【人馬】人馬争乱――神石と騎馬民族――

レイウェスト・バルダス

『瘴気纏う腐緑獣』にメドゥの指先の大幹部か。今回も冒険者に助けられたな。後はケンタウロスとエーテル石だが……。

バルディオン

ケンタウロスの奇襲で被害を受けた部隊も大部分立て直せました。通常の防戦であれば冒険者がいない時でも問題ありません。

レイウェスト・バルダス

バルディオンもよくやってくれた。……だが、再び『聖地』を狙ってメドゥの指先が動き出すかもしれぬ。ケンタウロスとの戦いが止まぬまま『聖地』も維持し続けるのは難しいということだな?

バルディオン

はい。しかし、ケンタウロス側の損耗は少なくないはず。被害にあった民や戦友を失った兵に弱腰と誹られても……ここは、ケンタウロスとの交渉の場を設けるべきかと。ギルドを通し、冒険者にも依頼を出しましょう。

レイウェスト・バルダス

冒険者の話では、対話が望めそうなケンタウロス部族もいるようだからな。今回も冒険者と力をあわせた方がより良い結果を掴めそうだ。手配してくれ。私は民と兵の慰撫を進めておく。

帝国とケンタウロスの関係が変化し始めているようです――
(3月27日より 【人馬】事後シナリオリリース予定!)

assignment【人馬】人馬争乱――神石と騎馬民族―― 特設ページ

人馬争乱では、帝国東部に乱入したケンタウロス相手の戦いと交流、そして彼らの故郷に隠された秘密とそれを巡る争いが描かれます。賢しく精強なケンタウロスの軍勢や、何者かに強化された痕跡のある魔獣の群れに対抗できるのは冒険者だけです。

assignmentここまでの流れ

エフレムという主力が離反し、頂点であるレイウェスト・バルダス皇子も国外にいる状況で、最盛期の帝国ですら駆逐しきれなかった半人半馬の知的亜人ケンタウロスの大規模侵攻が始まりました。略奪だけが目的だった過去とは違い、明らかに帝国人類圏の占領を狙っているケンタウロスもいます。彼らは帝国東部の辺境から現れて西進・南下。住民が戻りつつある帝国南東部やヴィントに迫っています。また、時期を同じくして強力な魔獣も出現しているようです。
(2022/2/24追記)
ケンタウロスの大規模侵攻に後手後手となっている帝国軍の要請を受けて、冒険者が参戦。
数に勝るケンタウロスを相手に武力で殲滅したり、策略や交渉で情報や時間を稼いだりすることに成功しました。
また、帝国東部に出没するようになった強化魔獣や強化クリーパーの出所を探り、ケンタウロス達の故郷である『聖地』の位置を特定しました。
さらに、昨年ドワーフ王国を恐怖に陥れた邪竜バイアーディスが所持していた『エーテル石』が聖地に多く眠っていること、かつてサウゼル大樹海の戦いで冒険者を苦しめた超大型クリーパー『瘴気纏う腐緑獣』とメドゥの指先が聖地を占拠していることも明らかになりました。

(2022/3/26追記)
これ以上『聖地』をメドゥの指先に占拠されるのは危険と判断され、冒険者を主体とした『聖地』奪還作戦が決行されました。
事前の情報収集に基づいた作戦があっても『瘴気纏う腐緑獣』は強力でしたが、冒険者は果敢に戦い撃破に成功しました。
また、しぶとく帝国への攻撃を続ける新生派ケンタウロスの撃退にも成功し、ケンタウロスの侵攻は食い止められました。しかし、人類勢力圏に食い込んだケンタウロスを駆逐することは難しく、帝国は彼らに交渉を持ちかけようとしています。

