【魂禍】辺獄戦役〜火生の神と人造授恵者〜

ジャンヌ・アン

ボルガニスク、無事だったんだね……!? よかった、本当に……また、あなたに会えるなんて……!

ボルガニスク

……ふふ。どうやら私は、冒険者の力も見誤っていたようだ。神である私が、ヒトの子に命を救われるとはな。

ジャンヌ・アン

ホムンクルスの皆も洗脳がとけて、手当てしてもらってるみたい。これでもう安心……だよね? ……よぜふはどこにいったのかな。

ボルガニスク

……あのガキのことだ、また碌でもない事をしでかすに違いない。警戒を怠らぬよう、オルグレイや冒険者ギルドに伝えてくれ。

ジャンヌ・アン

うん、わかった。……ボルガニスク、眠いの?

ボルガニスク

……少し、な。さあ、仲間のところへ戻るといい。お前たちホムンクルスはもう、誰にも縛られることはない。――新たな生を、ヒトと共に生きるのだ。

「【魂禍】決戦:辺獄戦役」リプレイと特別褒賞・負傷者一覧が公開されました!
一定条件を満たしたキャラクターに称号「イダの刻印」が付与されました。

(後日、新種族「ホムンクルス」実装予定!)

assignment【魂禍】辺獄戦役〜火生の神と人造授恵者〜 特設ページ

シグモル火山の守り神、ボルガニスクの身に何かが起きたため、彼女が千年間封じ続けてきたクリーパーの封印が解かれてしまう。また、これと同時にシルトラース帝国の関係者の活動が報告され始める。
これらの事件に端を発する“辺獄戦役”は、やがてロスガリア全土の未来さえ揺るがしかねない大きな戦に発展してゆく……。

assignmentここまでの流れ

火生の神が力を失った事で、千年前のクリーパーが目覚める。
シルトラース帝国に所縁ある者の不穏な活動が報告され始める。
一見バラバラに見える数々の事件に対して、冒険者ギルドは多くの人員を割いて対処を試みる。
これらの裏側に存在するひとつの“悪”には気付かぬまま……。

(2022/1/16追記)
「火生の神ボルガニスクの力は、帝国皇帝ヨゼフ・バルダスにより奪われた」
「帝国過激派は辺獄の工房で人造授恵者『ホムンクルス』を量産している」
冒険者たちによる辺獄の調査、保護された少女ジャンヌ・アンら『ホムンクルス』達の証言、一連の事件に関連して姿を現した帝国過激派の言動により明らかとなった事実は、シグモルの民と冒険者ギルドを驚嘆させた。
皇帝は現在、長い眠りについているという。しかし、件の工房「フラスコ」は魔獣とクリーパーの争いにより危険地帯と化し、ホムンクルス達は生命の危機に瀕している。非人道的な行為により生み出されたホムンクルス達を救うため、シグモルの民と冒険者ギルドは再び冒険者達に依頼を出す。

(2022/2/14追記)
辺獄に潜り、ホムンクルスの保護を進めた冒険者ギルドと神徒達。それは「魂喰らう黒泥晶」の分け身たるクリーパー、魔獣、改造ホムンクルス、帝国過激派、メドゥの指先、そして保護対象であるホムンクルス達とすら対峙する泥沼の戦いだった。
その上、魔獣の魂を大量に取り込んだ「魂喰らう黒泥晶」は力を増していると考えられ、シグモルの民は長期戦を意識し始めていた。
だが、その時。辺獄に潜っていた神徒の一団が、眠っていたはずの帝国皇帝ヨゼフ・バルダスによって壊滅させられてしまう。辺獄の深部へと向かい、「魂喰らう黒泥晶」の力をも奪おうとしている皇帝の真の目的が分からぬ以上、足止めは急務だ。
一方、ボルガニスクはシグモル火山全体を『鎮魂効果をもつ巨大な神具』へと変える儀式を行い、「魂喰らう黒泥晶」の弱体化を図る。

