【想石】その想いは宝石になる

キサキ・アカネ

 皆様、ご存知ですか?
 2月にはチョコレート、3月には宝石のアクセサリーを大切な人と贈り合うのが、今年のブームだそうですよ。

 チョコレートといえば去年、迷宮都市エドゥノーグのダンジョンで起こった事件を思い出す方もいらっしゃるかもしれませんね。今年はダンジョンに『宝石化の魔物』というものが出現し、人々を巻き込む事件になっているそうなんです。
 他にも、様々な騒動が起こっているとか……。

 よろしければ、皆様のお力を貸してください。お願いします。

今年のロスガリアは宝石フィーバー!?
(2月4日より 【想石】連動シナリオリリース開始!)

assignment【想石】その想いは宝石になる 特設ページ

【想石】連動は、辺境都市群「迷宮都市エドゥノーグ」にある巨大な地下迷宮「エドゥノーグダンジョン」に大量発生した「宝石化の魔物」と、そこから誕生した「宝石アクセサリーブーム」にまつわる出来事の数々である。

assignmentここまでの流れ

去年カカオが大量発生した「エドゥノーグダンジョン」に、今年は「宝石化の魔物」が大量発生!
極めて不安定なエーテル環境下にあるこの枝場では、地上にいたはずの人々が忽然と消え、迷宮内に呑み込まれてしまう事件が頻発。探索支援ギルドから冒険者ギルド経由で救出依頼が出されることになった。
一方、この枝場に現れる魔物がもれなく宝石や貴金属をドロップすると知った、エドゥノーグ商人ギルド&職人組合は、昨年のカカオフィーバーと同様に宝石フィーバーに沸いている。
「2月はチョコレート、3月はアクセサリーを贈り合おう!」と決め、ロスガリア大陸全土の商人・職人たちを通じ、このイベントを人々の間に定着させようと動き始めた……。

person_pin関連NPC

辺境都市群にあるシャルガネ居住区の宿場街で女将頭をしている女性。

《本連動での動き》

今年のブームを受けて、シャルガネ居住区にいらっしゃるお客様をおもてなしする準備をしている。

辺境都市群にある迷宮都市エドゥノーグで、ダンジョンの探索支援ギルド長をしている女性。

《本連動での動き》

エドゥノーグダンジョンで発生した騒動に対処するため奔走している

辺境都市群にある迷宮都市エドゥノーグで、ダンジョンに住んでいる迷宮鼠の少女。

《本連動での動き》

ダンジョンでの騒動に対処している。チョコレートやアクセサリーを贈り合うブームが気になっている……?

辺境都市群にある学術都市ヴェルクリエに住んでいる、研究者気質の青年。エドゥノーグダンジョンにちょくちょく来ている。

《本連動での動き》

『宝石化の魔物』や『想いの宝石』に興味津々で、ダンジョンに足を運んでいる。

リーンエス王国にあるフェイデン子爵領の若き領主。

《本連動での動き》

カカオフィーバー! 宝石フィーバー! これだ!!! 領地の発展に活かしてみせると意気込んでいる。

menu_book関連用語・情報

エドゥノーグダンジョン

 辺境都市群「迷宮都市エドゥノーグ」にある巨大な地下迷宮。
 魔物がうろつき、時にはトラップも存在する迷宮内は、非授恵者にとって非常に危険な場所なのだが、現在一部の枝場において「地上にいたはずの人々が忽然と消え、迷宮内に呑み込まれてしまう」という事件が起こっている。
 生命の危機にさらされているのは勿論のこと、彼らが「宝石化の魔物」と遭遇すれば、大切な「想い」をも奪われてしまう……!