person_pin関連NPC

帝国南部の守りの要『ヴァイセントラフ砦』と南部の経済的中心『帝国南部鎮守都市ヴィント』をレイウェスト皇子から任された帝国の重鎮。

《本連動での動き》

帝国健在時と比べて激減した戦力で、過去に例を見ない数のケンタウロスに対することになり、非常に苦しい戦いを強いられています。

帝国が崩壊したときから唯一の帝位継承者として各国の支援を引き出し、冒険者の助けを得て帝国南部の一部を取り戻した皇子です。

《本連動での動き》

急使によりケンタウロス侵攻を知らされ、急いで帝国に戻り、バルディオン将軍より詳細報告を受けました。

帝都崩壊時に帝国北部鎮守都市『オルセン』に出現しかけた幽界樹をほぼ単身で打ち倒した超人的人物。帝国北部における人気は圧倒的です。

《本連動での動き》

ヴィントに滞在中だった彼女は、ケンタウロス侵攻の話を聞きバルディオンに協力するつもりのようです。

帝国難民キャンプで散々冒険者の世話になった在野授恵者。現在は危険地帯の案内人や輸送業で生活費を稼いでいます。

《本連動での動き》

冒険者に命を救われた後は帝国軍に協力しています。

恐るべき実力を備えた授恵者であり、メドゥの指先幹部の一人です。かつてサウゼル大樹海とゴールディで起きた【大変動】において、超大型クリーパー『瘴気纏う腐緑獣』をマテリアル界に出現させた人物とされています。

《本連動での動き》

自らの眷属としていた瘴気纏う腐緑獣を『聖地』占領に利用しました。また、エーテル石(神石)を用いて瘴気纏う腐緑獣の強化に成功。現在は『聖地』にいるようです。

menu_book関連用語・情報

ケンタウロス

人類に敵対的な亜人であり、大型馬の下半身と人間の上半身をつなげた外見をしています。弓での狩猟を行い、皮で衣服やテントを作る程度の器用さがあるほか、知性は人類と同等にあると予想されています。
非特異個体の成体でもLV1の授恵者に匹敵する戦力で、4つ足により高速も活かして長年帝国を含む各国に被害を与えてきました。
1222年1月、帝国東部辺境地帯に住んでいたと思われるケンタウロスの大群が突如として西進・南下し、帝国南東部など人類の生活圏に侵攻を開始しました。
(2022/3/26追記)
現在は帝国への侵攻を阻まれ、極一部が『聖地』に戻り始めています。

古老派(2022/2/24追加)

良くも悪くも伝統的な価値観を持つケンタウロス達です。
人類の領域に出向いてときに戦いときに物々交換などをする者もいますが、古老派の中では少数派で出向く頻度も低いです。
現在は『聖地』の奪還を目指して機を窺っている……というより、『聖地』から次々に現れる強化魔獣や強化クリーパー相手に苦戦しています。
子供や老人などの非戦闘員の比率が高く、万が一人類と敵対することになっても実力は十分に発揮できないでしょう。
(2022/3/26追記)
強化魔獣やその他の敵との戦闘で個体数を減じています。『瘴気纏う腐緑獣』との決戦において冒険者への積極的協力を行わなず、新生派の帝国侵攻失敗によりケンタウロス全体の損耗も激しいため、今後行われる帝国との交渉で不利な立場が予想されています。

新生派(2022/2/24追加)

良くも悪くも思考が柔軟な若者が多く、これまでのケンタウロス居住地より豊かな人類の土地を積極的に支配しようとする集団です。
思想も行動も急進的なため、子供や老人や一部女性が新生派を離脱するか置き去りにされて古老派と合流しています。
そのため古老派より数は少ないですが平均的な戦力は高く、特異個体の数は古老派と比べて特に多いです。
(2022/3/26追記)
冒険者や帝国軍との戦いで多くの精鋭を失い、ケンタウロス内部での影響力が低下しています。

帝国南部鎮守都市「ヴィント」

帝国滅亡に際してクリーパーに蹂躙された都市。昨年初夏の奪還作戦において【天霧りに消ゆる幽界樹】の分樹の打倒に成功し、解放されました。現在は廃墟の整理も進み、避難していた帝国民も少しずつ戻り、復興の途にあります。太守はバルディオン。

帝国北部鎮守都市「オルセン」

ヴィントと並ぶ帝国の軍事拠点。征竜に備える北の要として作られた都市であり、王国に向けたヴィントと同程度の戦力を擁していました。帝国崩壊に伴い滅亡したものと思われていましたが、クーネ・ルウの助力により幽界樹が育つ前の伐採に成功。健在であることが昨年初夏に判明しました。太守はコンラート・マフダル。

帝国都市「ダルトート」

帝都の東にあった中規模の都市。目立った特徴はありません。それなりに栄えていましたが、帝国滅亡に際して幽界樹が生えて滅亡しました。その後は人の住まぬ廃墟都市となりクリーパーに占領されていましたが国内行脚をしていたクーネに『解放』され、物理的にも廃墟と化したようです。1221年秋に整備されたヴィントとオルセンをつなぐ帝国東部街道(仮)の中間地点にあります。