(2022/3/15追記)
帝国皇帝ヨゼフの足止めは失敗した。ヨゼフと「魂喰らう黒泥晶」の交戦が近づく中、ボルガニスクは己の限界を超えて鎮魂の儀を継続する選択をした。
黒泥晶は蓄えた数多の魂をマトリクス界へ送られ、弱体化しつつある。彼の者がヨゼフに討ち取られたとしても収奪される力は本来のそれより減じられるが、それは現状における最良の結果ではない。
再度辺獄の最深部へと送られた冒険者達に課された大目標は「皇帝ヨゼフ・バルダスと黒泥晶を引き離し、ヨゼフより先に黒泥晶を討つ」ことだ。
しかし、彼らの前に帝国過激派の道化師アルルカンが立ち塞がる。ボルガニスクの力の一部を仮面の神具に収奪していた彼は、シグモル火山の大噴火を起こし国土を溶岩と火山灰に埋めると宣言した。
シグモル火山帯の命運は今、冒険者達の手に握られている。

assignment結果(2022/4/3追加)

辺獄へ赴いた冒険者達の作戦により、超大型クリーパー「魂喰らう黒泥晶」と皇帝ヨゼフ・バルダスの戦闘は中断。冒険者達は、皇帝の足止めと黒泥晶の討伐という困難な目標を見事に達成した。
同時に、道化師アゾット率いる帝国過激派のボルガニスク神殿襲撃も阻止。シグモル火山の噴火を企む帝国過激派アルルカンは討ち取られ、洗脳下にあったホムンクルス達は自我を取り戻した。その際、冒険者達はアルルカンが所持していた仮面の神具の奪取に成功。神の力を蓄えた神具はまさに燃え尽きようとしていた火生の神ボルガニスクの元へ運ばれ、彼女の消滅を寸前で防いだ。

person_pin関連NPC

シグモル火山を守護する地上最後の神。
アイスクリームが好物で脳筋。

《本連動での動き》

 帝国皇帝ヨゼフ・バルダスとの戦いに敗北し、力を奪われた。
ボルガニスクの力が弱まった事で、彼女が辺獄に封じたクリーパー「魂喰らう黒泥晶」が動き出す事になった。
皇帝ヨゼフが黒泥晶の力をも収奪せんと動いたことを受けて、黒泥晶の力を削ぐための「鎮魂の儀」を行った。冒険者の行動により消滅を免れ、力を取り戻すための深い眠りにつこうとしている。

ハーフリングの特徴をもつホムンクルスであり、どこか人形じみた印象を与える少女。右の眼球を透き通った緑色の「賢者の石」に置き換えられている。

《本連動での動き》

辺獄にあるアルルカンの工房「フラスコ」から脱走し、冒険者に保護された。
 彼女の証言は、辺獄における一連の事件に帝国皇帝と帝国過激派が関与していること、保護すべき人造授恵者『ホムンクルス』が多数存在していることを決定づけた。
冒険者と共に辺獄へ赴き、「フラスコ」での戦いに参加した。

かつての帝国で「実力派」とも呼ばれていた「帝国過激派」の筆頭に立つ人物。長年、宮廷道化師を務めていた。
道化服を着たエルフの男で、本名は不明。かつて「テオフラストス・ホーエンハイム」を名乗っていたが、現在は「アルルカン」と名乗っているようだ。

《本連動での動き》

辺獄の工房「フラスコ」で人造授恵者『ホムンクルス』を量産し、鞭の神具で洗脳していた。
仮面の神具でボルガニスクの力を一部収奪し、その力を用いて火山噴火を起こすことでシグモル火山帯に甚大な被害を与えようとしたが、冒険者により撃破される。

シルトラース帝国現皇帝。帝国崩壊に際し死亡したとみられていたが、帝国過激派およびジャンヌの証言により生存が明らかとなった。

《本連動での動き》

ボルガニスクとの戦いに勝利し、神の力を奪った。人の身に余る力を得た代償として一年は目覚めぬほどの深い眠りについたと言われていたが、辺獄に姿を現し、超大型クリーパー「魂喰らう黒泥晶」の力をも得ようとしていた。黒泥晶が冒険者に撃破されたことを確認し、辺獄を去った。