※参考:迷宮都市エドゥノーグ(ワールドガイド)

宝石化の魔物

 エドゥノーグダンジョンに大量発生した、「人間が持つ強い感情」を宝石化する魔物。
 この時、普通の人間は「その感情を失ってしまう」。奪われた感情を取り戻すには、その人の「想いの宝石」を破壊する必要がある(授恵者はこの能力に耐性があるらしく、宝石が生み出されても感情までは失わないようだ)。
 なぜかチョコやカカオっぽい特徴を持っていることが多い。

宝石を落とす魔物たち

「宝石化の魔物」と同じ枝場には、他にも多数の魔物が確認されている。
 見た目や大きさ、能力は様々だが、倒すと宝石や貴金属をドロップするという共通点がある。

宝石アクセサリーブーム

「去年はカカオ、今年は想いを宝石にする魔物が大量に沸いた」という話題性を利用し、
「2月はチョコレート、3月はアクセサリーを贈り合おう!」
 というブームを作り出そうとする動きが、エドゥノーグ商人ギルド&エドゥノーグ職人組合を通じて、ロスガリア大陸全土に広がろうとしている。

▼記念品

 【想石】連動のシナリオに参加したキャラクターには、連動エピローグノベル公開時に記念の宝石アイテムが配布されます。
 あなたも大切な人に、宝石アクセサリーを贈ってみませんか?




 その日、迷宮都市エドゥノーグの地下にある『エドゥノーグダンジョン』で騒動が起こっていた。

「なんで地上の人間が罠に掛かってるんだ?」
「知らないわよ! 私もなんでダンジョンにいるのか分からないの!」

「た、助けてくれえええっ!」
「おい、なんかパン屋が食用魔物に追われてるぞ……」
「パン屋ァ!?」

「俺は、俺……俺は何をしていたんだ?」
「パジャマだし、寝てたんじゃないか……?」

 何故か、地上から迷い込んだらしい人間が、あっちこっちで発見されたのだ。
 彼らはとある主幹路から命からがら浅層まで出てきたようで、居合わせた迷宮鼠(ダンジョンに定住している者達)も困惑するばかりだが、とりあえず彼らを保護してやっていた。
「見慣れない枝場だな……新しく発生したのか?」
 迷宮鼠の一人、レベッカが首を傾げながら主幹路を進み、枝場のひとつに入っていく。その先からも悲鳴が聞こえたからだ。やがてレベッカの前に現れたのは、チョコレート色をした獣型の魔物と、魔物から逃げている少女だった。
「こっちへ」
 レベッカは双剣を振るうと魔物を切り裂く。
 その瞬間、レベッカは魔物と自分の間から『何か』が飛び散るのを見た。
 (光る石?)
 幸いにも、傷を負った魔物はすぐに逃げ出してゆく。レベッカはそれを見送ると、光る石――エメラルドのような宝石を拾い、少女を振り返った。
「その格好、お前も地上の奴だな? なんでここにいる?」
「わからない。私、チョコレートを作ろうとしていて……ああ、でも……」
 レベッカに問われた少女は困惑しながら答える。
 その手には、何故かキラキラきらめく、赤色の宝石があった。
「私、どうしてチョコレートを作ろうだなんて、思ったのかしら……」

 ●『宝石化の魔物』と『想いの宝石』
「確かに、不安定なエーテル環境下にあるエドゥノーグダンジョンでは、地上に住む人間が呑み込まれてしまう事件が起こることもある……けど、こんなに大規模な騒動は、なかなか無いわね」
 エドゥノーグダンジョンの探索支援ギルド長を務めるエフィミア・リリックは、額を押さえて、そう溜息混じりに言った。

 話を聞いたエフィミアは、事態をこう判断している。
 ――ダンジョンに、新しい枝場が発生した。
 この枝場は極めて不安定なエーテル環境下にあり、地上にいたはずの人々が忽然と消え、迷宮内に呑み込まれてしまう事件が頻発してしまっている――と。

