【人馬】人馬争乱――神石と騎馬民族――

バルディオン

本日のケンタウロス関係の報告は、家畜を盗もうとした小集団が追い払われたのが1件、兵士との戦闘未満の騒ぎが2件です。

レイウェスト・バルダス

停戦協定合意から今日まで死者はなしか。協定は遵守されているとみてよいな。

バルディオン

はい。おめでとうございます。

レイウェスト・バルダス

冒険者とバルディオンのおかげだ。これでエスタルでの本格的な調査や支援が可能になる。綱渡りだが、渡りきるぞ。

帝国とケンタウロスの間で停戦が成立しました――

assignment【人馬】人馬争乱――神石と騎馬民族―― 特設ページ

人馬争乱では、帝国東部に乱入したケンタウロス相手の戦いと交流、そして彼らの故郷に隠された秘密とそれを巡る争いが描かれます。賢しく精強なケンタウロスの軍勢や、何者かに強化された痕跡のある魔獣の群れに対抗できるのは冒険者だけです。

assignmentここまでの流れ

エフレムという主力が離反し、頂点であるレイウェスト・バルダス皇子も国外にいる状況で、最盛期の帝国ですら駆逐しきれなかった半人半馬の知的亜人ケンタウロスの大規模侵攻が始まりました。略奪だけが目的だった過去とは違い、明らかに帝国人類圏の占領を狙っているケンタウロスもいます。彼らは帝国東部の辺境から現れて西進・南下。住民が戻りつつある帝国南東部やヴィントに迫っています。また、時期を同じくして強力な魔獣も出現しているようです。
(2022/2/24追記)
ケンタウロスの大規模侵攻に後手後手となっている帝国軍の要請を受けて、冒険者が参戦。
数に勝るケンタウロスを相手に武力で殲滅したり、策略や交渉で情報や時間を稼いだりすることに成功しました。
また、帝国東部に出没するようになった強化魔獣や強化クリーパーの出所を探り、ケンタウロス達の故郷である『聖地』の位置を特定しました。
さらに、昨年ドワーフ王国を恐怖に陥れた邪竜バイアーディスが所持していた『エーテル石』が聖地に多く眠っていること、かつてサウゼル大樹海の戦いで冒険者を苦しめた超大型クリーパー『瘴気纏う腐緑獣』とメドゥの指先が聖地を占拠していることも明らかになりました。

(2022/3/26追記)
これ以上『聖地』をメドゥの指先に占拠されるのは危険と判断され、冒険者を主体とした『聖地』奪還作戦が決行されました。
事前の情報収集に基づいた作戦があっても『瘴気纏う腐緑獣』は強力でしたが、冒険者は果敢に戦い撃破に成功しました。
また、しぶとく帝国への攻撃を続ける新生派ケンタウロスの撃退にも成功し、ケンタウロスの侵攻は食い止められました。しかし、人類勢力圏に食い込んだケンタウロスを駆逐することは難しく、帝国は彼らに交渉を持ちかけようとしています。

assignment結果

瘴気纏う腐緑獣を従えたメドゥの指先幹部『メドゥの左腕』とその配下による『聖地』乱入から始まった動乱は、レイウェスト皇子の代理であるバルディオン将軍と、ケンタウロスの古老派幹部レミーラが停戦に合意したことで終結しました。
帝国は『聖地』を無条件でケンタウロスに返還。古老派は聖地に引き揚げ、その地を守るとともに、帝国東部から南東部に散った新生派を聖地へ呼び戻すことになりました。
極々少数の通訳を除けば意思疎通が極めて困難なのは今まで通りですが、帝国、ケンタウロスともに、エーテル石の産地である『聖地』の危機は『世界の危機』であると認識し、緊急時の連絡手段に関する約定も結ばれました。

person_pin関連NPC

帝国南部の守りの要『ヴァイセントラフ砦』と南部の経済的中心『帝国南部鎮守都市ヴィント』をレイウェスト皇子から任された帝国の重鎮。

《本連動での動き》

帝国健在時と比べて激減した戦力で、過去に例を見ない数のケンタウロスに対することになり、非常に苦しい戦いを強いられました。レイウェストの代理としてケンタウロスとの交渉に臨み、停戦協定を結びました。