聖地(2022/2/24追加)

場所は帝国の東端。ドワーフ王国や辺境都市群に近い平原にあります。
帝都崩壊前も帝国の土地か亜人(ケンタウロス)の土地か曖昧であった場所で、最低でも数百年に渡ってケンタウロスが支配し続けていた土地です。人類は、その場所が彼らにとっての聖地であることも、その地下に眠るエーテル石(神石)の存在も知りませんでした。
メドゥの指先による露天掘りで無残な姿になっています。

神石(エーテル石)(2022/2/24追加)

神代からケンタウロスが『聖地』と呼ぶ鉱脈に眠る不思議な光る石。自然にできた鉱石の一種でもあります。『神代の戦いで散った小さき神々の遺体が鉱石化したもの』とケンタウロスの間では伝えられています。
1221年に邪竜バイアーディスがドワーフ王国マミダ地域を侵略した争乱(【竜盤】連動)の中で初めて確認され、バイアーディスが都市の生命を纏めてエーテルに変換し収奪するための魔法陣の核としていた石です。「【竜盤】決戦:ドワーフ王国解放戦線」では、逆にバイアーディスを滅ぼすための魔法陣の核として使用されました。
メドゥの指先による悪用の危険が強く懸念されています。

瘴気纏う腐緑獣(2022/2/24追加)

ゴールディとサウゼル大樹海を騒がせた一連の事件(【大変動】連動)の終盤に現れ、「【大変動】決戦:ゴールディズ・デッドライン」で冒険者や各国援軍を相手に死闘を繰り広げた超大型クリーパー。冒険者たちに敗北し大樹海の奥地に潜伏していると思われていましたが、実はその後メドゥの左腕に眷属化されていました。
敗北時に失った部位の代わりにドラゴンの首を与えられた、恐るべき再生強化怪獣です。
(2022/3/26追記)
冒険者の猛攻により撃破されました。

●
 『そんな』
 ケンタウロスがへたり込む。
 どんなに苦しいときでも必死に守ってきた、そして『メドゥの指先』なる集団相手に守り切れなかった『聖地』に戻ってはこれた。
 しかし目の前にあるのは何もかもが掘り起こされた地面と、巨大な死骸(『瘴気纏う腐緑獣』 )から流れる血で汚された土だ。
 『どうして』
 理由は理解している。
 ケンタウロスだけの力ではメドゥの指先という悪を撃退できなかったからだ。
 しかも、自分達は人間達が『腐緑獣』に挑む際に聖地への立ち入りを黙認しただけで、共闘すらしなかった。それでは聖地への配慮など望むべくもない。
「おーいねーちゃん! ねーちゃんでいいんだよな?」
 茶髪で緑目の小僧(リット )が何を言っているかは分からない。
 ただ、ケンタウロスに対して畏怖も恐怖も全く感じていないことは分かる。それも彼女らが力を示さなかったためだ。
「アレ(腐緑獣 )をほっとくと腐ってひでーことになるんだろ。どこが『聖地』か知らねーけど運び出そうぜ」
 言い終える前に死骸に近付き渋面を作る。
 リットは非常に単純で、話す言葉が異なっても意味は6割ほど伝わった。
 『え、ええ』
 ケンタウロスの思考がまとまらない。
 今『聖地』にいるのは人類ばかりだ。
 冒険者が主体となって打倒した『腐緑獣』や、彼らが『エーテル石』と呼ぶ『神石』を調べに来た人類各国の学者と冒険者ギルドの職員、そしてリットのような人足(日雇い )が9割。
 本来の聖地の住人たるケンタウロスは、古老派の幹部とその護衛合わせても1割でしかない。
「冒険者(にーちゃんやねーちゃん )はすげーよなー。この頭ドラゴンかよっ。何個あるんだよすっげー!」
 人間の子が授恵者らしい怪力で残骸の一部を持ち上げる。
 足が地面に沈み込み、土に埋まっていた祈りの場にひびが入る音が聞こえた。
 『やめてっ』
「4つ脚のねーちゃん、あぶねーって!」
 反射的に押し退けようとしたのに、リット(ヒューマン )は揺れすらしない。
「倒れたらねーちゃん押し潰されちまうぜ」
 腕を伝ってくる血に濡れても特に気にした様子はない。
 冒険者と比べれば戦闘経験の質も量も劣るとはいえ、彼は帝国崩壊後の混乱からずっと戦い続けてきた授恵者なのだ。
「少年! こっちに運んでくれ」
「うぃーっす!」
 冒険者に各地で敗れたらしい新生派ケンタウロスはもちろん、協力の姿勢を見せなかった古老派ケンタウロスも半ば無視された形で『聖地』の戦後処理が始まろうとしていた。