シグモル火山帯において最も古く、最も厳格な宗教一派である【ボルガニスク神殿】の長で、火山帯全体の意見調整を担う神議長官。

《本連動での動き》

ボルガニスクの求めに応じ、辺獄における一連の事件解決のために冒険者ギルドと協調した。

元メドゥの指先幹部「緑の親指」であり、現在はゴールディ最大のマフィア「ブラックデス」に籍を置くゴブリンの少年。影を渡る瞬間移動など稀な能力を有する授恵者。

《本連動での動き》

自身の希望によりシグモル火山帯へ救援に駆け付けた。冒険者と共に「魂喰らう黒泥晶」の対処を行った。戦後処理もそこそこにゴールディへ帰還したようだ。

ゴールディ最大のマフィア「ブラックデス」で幹部を務めるゴブリナ。一般のキャスターと同系統の魔法のほか、攻撃魔法としての「消えない炎」を操る授恵者。

《本連動での動き》

アダムの希望とドン・ゴーフルの意向に沿い、シグモル火山帯へ救援に駆け付けた。戦後処理もそこそこにゴールディへ帰還したようだ。

menu_book関連用語・情報

辺獄

今回の連動の主な舞台のひとつ。
シグモル火山の地下に広がる特定の広大な空間を指す。基本的には鉄の扉で閉ざされ、何者も立ち入る事を許されない。
遠い昔に起きた地殻変動によって、もともと地上だった場所が地底深くに沈んでしまった際に出来た。
これに巻き込まれた動植物たちの一部が魔獣化して地底の環境に適応し、独自の進化を遂げた結果、地上とは一線を画する過酷で原始的な空間となった。
のちにこの空間を発見したシグモルの民によって名付けられている。

超大型クリーパー「魂喰らう黒泥晶(旧名:とっとと死ね太郎)」(2022/4/3更新)

三世紀(約千年前)の頃にシグモル火山に出現した極めて異質なクリーパー。
歴史の上ではボルガニスクに倒されたと語られているが(ワールドガイドを参照)実際には彼女ですら倒し切れない程の絶大な力を持つクリーパーだったため、辺獄に封印されていた。
ボルガニスクによると、魂を鹵獲する、入手した魂の持ち主の姿や能力を模す、などの特徴的な性質を持ち、魂を喰らうほど力を増していくらしい。
現在は辺獄の魔獣を襲い、その魂を集めて力を高めている最中。
その性質からすると、放置すれば誰にも手が出せない怪物に成長すると見られている。
自らの身体の一部を分離させ、蓄えた魂をそこに宿すことで、魂が宿っていた元々の肉体・能力を模した「分け身」を作り出す事もできる。
(2022/4/3追記)
ボルガニスクの鎮魂の儀と冒険者達の猛攻により撃破された。

帝国過激派(2022/4/3更新)

シグモル火山の異変と同時期に活動が活発化している集団。筆頭であるアルルカンの工房「フラスコ」が辺獄内で発見されている。
母体は帝国崩壊前から存在しており、当初は『実力派』と呼ばれていたが、帝国滅亡の直前にその思想の危険性から過激派と呼ばれるようになっていた派閥。
帝国によるロスガリアの支配を目的とし、その為には一切の手段を選ばないため恐れられていた。
そのトップは長年宮廷道化師を務め続けていたエルフの男だという噂があったが……。

ホムンクルス(2022/4/3更新)

帝国過激派アルルカンの工房「フラスコ」で製造されている人造授恵者。
人間の魂に強い恐怖や絶望を与えた上で殺害する事で魂のリミッターを外させ、再び肉体に魂を定着させる事で製造できる。この際、肉体側の頭部に『賢者の石』を埋め込む必要がある。
アルルカンら帝国過激派はこの条件を満たすため、人々を攫ってはその全員に非人道的な行いをした上で殺害し、ホムンクルスとして蘇らせている。
ホムンクルスはアルルカンの持つ神具で洗脳されており、アルルカンの命令に従う。洗脳は該当の神具を破壊するか、本人が「希望」を感じる事で解除できるとされている。
洗脳により発語や感情を失っている者が多いが、神具の効果には個人差があり、会話が可能な者や未洗脳の者もいるようだ。
(2022/4/3追記)
アルルカンが所持していた鞭の神具が破壊されたことにより、全てのホムンクルスは洗脳が解除された。人としての形を留めぬ改造ホムンクルスは正気を失っていたが、それ以外の生き残りは一旦ボルガニスク神殿に集められており、今後は冒険者ギルドが彼らを保護する方針で話が進んでいる。