帝国が崩壊したときから唯一の帝位継承者として各国の支援を引き出し、冒険者の助けを得て帝国南部の一部を取り戻した皇子です。

《本連動での動き》

急使によりケンタウロス侵攻を知らされ、急いで帝国に戻り、バルディオン将軍より詳細報告を受けました。

帝都崩壊時に帝国北部鎮守都市『オルセン』に出現しかけた幽界樹をほぼ単身で打ち倒した超人的人物。帝国北部における人気は圧倒的です。

《本連動での動き》

ヴィントに滞在中だった彼女は、ケンタウロス侵攻の話を聞きバルディオンに協力しました。

帝国難民キャンプで散々冒険者の世話になった在野授恵者。現在は危険地帯の案内人や輸送業で生活費を稼いでいます。

《本連動での動き》

冒険者に命を救われた後は帝国軍に協力しています。

恐るべき実力を備えた授恵者であり、メドゥの指先幹部の一人です。かつてサウゼル大樹海とゴールディで起きた【大変動】において、超大型クリーパー『瘴気纏う腐緑獣』をマテリアル界に出現させた人物とされています。

《本連動での動き》

自らの眷属としていた瘴気纏う腐緑獣を『聖地』占領に利用しました。また、エーテル石(神石)を用いて瘴気纏う腐緑獣の強化に成功。現在は『聖地』にいるようです。
(2022/5/1追記)
冒険者による瘴気纏う腐緑獣討伐後、聖地を去ったようです。

menu_book関連用語・情報

ケンタウロス

人類に敵対的な亜人であり、大型馬の下半身と人間の上半身をつなげた外見をしています。弓での狩猟を行い、皮で衣服やテントを作る程度の器用さがあるほか、知性は人類と同等にあると予想されています。
非特異個体の成体でもLV1の授恵者に匹敵する戦力で、4つ足により高速も活かして長年帝国を含む各国に被害を与えてきました。
1222年1月、帝国東部辺境地帯に住んでいたと思われるケンタウロスの大群が突如として西進・南下し、帝国南東部など人類の生活圏に侵攻を開始しました。
(2022/3/26追記)
現在は帝国への侵攻を阻まれ、極一部が『聖地』に戻り始めています。
(2022/5/1追記)
古老派ケンタウロスが帝国との間に停戦協定を結び、聖地に帰りました。彼らの呼びかけにより、新生派ケンタウロス達の聖地への帰還も進んでいるようです。

古老派(2022/2/24追加)

良くも悪くも伝統的な価値観を持つケンタウロス達です。
人類の領域に出向いてときに戦いときに物々交換などをする者もいますが、古老派の中では少数派で出向く頻度も低いです。
現在は『聖地』の奪還を目指して機を窺っている……というより、『聖地』から次々に現れる強化魔獣や強化クリーパー相手に苦戦しています。
子供や老人などの非戦闘員の比率が高く、万が一人類と敵対することになっても実力は十分に発揮できないでしょう。
(2022/3/26追記)
強化魔獣やその他の敵との戦闘で個体数を減じています。『瘴気纏う腐緑獣』との決戦において冒険者への積極的協力を行わなず、新生派の帝国侵攻失敗によりケンタウロス全体の損耗も激しいため、今後行われる帝国との交渉で不利な立場が予想されています。
(2022/5/2追記)
帝国との間に停戦協定を結び、聖地に帰りました。

新生派(2022/2/24追加)

良くも悪くも思考が柔軟な若者が多く、これまでのケンタウロス居住地より豊かな人類の土地を積極的に支配しようとする集団です。
思想も行動も急進的なため、子供や老人や一部女性が新生派を離脱するか置き去りにされて古老派と合流しています。
そのため古老派より数は少ないですが平均的な戦力は高く、特異個体の数は古老派と比べて特に多いです。
(2022/3/26追記)
冒険者や帝国軍との戦いで多くの精鋭を失い、ケンタウロス内部での影響力が低下しています。
(2022/5/2追記)
古老派の呼びかけにより、聖地への帰還が進んでいます。

帝国南部鎮守都市「ヴィント」

帝国滅亡に際してクリーパーに蹂躙された都市。昨年初夏の奪還作戦において【天霧りに消ゆる幽界樹】の分樹の打倒に成功し、解放されました。現在は廃墟の整理も進み、避難していた帝国民も少しずつ戻り、復興の途にあります。太守はバルディオン。

帝国北部鎮守都市「オルセン」

ヴィントと並ぶ帝国の軍事拠点。征竜に備える北の要として作られた都市であり、王国に向けたヴィントと同程度の戦力を擁していました。帝国崩壊に伴い滅亡したものと思われていましたが、クーネ・ルウの助力により幽界樹が育つ前の伐採に成功。健在であることが昨年初夏に判明しました。太守はコンラート・マフダル。