「大問題だわ。しかも、ここにいる魔物が厄介すぎる」
「『宝石化の魔物』、だね。いや~、まさか『人の想いを宝石化』する魔物がいるなんて!」
 興味津々といった様子でヴィンツ・ラッテが宝石を眺めている。
 一見すれば、何の変哲もない、ごくごく普通の宝石だ。だが、これは先程ヴィンツが実地調査と称してダンジョンを訪れた際に、遭遇した魔物から『生み出された』ものだった。

「オレの飽くなき探求心が宝石化するだなんて、すっごいよねー!」
「喜んでる場合じゃないわよ!? 私達は授恵者だからこの程度で済んでいるけど……普通の人は、宝石化と同時に『その感情を失ってしまう』のだからね!?」

 ――そう。
 この枝場の厄介なところは、出現する魔物の特殊能力にあった。
 魔物は接触した人間が持つ『大切な想い』を、『宝石化』してしまうのだ。
 エーテルに対して高い適正を持つ授恵者は、どうやらこの能力への耐性があるらしく、想いを奪われてしまうことはない。
 が、普通の人間は、宝石化と同時に、その想いを奪われてしまうのだ!

「いろいろ試した結果、『宝石を破壊すれば、想いを取り戻せる』と判明したのは良かったけど……」
 仮に『想いの宝石』と命名された、その宝石を自分で持っていた者は良い。
 宝石を落としてしまったり、置き去りにしてしまった者の場合は、それを探して破壊してあげなければいけないだろう。
「この枝場に『宝石化の魔物』以外にも色々な魔物がいて、そいつらが『倒されるたびに宝石や貴金属をドロップする』のが、この場合ちょっと厄介だよねー。早くしないと、どの宝石が想いの宝石なのか、見分けがつかなくなっちゃいそうだ」
「そうね……」
 エフィミアは、もう一度溜息をついた。

 とにかく、探索支援ギルド長として、この事態を見過ごすわけにはいかない。
 エフィミアは冒険者ギルドを通じて『ダンジョンに呑み込まれた人々の救出』や『宝石化の魔物の討伐』、そして『魔物に奪われた大切な想いを取り戻すこと』を、冒険者達に依頼するのだった……。

 ●誕生! 宝石アクセサリーブーム!
 その頃、これは商機だと動き出した者達がいた。
 エドゥノーグ商人ギルドとエドゥノーグ職人組合である。
「ほう、宝石をドロップする魔物のいる枝場!」
「まるで去年のカカオフィーバーのようじゃないか!」
 これにあやかって(便乗して)、宝石アクセサリーを売り込もうと思い立ったのである!

「2月はチョコレート、3月はアクセサリーを贈り合おう!」
「このブームをロスガリア全土に広め、定着させるんだ……売れる、これは売れるぞ!!」

「今年は宝石アクセサリーですか」
 なるほど、と呟いたのは『シャルガネ区の女将』キサキ・アカネであった。
 去年のブームを踏まえ、カカオやチョコレートなスイーツを準備し、おもてなしができるよう計画を立てていたアカネは、この動きに柔軟に対応していくことを決める。
「シャルガネの文化で彩られた宝石は、きっと素敵な贈り物になるでしょうから……」
 贈り物を渡し、あるいは受け取り、笑顔になる人々の姿が見えるような気がして、アカネは目を細めて微笑んだ。

「なるほど! チョコレートブームに宝石アクセサリーブーム……いけますわ、これはいけますわよ!!」
 エドゥノーグから遠く離れたリーンエス王国でも、その話を小耳に挟んだ領主がいた。
 『玻璃姫』ノーキス=フェイデンである。
「フェイデンでも大々的に、この祭りを取り入れますわ! ええ、絶対に成功させてみせやがりますわよ!!」
 意気込みだけなら、どこの地域にも負けないものがあるだろう。ノーキスはめらっめらと燃え上がっている。

 ――こうして、じわじわと確実に、宝石アクセサリーブームの波はロスガリア全土に広がりつつあった――。

 執筆:七海真砂
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0