賢者の石(2022/1/16追加)

超大型クリーパー「魂喰らう黒泥晶」が捕食した魂が圧縮され結晶化したもので、辺獄で採掘できる。元々は無色透明だが、ホムンクルス製造の際に肉体に埋め込み、魂を定着させると色や形を変える。

フラスコ(2022/4/3更新)

辺獄にあるアルルカンの工房。アリの巣状に広がる横穴を利用したものであり、工房ではあるが穴倉に家具や器具を設置しただけのもの。魔獣除けの魔法などが施されており、紋具によって温度も不自由のないところで保たれているようだ。内部は非常に広く、複数の部屋ごとに小分けにされている。
多数のホムンクルスがここに収容されているとみられ、番人として置かれているホムンクルスもいるらしい。
現在は魔獣やクリーパーの侵入が始まり、危険な状態にある。
(2022/4/3追記)
アルルカン討伐後の調査により、彼が行っていたホムンクルスを生み出すための研究の記録などは一切残されておらず、重要設備があったとみられる部屋は人為的な崩落により調査不能となっていることが判明した。

「ボルガニスク様」

 篝火に照らされた舞台の上、瞼を閉じて祈り続ける少女に向けて。
 地に膝をついた神議長官オルグレイは、静かに告げた。

「――黒泥晶が、冒険者により討ち取られました」

 顔を伏せ、柄にもなく肩を震わせる老人の背後では、幾人もの冒険者達と神徒が少女を見つめている。

「……そうか」

「――ボルガニスク様!?」

 その身を焦がす蒼焔が消え失せると同時、ボルガニスクは舞台の上に崩れ落ちる。血相を変えて駆け寄り助け起こした神徒の腕の中で、彼女は力なく笑っていた。

「……案ずるな。私は消えんさ。冒険者達のお陰でな」
 ボルガニスクの右手が手繰り寄せたのは、罅(ひび )割れた道化の仮面(神具 )。アルルカンがそれに蓄えた神の力は、冒険者達の機転により皮肉にもボルガニスク本人の元へと還り、彼女の消滅は寸前で食い止められた。
「よもや、ボルガニスク様のお命まで助かろうとは。……冒険者とは、斯くも力ある存在でございましたか」
 超大型クリーパー「魂喰らう黒泥晶」、帝国皇帝ヨゼフ・バルダス、アルルカン、ボルガニスクの暗殺を企てたアゾットら帝国過激派――シグモル火山帯を恐怖に陥れたそれらの者達は、冒険者の手によって撃破、あるいは退けられた。
 それどころか、冒険者達はただの一人も欠けることなく辺獄から帰還するという。
 彼らの力と成長速度は、オルグレイ達の想像を遥かに超えていた。
「ですが、皇帝ヨゼフめは行方を眩ませたとのこと。彼の者はボルガニスク様の力を身に宿したまま……果たして次は、」

「――オルグレイよ。人は、神に成ると思うか」

「……どのような意味でございましょう」
 己の言葉を遮るようにして唐突に放たれた、女神の問い。その意味を図りかねたオルグレイだが、努めて冷静に問い返した。

「人は時として人を超える。そして神と成り、世界の理を変えるのだ。……思い当たることはあるだろう」
「――……」

 オルグレイは押し黙り、ただ目の前の女神へと視線を送り続ける。
 ヒトを超えし者。超越者。神代から伝わる逸話の中で、幾度か書き換えられた世の理。
 人が神と成る――女神は今、何を言わんとしているのか。