帝国都市「ダルトート」

帝都の東にあった中規模の都市。目立った特徴はありません。それなりに栄えていましたが、帝国滅亡に際して幽界樹が生えて滅亡しました。その後は人の住まぬ廃墟都市となりクリーパーに占領されていましたが国内行脚をしていたクーネに『解放』され、物理的にも廃墟と化したようです。1221年秋に整備されたヴィントとオルセンをつなぐ帝国東部街道(仮)の中間地点にあります。

聖地(2022/2/24追加)

場所は帝国の東端。ドワーフ王国や辺境都市群に近い平原にあります。
帝都崩壊前も帝国の土地か亜人(ケンタウロス)の土地か曖昧であった場所で、最低でも数百年に渡ってケンタウロスが支配し続けていた土地です。人類は、その場所が彼らにとっての聖地であることも、その地下に眠るエーテル石(神石)の存在も知りませんでした。
メドゥの指先による露天掘りで無残な姿になっています。

神石(エーテル石)(2022/2/24追加)

神代からケンタウロスが『聖地』と呼ぶ鉱脈に眠る不思議な光る石。自然にできた鉱石の一種でもあります。『神代の戦いで散った小さき神々の遺体が鉱石化したもの』とケンタウロスの間では伝えられています。
1221年に邪竜バイアーディスがドワーフ王国マミダ地域を侵略した争乱(【竜盤】連動)の中で初めて確認され、バイアーディスが都市の生命を纏めてエーテルに変換し収奪するための魔法陣の核としていた石です。「【竜盤】決戦:ドワーフ王国解放戦線」では、逆にバイアーディスを滅ぼすための魔法陣の核として使用されました。
メドゥの指先による悪用の危険が強く懸念されています。

瘴気纏う腐緑獣(2022/2/24追加)

ゴールディとサウゼル大樹海を騒がせた一連の事件(【大変動】連動)の終盤に現れ、「【大変動】決戦:ゴールディズ・デッドライン」で冒険者や各国援軍を相手に死闘を繰り広げた超大型クリーパー。冒険者たちに敗北し大樹海の奥地に潜伏していると思われていましたが、実はその後メドゥの左腕に眷属化されていました。
敗北時に失った部位の代わりにドラゴンの首を与えられた、恐るべき再生強化怪獣です。
(2022/3/26追記)
冒険者の猛攻により撃破されました。

●
「全隊ぃ、前へ!」
 シルトラース帝国東部辺境にあるケンタウロスの『聖地』を去るべく、人間達が一斉に動き出す。
 装備は統一されておらず、傷んだ武具を身につけている軍人も体格が良くない軍人もいる。
 しかし行軍に無駄は少なく、部隊としての戦闘力は同数のケンタウロスにも劣らないだろう。
『レミーラ殿。人間共を退かせた手並み、真に見事。その手腕をもってすれば、我らが再び版図を広げる日も来ましょうな』
『この期に及んでまだそんな事を言うのかい』
 古老派の有力部族を率いる女人馬(レミーラ )は、帝国軍が十分離れた後なら決闘でもなんでも挑んでこの人馬を黙らせていたかもしれない。古老派相手の『聖地』復帰交渉に来たこの新生派幹部には、まだ現実が見えていないのだ。
『ケンタウロスは負けたんだよ。色んな意味でね。だからって人間に尻尾を振るわけにはいかないんだ。アタシ達ケンタウロスと聖地を守るために必死に努力した結果だってことが何故分からない』
 特異個体としての戦歴は同程度でも背負っているものが違う。
 レミーラは己の部族だけでなく、この地に暮らす幾つもの人馬部族の存続を背負うしかない立場にいるのだ。
『だが』
『大きな口を叩くなら人間の『指先』って部族に反撃してからにしな』
 メドゥの指先に『聖地』を奪われたことを指摘され、新生派幹部が言葉に詰まった。
 レミーラは帝国軍から目を離して周囲を見る。
 メドゥの指先による乱雑な露天掘りにより『聖地』は荒れ果て、元の状態に戻せるまで何年かかるかも分からない。
 人類と争う気がない古老派の中にも意見の対立はあり、古老派と新生派の間ではさらに酷い。
 だがそれでも、ケンタウロスとして力を結集しなければ生活を建て直すことも、未だ跋扈する魔獣やクリーパーに対抗することすら難しいのだ。
『数を集めないと何もできないね』
 人類に敵対する余裕など、どこにも存在しなかった。

