ周知する業務を主に行っています。
また、生徒会役員はそれぞれ選挙公約を掲げて当選しており、学園はそれらの公約を実現するために様々な事を承認・試行し始めています。 ※参考:
パンクリアース学園生徒会について(ワールドガイド)
1221年度パンクリアース学園生徒会選挙結果

「メアリー、入るわね」
「はい、お母様」
 リーンエス王国第一王女メアリー・リーンエスが振り向くと、私室の扉をあけて母(王妃 )のルイーズが入って来ていた。
「わたくしにお話があるそうですわね。それは、その……どのような?」
 チラリ、とベッドの下へ視線を遣るメアリー。まさか、修道院の叔母様(王妹 )から借りた薄い本(ドゥジンシ )が見つかってしまったのだろうか――なとど内心焦りつつ、母の言葉を待つ。
「メアリー。貴方には、しばらくパンクリアース学園へ行ってもらいます」
「パンクリアース学園? 入学するということですの?」
 不思議そうに問うメアリーに、王妃はふんわりとした微笑みを浮かべながら首を振った。
「貴方は王家の代表として、フォルトゥナ学園長の改革を助けるのです」
「改革……。確か、この4月以降の入学希望者からは、冒険者が貴族の推薦なしでも編入試験を受験できるようになったそうですわね」
 新学園長フォルトゥナ・アルヴァ・クラティアスの就任以降、昨年春から秋まで続いたパンクリアース学園の騒動の顛末は、もちろんメアリーの耳にも届いている。
 貴族の特権の象徴であったパンクリアース学園は今、名実ともに『開かれた学園』を目指し、大きく変わろうとしているのだ。
「その通りよ。それが成功すれば、来年か再来年には冒険者ギルドに所属しない人たち(平民 )にも門戸が開かれるわ。今より多くの留学生も受け入れることになるでしょう」
「優秀な人材が我が国に集い、我が国で学んだ者たちが自国で重用される――それは、世界における我が国の影響力を増す結果に繋がる。……そういうことですわね?」
「ええ。――でもね、メアリー」
 いっぱしの為政者めいた表情で言葉を継いだ娘(メアリー )の頬を、王妃の手が優しく撫でた。
「この改革を推し進めることで、リーンエス王国の――いえ、世界中の子どもたちに新たな可能性を提示することができるわ。努力さえすれば、生まれや育ち、種族すらも問われることなく、自分の望む未来を掴みとれるようになるかもしれない」

 侯爵令嬢であり現王妃である母が、なぜこのような(貴族らしくない )ことを考えるのか。
 考えるまでもなく、メアリーには理解できていた。

「お母様……」
「お父様の妻になれて、貴方たちの母になれて、私はとても幸せなのよ。でもね――時々、思うの。あのとき全てを捨てていたら、どんな未来が待っていたのかって。あの人は今、私のように幸せでいるのかしら……って」

 窓の外を見つめる王妃。その翠の瞳には、どこか夢見る少女のようなあどけない色が浮かんでいる。
 メアリーはそっと母の腕に片手を触れ、真っ直ぐな目で力強く頷いた。

「お母様。わたくしにお任せください。必ず、学園の改革を成功させてみせますわ!」

 ●
「皆様、こちらが当学園の大食堂です。訓練場近くの小食堂では、平民の生徒に人気の軽食も用意がございます」
 豪奢な建物を片手で示し、学園長フォルトゥナが上品な微笑みとともにその役割を説明する。彼女の前では、冒険者の新入生や他国からの留学生の増加を見込んで招待した貴賓たちが、まるで遠足中の幼児のようにキョロキョロしながら立ち止まっていた。
「この食堂ヤバくね? 超ゴーカじゃん!」
「平民の冒険者と言っても、出身や財布事情はまちまちだ。食事の選択肢が多いのは良い事だろう」
「しかし、この学園には森がないように思う。大森林とは環境が違いすぎるのではないか」
「えっ、エルフださっ! 森ないとムリってこと?? グレちんマジで言ってる?」
「そう言うドワーフは酒がなければ無理だろう、シグルラン王よ」
「種族差別だけでなく、文化の違いから来る問題は避けて通れない。冒険者ギルドとしてもできる限りの協力を――」

 ドワーフ王国『匠王』、シグルラン。
 冒険者ギルドご意見番、アナンディーン。
 フィルエス大森林最古老のひとり、グレイオンス。

 招待状を送った中で、すぐに学園の見学に来られたのはこの3名だった。フォルトゥナは貴族の女性らしい微笑み(営業スマイル )を顔に貼り付け、応える。

「その通りです。アナンディーン様の仰るように、当学園の貴族子女の多くは、異種族や貴族の後ろ盾のない平民と机を並べる生活を想像できません。恥ずかしながら、反発する生徒や保護者も少なくないのです。……ですが、私共はそれらの問題を必ず解消し、冒険者や留学生の皆様が勉学に集中できる環境を整えるつもりです」
「うんうん、頑張ってるぅ~~! そのためにあたし達の意見を聞きたいんだよね、フォルっち♪」
「フォ、フォルっち……。ええ、皆様には当学園にご滞在いただき、忌憚のないご意見をご教示願えないかと考えております。また、聴講生(冒険者 )や一部生徒、教職員らにも協力を仰ぎ、貴族生徒と平民、異種族の方々との交流機会を増やす方針です」
 これまでの人生で接したことのない人種(ギャル )の前でも表情を崩すことなく、フォルトゥナは続ける。

 昨年の生徒会総選挙ではエルフの生徒会長と書記が誕生し、役員5席のうち3席が平民学生であること。彼女らの公約を実行し、生徒会に寄せられた要望へ適切に対処し、現生徒会を恙なく運営することは、ヒューマンの貴族中心であった学園の空気を大きく変化させるだろう。
 そして、3月に予定されている新入学希望者対象の編入試験に対しては、反発する勢力の妨害が予想されている。それでも、学園の未来のためには必ず成功させなければならない――と。

 その時。フォルトゥナの目に、石畳の小径を駆けてくる金髪の少女の姿が映った。
「学園長! ここにいらしたのね」
「メアリー殿下。こちらが見学にいらした皆様ですわ」

「メアリー……?」
 王女然とした振舞いでお辞儀してみせるメアリーを見て、ピクリと狼耳を震わせたのはアナンディーンだった。
「あら、わたくしの顔に何かついていまして?」
「あ……いや。失礼いたしました、王女殿下。冒険者ギルド代表として参りました、アナンディーンと申します」
 小首を傾げるメアリーを前に、アナンディーンは小さく咳払いをしてから頭を下げる。

「この学園の改革は、ひいては王国の――世界の子どもたちにとって大きな希望となります。微力ながら、私もお力添えしましょう」

 そう口にしたアナンディーンの瞳には、どこか理想に燃える少年のような色が浮かんでいた。


 執筆:桃谷かな

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0