「つまりボルガニスク様は、あのヨゼフめがいずれ人の領域を越え、神と成る……と?」

「……ふふ。もう一つ、面白い事を教えてやろう。皇帝ヨゼフ(あのガキ )は神に上がれない。……それも、この世界の理だ」

 ――おいおい、ヒトの世に手と口を出し過ぎるなよ。

 にぃっ、と薄く笑ったボルガニスクの耳に、ヒトには聞こえぬ声が響いた。

 ――お前さんは良くても、俺がやりにくくなるじゃねぇか。

 (堅い事を言うな。世が変わろうとしておるのだ。北のアレのように、それが分からぬ男でもあるまい? ……この大地を守るアレがどうなったか、知らぬわけでもないだろう)

 急に黙り込んだ自分を不思議そうに見つめるオルグレイ達に再び微笑を送り、ボルガニスクは舞台の下へと視線を遣る。
 アルルカンの支配(洗脳 )から解き放たれ、何が起きたか呑み込めていない様子のホムンクルス達もまた、呆然とした表情をボルガニスクの方へ向けていた。

 ●
「そうですか。ボルガニスクさんは、お休みに……」
 リブラネスタから派遣されてきた冒険者ギルド本部職員のリーミルは、オルグレイと神徒達の話を聞いて神殿の奥へと続く廊下に目を遣った。
 消滅を免れたとはいえ、女神ボルガニスクの消耗は激しい。ある程度の力を蓄えるまで、眠り続けなければならないという。
「ボルガニスク様がこの世に顕現されているだけでも、我らの心は救われる。お目覚めになるまで、この神殿でお守りせねばならぬ。……して、アナンディーン殿。例の件は」
「はい、そちらの書状の通りに。ホムンクルスの移送手段については、ゴールディの協力によりビッグオウムも確保できました。早急に、彼らをリブラネスタへ移します」

 声をかけられて進み出たのは、リーミルと共に派遣されてきたアナンディーンだ。オルグレイの手元にある冒険者ギルド本部長からの書状には、現在ボルガニスク神殿に集められている人造授恵者ホムンクルス達を冒険者ギルドの保護下に置く旨の提案が書かれていた。

「……願ってもない申し出だ。封印の解かれた辺獄からは、未だ魔獣どもが這い出しておる。神徒も神官らも、当分はその対処に駆け回らねばならぬ。彼の者達は人造とはいえ授恵者――冒険者ギルドに預けるが良かろうと、神議会も申しておる」
「素敵な仮住まいも手配済みですよ。ホムンクルスの皆さんの冒険者登録も、本人が希望すれば可能になる予定です!」
 笑顔で『仮住まい』となる宿のイラストを見せるリーミルに、オルグレイは白髭の奥で口元を緩めた。

「彼ら(ホムンクルス )は一度、生を奪われた哀れな迷い子。我らシグモルの民も、彼らの新たな生が幸多きものとなるよう、支援は惜しみませぬ」

 ●
「シグモルの神議会は、皇帝ヨゼフ・バルダスの蛮行について帝国……レイウェスト皇子らへ正式に抗議するつもりのようですね。当然といえば当然ですが」
「ヒヒヒ……皇子はエーテル石ノ提供、スルんダロ?」
 ゴールディへ帰るビッグオウムの背上。ドン・ゴーフルへの報告内容を考えながら両の眉を寄せるサチコに対し、アダムは何時になく上機嫌だった。
「冒険者発案の、ですね。もしかするとボルガニスクを目覚めさせる一助になるかもしれませんが……帝国もシグモルも、エーテル石の使い方が全くわかっていないようですから」
 どうなることでしょうね。と振り返った先でアダムの笑顔を目にし、胡乱げな表情を浮かべるサチコ。

 突然シグモルへ救援に行きたいと言い出したのはアダムだが、サチコにはその理由が理解できない。シグモルにまだ貸しを作っていなかったドン・ゴーフルは快諾したが、 今のアダムが自発的に何かをしたいなどと――サチコは、何か不吉なものを感じてすらいた。

 だから、ついて来たのだ。

「現皇帝とレイウェスト皇子。彼らが今後どう動くか……私達(ゴールディ )も注視する必要がありますね」
「……そうダナ。皇帝は、邪魔ダ」


「……――様の、敵」


 執筆:アルパカコネクト運営

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0