【人馬】人馬争乱――神石と騎馬民族――

レイウェスト・バルダス
間に合った。いや、冒険者が間に合わせてくれたのか。
リット
王子のにーちゃん! ケンタウロスの『聖地』ってところに『腐緑獣』っていう怪獣が……。
レイウェスト・バルダス
報告は受けている。私が不在の間、ケンタウロス相手によく持ちこたえてくれたな、リット。
リット
冒険者のねーちゃんやにーちゃんのお陰だよ。それじゃ俺、手伝いに行ってくるから!
帝国東部辺境で、『聖地』を巡る戦いが始まるようです――
(2月25日より 【人馬】連動シナリオリリース開始!)
assignment【人馬】人馬争乱――神石と騎馬民族―― 特設ページ
人馬争乱では、帝国東部に乱入したケンタウロス相手の戦いと交流、そして彼らの故郷に隠された秘密とそれを巡る争いが描かれます。賢しく精強なケンタウロスの軍勢や、何者かに強化された痕跡のある魔獣の群れに対抗できるのは冒険者だけです。
assignmentここまでの流れ
エフレムという主力が離反し、頂点であるレイウェスト・バルダス皇子も国外にいる状況で、最盛期の帝国ですら駆逐しきれなかった半人半馬の知的亜人ケンタウロスの大規模侵攻が始まりました。略奪だけが目的だった過去とは違い、明らかに帝国人類圏の占領を狙っているケンタウロスもいます。彼らは帝国東部の辺境から現れて西進・南下。住民が戻りつつある帝国南東部やヴィントに迫っています。また、時期を同じくして強力な魔獣も出現しているようです。
(2022/2/24追記)
ケンタウロスの大規模侵攻に後手後手となっている帝国軍の要請を受けて、冒険者が参戦。
数に勝るケンタウロスを相手に武力で殲滅したり、策略や交渉で情報や時間を稼いだりすることに成功しました。
また、帝国東部に出没するようになった強化魔獣や強化クリーパーの出所を探り、ケンタウロス達の故郷である『聖地』の位置を特定しました。
さらに、昨年ドワーフ王国を恐怖に陥れた邪竜バイアーディスが所持していた『エーテル石』が聖地に多く眠っていること、かつてサウゼル大樹海の戦いで冒険者を苦しめた超大型クリーパー『瘴気纏う腐緑獣』とメドゥの指先が聖地を占拠していることも明らかになりました。
person_pin関連NPC
帝国南部の守りの要『ヴァイセントラフ砦』と南部の経済的中心『帝国南部鎮守都市ヴィント』をレイウェスト皇子から任された帝国の重鎮。
《本連動での動き》
帝国健在時と比べて激減した戦力で、過去に例を見ない数のケンタウロスに対することになり、非常に苦しい戦いを強いられています。
帝国が崩壊したときから唯一の帝位継承者として各国の支援を引き出し、冒険者の助けを得て帝国南部の一部を取り戻した皇子です。
《本連動での動き》
急使によりケンタウロス侵攻を知らされ、急いで帝国に戻り、バルディオン将軍より詳細報告を受けました。
帝都崩壊時に帝国北部鎮守都市『オルセン』に出現しかけた幽界樹をほぼ単身で打ち倒した超人的人物。帝国北部における人気は圧倒的です。
《本連動での動き》
ヴィントに滞在中だった彼女は、ケンタウロス侵攻の話を聞きバルディオンに協力するつもりのようです。
帝国難民キャンプで散々冒険者の世話になった在野授恵者。現在は危険地帯の案内人や輸送業で生活費を稼いでいます。
《本連動での動き》
冒険者に命を救われた後は帝国軍に協力しています。
恐るべき実力を備えた授恵者であり、メドゥの指先幹部の一人です。かつてサウゼル大樹海とゴールディで起きた【大変動】において、超大型クリーパー『瘴気纏う腐緑獣』をマテリアル界に出現させた人物とされています。
《本連動での動き》
自らの眷属としていた瘴気纏う腐緑獣を『聖地』占領に利用しました。また、エーテル石(神石)を用いて瘴気纏う腐緑獣の強化に成功。現在は『聖地』にいるようです。
menu_book関連用語・情報
ケンタウロス
人類に敵対的な亜人であり、大型馬の下半身と人間の上半身をつなげた外見をしています。弓での狩猟を行い、皮で衣服やテントを作る程度の器用さがあるほか、知性は人類と同等にあると予想されています。
非特異個体の成体でもLV1の授恵者に匹敵する戦力で、4つ足により高速も活かして長年帝国を含む各国に被害を与えてきました。
1222年1月、帝国東部辺境地帯に住んでいたと思われるケンタウロスの大群が突如として西進・南下し、帝国南東部など人類の生活圏に侵攻を開始しました。
古老派(2022/2/24追加)
良くも悪くも伝統的な価値観を持つケンタウロス達です。
人類の領域に出向いてときに戦いときに物々交換などをする者もいますが、古老派の中では少数派で出向く頻度も低いです。
現在は『聖地』の奪還を目指して機を窺っている……というより、『聖地』から次々に現れる強化魔獣や強化クリーパー相手に苦戦しています。
子供や老人などの非戦闘員の比率が高く、万が一人類と敵対することになっても実力は十分に発揮できないでしょう。
新生派(2022/2/24追加)
良くも悪くも思考が柔軟な若者が多く、これまでのケンタウロス居住地より豊かな人類の土地を積極的に支配しようとする集団です。