 ●
 聖地を出た帝国軍部隊は、南西へ行軍中だ。
「問題ないか」
「はい」
 その指揮官達は人馬に気付かれないよう言葉と情報を交わしている。
「おそらく新生派らしき集団にも動きはありません」
「西から『聖地』へ接近中の人馬達も我々を避けています。人馬が斥候すら出さないとは、威圧し過ぎましたか?」
 将軍(バルディオン )の部下達は人馬に対する警戒心と敵対心を隠せていない。
 戦友を失い民にも被害を出したのだ。この反応でも十分に温和といえる。
「ケンタウロスが理性的で何よりだ」
 バルディオンは顔には出さないが安堵している。
 非授恵者とケンタウロスが同じ場所にいて死傷者が発生しなかった報告や、僻地の村でケンタウロス相手の商取引が行われているという報告は受けてはいる。
 だが相手は亜人だ。
 本当に協定を守るつもりがあるか信用しきれない。
「ケンタウロスは『聖地』を守り、万が一メドゥの指先など外敵に聖地が襲撃されたときには帝国へ報せる、ですか」
「有事には、人馬が白旗を振りながら軍の駐屯地に駆け込むという話ですぞ」
 部下達は自らに言い聞かせるように協定(取り決め )の内容を口にする。
「冒険者が尽力したから成立した停戦だ。功績ある彼等の顔を立てるためにも有効に使う。いいな」
 バルディオンが強く言う。
 皆、真剣な表情で頷いていた。

 ●
「王子のにーちゃーん! 4つ脚の連中から賄賂受け取ってきたぜー!!」
 顔馴染みの馬鹿(リット )は相変わらずで、帝国皇子レイウェストはエフレムが近くに控えていた頃を思い出してしまい心がちくりと痛んだ。
「本当に賄賂か、リット」
 微かに笑みを浮かべて確認する。
「そういえば贈り物って感じだった気もすっけど似たようなもんだろ?」
 初歩的な敬語すら使えていないが悪意は感じないし敬意らしきものも感じられる。
 なお、書類上でも王子と皇子の区別がつかず間違う水準の非礼を働いてもいるので、かつての帝国ならば牢屋に放り込まれても甘い対処である。
「毛皮か」
 帝室の人間に対する贈り物としては雑だ。
 しかし素材としては非常に良質で、皇子として良いものを見慣れているレイウェストも加工後が楽しみな品だ。
「リット、ケンタウロスについて気付いたことはないか」
 態度も声も変わらず、しかし民と国のため動き続ける彼(皇子 )の迫力は護衛達を圧倒する。
 馬鹿(リット )は気付かない。
 気付かないまま、難民キャンプで世話になった相手のため必死に考える。
「冒険者(ねーちゃんやにーちゃん )が帰って、俺を確実に殺して死体を隠せる状況になっても手出しして来なかったぜ」
「回数は」
「俺が気付いただけで3回」
「場所は同じか」
「同じだけと4つ脚連中の顔ぶれは変わってた。多分しんせーはってのもいた」
 リットは殺意の視線を思い出し、不愉快そうに鼻を鳴らす。
 レイウェストの口角が微かに釣り上がる。
 護衛達が緊張する気配には気付いたリットが小首を傾げる。
「そうか。よく知らせてくれた」
「いいってことよ。冒険者(にーちゃんやねーちゃん )ほどじゃねーけど王子のにーちゃんにも世話になってるからな!」
 リットに礼儀はないが悪意も皆無だ。
 幼い頃から散々目にしてきた悪意とは正反対の存在(リット )に、レイウェストはこれまで抑えていた欲求を言葉にしてしまった。
「ところでリット。そなたは私と生まれ年が同じと聞いた。その……にーちゃんという呼び方を変えぬか? 名前で良い」
「えっ!?」
 リットは愕然とした。
 表情には出していないが護衛達も愕然としている。
「背も高いししっかりしてるから年上だと思ってたぜ」
 違うそういう問題じゃない、と護衛達は言いたいが皇子が納得している以上文句は言えない。
「じゃあこれからはレイウェストだ! んじゃ仕事があるからまたなレイウェスト!」
 雑にもほどがある挨拶をして去るリットを、皇子は久々の明るい笑顔で見送った。
「……ケンタウロスは本気で停戦を受け入れたようだ」
 皇子の声に覇気がある。
 頂点に近い将軍(バルディオン )からの情報と底辺に近いリットからの情報が同じ方向を示している。
 停戦が成ったという確信が持てた。
「後は、エスタルの復興と周辺のクリーパーや魔獣の掃討が済めば」
 東部へも民を戻せるかもしれない。
 レイウェストは己の目標がはるか遠くにあることを理解した上で、絶対に諦めず民と国を連れていくつもりであった。


 執筆:馬車猪

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0