 ●
「いてぇ」
「兵隊さん大丈夫ですか?」
 最前線から離れた南の町で、非番の帝国軍兵士が町の住民に心配されていた。
「今のは忘れてくれ。娑婆の連中に心配されたと知られたら上官に怒鳴られちまう」
「忘れられませんよ。私達を守って負傷されたのでしょう?」
「そう言われると嬉しいね」
 兵士は傷だらけの顔で嬉しそうに笑う。
 冒険者達の鮮烈な活躍と比べると地味なのは自覚しているのだ。
「次は勝つさ」
 彼は無事だったが、戦友の中にはケンタウロスに殺された者も負傷で退役せざるを得なくなった者もいる。
 やる気は十分だ。人類勢力圏に食い込んできたケンタウロス達を、このまま放置するつもりはない。
「目にもの見せちゃってください!」
 明るい声でいう女性も、目が殺意でぎらついていた。

 ●
 『族長ー、元新生派の戦士が来ましたー』
 『またか!』
 ケンタウロスの零細部族を率いる彼は困っていた。
 『聖地』を追われてからは帝国南東部に臨時の拠点を築き、先々のことを考える日々を過ごしていたのだが――最近は冒険者に負けて散り散りになった元新生派がよく助けを求めに来るのだ。
 『人間を襲うなら勝つ算段と逃げる算段をつけてから仕掛けろというのだ!』
 『うちは逃げるだけですけどねー』
 『人間が攻めて来たら迎撃はするからな!』
 族長は断固として主張し、部族の戦士は雑に、しかし素直にうなずく。
 『聖地』陥落から今まで部族全員を生き残らせた族長を信頼しているのだ。
 『受け入れてやれ。増長するなら追い出せ。いつも通りだ』
 『はい族長ー』
 元気に4本の脚で駆けていく部下を見送り、族長は見えないよう気を付けながらため息を吐く。
 『聖地』を出たはいいが、この部族には人類と事を構える戦力などなかった。危害を加えないことで何とか物々交換ができるまでの関係になっていた人間の村も、村の近所に長々と居座る亜人(ケンタウロス )に不安を感じているのか、最近は取引を渋るようになった。
 いつか『聖地』に帰れればと思っていたが、今そこに居るのは人類ばかりだと聞く。最悪の場合、帰還もこの拠点も完全に諦めて居場所を移さざるを得ないかもしれない。
 『他の部族にも、もう人間と戦い続ける余裕はないんじゃないか? ケンタウロス同士の争いなら終わらせ方も分かるが……人間相手にどうすればいいんだ?』
 新生派や古老派にどうにかする知恵と意思があることを、心から願っていた。

 ●
「そういえばですね」
 暇そうにしていた受付嬢が、目があってしまった冒険者達に話しかけている。
「帝国でケンタウロス関連の騒動があったじゃないですか。あれの後始末というかそんな感じの依頼が出ると思いますよ」
 重大な内容を世間話にしているが、他国の人間の大部分はこんなものだ。
「侵攻の被害を受けた村の人や兵隊さんはケンタウロスに対して怒ってるでしょうし、ケンタウロスは『腐緑獣』相手の戦いをほとんど無視しちゃってるので人類からの好感度ないですし……。でも、帝国南部まで食い込んだケンタウロス達を力技で撃退するのも、今の帝国軍には難しいみたいなんですよね。レイウェスト皇子やバルディオン将軍は、もしかすると停戦とかの状況に持っていきたいのかもしれませんよ」
 ケンタウロスと人類は、長きにわたって敵対し合ってきた関係だ。本来であれば、終戦はもちろん停戦に持ち込むのも難しい状況だろう。
 それでも帝国首脳陣がケンタウロス相手に対話による解決を考えているのだとすれば、これまで当たり前に敵対していた人類と亜人との関係に一石を投じる結果となるかもしれない。
「たぶん、交渉サポートとか色んな依頼が出ると思います。出たらよろしくお願いしますねっ」
 本当に軽い、受付嬢であった。


 執筆:馬車猪

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0