思想も行動も急進的なため、子供や老人や一部女性が新生派を離脱するか置き去りにされて古老派と合流しています。
そのため古老派より数は少ないですが平均的な戦力は高く、特異個体の数は古老派と比べて特に多いです。
帝国南部鎮守都市「ヴィント」
帝国滅亡に際してクリーパーに蹂躙された都市。昨年初夏の奪還作戦において【天霧りに消ゆる幽界樹】の分樹の打倒に成功し、解放されました。現在は廃墟の整理も進み、避難していた帝国民も少しずつ戻り、復興の途にあります。太守はバルディオン。
帝国北部鎮守都市「オルセン」
ヴィントと並ぶ帝国の軍事拠点。征竜に備える北の要として作られた都市であり、王国に向けたヴィントと同程度の戦力を擁していました。帝国崩壊に伴い滅亡したものと思われていましたが、クーネ・ルウの助力により幽界樹が育つ前の伐採に成功。健在であることが昨年初夏に判明しました。太守はコンラート・マフダル。
帝国都市「ダルトート」
帝都の東にあった中規模の都市。目立った特徴はありません。それなりに栄えていましたが、帝国滅亡に際して幽界樹が生えて滅亡しました。その後は人の住まぬ廃墟都市となりクリーパーに占領されていましたが国内行脚をしていたクーネに『解放』され、物理的にも廃墟と化したようです。1221年秋に整備されたヴィントとオルセンをつなぐ帝国東部街道(仮)の中間地点にあります。
聖地(2022/2/24追加)
場所は帝国の東端。ドワーフ王国や辺境都市群に近い平原にあります。
帝都崩壊前も帝国の土地か亜人(ケンタウロス)の土地か曖昧であった場所で、最低でも数百年に渡ってケンタウロスが支配し続けていた土地です。人類は、その場所が彼らにとっての聖地であることも、その地下に眠るエーテル石(神石)の存在も知りませんでした。
メドゥの指先による露天掘りで無残な姿になっています。
神石(エーテル石)(2022/2/24追加)
神代からケンタウロスが『聖地』と呼ぶ鉱脈に眠る不思議な光る石。自然にできた鉱石の一種でもあります。『神代の戦いで散った小さき神々の遺体が鉱石化したもの』とケンタウロスの間では伝えられています。
1221年に邪竜バイアーディスがドワーフ王国マミダ地域を侵略した争乱(【竜盤】連動)の中で初めて確認され、バイアーディスが都市の生命を纏めてエーテルに変換し収奪するための魔法陣の核としていた石です。「【竜盤】決戦:ドワーフ王国解放戦線」では、逆にバイアーディスを滅ぼすための魔法陣の核として使用されました。
メドゥの指先による悪用の危険が強く懸念されています。
瘴気纏う腐緑獣(2022/2/24追加)
ゴールディとサウゼル大樹海を騒がせた一連の事件(【大変動】連動)の終盤に現れ、「【大変動】決戦:ゴールディズ・デッドライン」で冒険者や各国援軍を相手に死闘を繰り広げた超大型クリーパー。冒険者たちに敗北し大樹海の奥地に潜伏していると思われていましたが、実はその後メドゥの左腕に眷属化されていました。
敗北時に失った部位の代わりにドラゴンの首を与えられた、恐るべき再生強化怪獣です。
「人語を話せるケンタウロスが複数か」
バルディオン将軍の言葉はうめきのように響いた。
会話が可能であるなら理解は容易であり、人類の倫理と無縁のまま人類の知識や戦術を習得可能ということだ。
「初撃で帝国南東部が崩壊しなかったのは幸運だったな」
レイウェスト傘下の軍人達は何も反論できない。
ケンタウロスの奇襲によりいくつも部隊が失われた。生き残った部隊も冒険者の救援が間に合ったかたまたま襲撃されなかったから生き延びただけだ。
「いずれにせよ、敵を知らねば勝てる戦も勝てなくなる」
冒険者や自称クーネさんから届いた情報を報告せよと命じると、参謀がインクのにおいも生々しい報告書を広げた。
「ケンタウロスが帝国を襲撃した原因はメドゥの指先です」
初めて知らされた者達が困惑する。先んじて報告を受けていたバルディオンらは、黙してそれを聞いていた。
「彼等が言う『聖地』……帝国東部最辺境を『空飛ぶ人間』と『全てを腐らせる三つ首の緑の巨大クリーパー』が襲いました」
反撃しても全く歯が立たずに追い出され、追い出されたケンタウロスが帝国を襲った。
その後、冒険者の救援が来るまで帝国軍は引き続けた。
「その『聖地』には何がある。文化的な意味だけか?」
バルディオン将軍が静かに問う。
「複数のケンタウロスが『神石』が採れる土地だと発言しています。訛りが強いので確定ではありませんが、エーテルを強化する石だとも」
「やはりエーテル石か。ドワーフ王国の次が帝国ということか?」
邪竜バイアーディスが引き起こした争乱にもメドゥの指先が関わっていた。
一連の騒動が繋がっていると直感し、しかしバルディオン達はそれ以上のことには気付けなかった。
「閣下ぁ!」
会議室の外から慌てた声が急速に近づく。
「シグルラン王からの急使です。消耗が激しく聞き取りは不能。しかし渡された手紙にっ」
普段は冷静な男が激しく動揺している。
「私が行く」
バルディオンは部下達が止めるより早く駆け出し、それを目にすることになる。
挨拶は抜きでいいよね?
バルちゃんがあたしんトコに送ってきた『神石』ってやつ?
あれマジ100%エーテル石だと思うんだよね~! ヤバ!
ドワーフ王国で見たエーテル石なんだケド、コレと一緒でなんかよくわかんない光る石だったな~。んで、なんかエーテルを増幅したり流れを操作するチカラ? があるらしーんだよね。
バイアーディス はそれを魔法陣の核に使っててさ。都市の生物をガバッとエーテルにかえて、自分に流し込もうとかしてたんだって。
そん時のエーテル石は帝国東部から持ち込まれたって記録があったから、やっぱ同じ石だと思う。
それって激ヤバじゃね?
第二第三のバイアーディスが出てくるかもしんないし、悪いヤツには絶対渡しちゃダメっしょ。
メドゥの指先なんかMAXヤバい。あいつらマジ何するかわかんない。
もうその『聖地(?)』に盗りに来てんだよね? ガチでやばいから。ソッコー追い返さなきゃダメ。
援軍は送りたいケド、たぶん間に合わない。マジごめん(><)
冒険者ギルドの請求書は、半分ウチ に送ってイイよ!
よほど急いで書いたのだろう。常に余裕を崩さないシグルランからは想像できないほど、その文字は乱れていた。
ドワーフ王国マミダ地域を侵略し、エーテル石を用いて都市の生命 を収奪しようとした邪竜バイアーディス。しかし、最終的に彼を滅ぼす致命打に使われたのも、同じエーテル石だったと聞く。
「閣下、作戦の変更を具申します。『聖地』の奪還または破壊を最優先にすべきです」
帝国の国土と臣民の防衛を後回しにすることになるが、仮にメドゥの指先が神石 の利用法を知っているのだとすれば、もはや世界の存亡に関わる事態だ。
「落ち着け。ケンタウロスの言う『三つ首の巨大クリーパー』は、あの『瘴気纏う腐緑獣』だという報告もある。そのような相手には数ではなく質だ。多数の部隊を差し向けても無意味に被害が出るだけだ」
バルディオンは追い詰められても冷静だ。
「強化魔獣やクリーパーも跋扈していると聞く。軍の最精鋭を送ったとて戦力としては心もとない。腐緑獣との交戦経験のある冒険者を主力とし、軍が可能な限り援護するのだ」
数年前と比べて酷く弱体化してしまった帝国軍が、必死に義務を果たそうとしていた。
●
「なんだよお前」
『なんだよお前』
リット と人馬 が睨みあっている。
授恵者と特異個体なので迫力は十分だがやっていることはにらめっこである。
「少年、いつまで遊んでいる。そこのケンタウロス殿もだ」
帝国軍士官が疲れた顔で制止する。
人類に敵対的なケンタウロスを避けつつここ まで辿り着くのは大変だった。
他のケンタウロスは気付いても気付かぬふりしていたとはいえ、魔獣の割に強すぎる個体や、大きさに強さが比例しないクリーパーが徘徊していて戦闘でも移動でも苦労ばかりだったのだ。
『ここからは『新生派』はいない。『古老派』もいないけど』
「おめーらひょっとして本拠地奪われてるのに内側で揉めてるのか?」
「リーット! 邪魔をするなら帰れ」
過去にケンタウロスから被害を受けた者も、今回の襲撃でケンタウロスにより身内を失った者も少なくない。
(気持ちは分かるがな)
帝国軍士官だって怒りを堪えている。
『これだけで攻める気か? 『左腕様』と呼ばれていた人間は空を飛ぶだけじゃないぞ』
中堅授恵者であるリットより強いケンタウロスが震えている。
思い出すだけでこうなるほど、恐ろしい存在なのだ。
「なあおっちゃん。こいつ何を言っているんだ」
言葉が全く通じないリットも、何か重要なことを言われているのは分かる。顔に侮りはなく、緊張している。
「ケンタウロスの通訳によると『左腕』というメドゥの指先がいるらしい」
「指なのに腕? 何かの洒落?」
「大幹部なのかもしれん。去年、サウゼル大樹海やゴールディで起きた騒動にも関与していたらしいぞ。例の……アダムとかいうゴブリンの背後に居たって話だ。『聖地』の攻略は冒険者の担当だが、こちらにも現れる可能性も0ではない。気を抜くな」
帝国南部から絞り出すようにして集められた戦力が、冒険者を支援するために囮や輸送に従事していた。
執筆:馬車猪