【聖祭】聖霊節2021~金の灯、蝶の夢~

サイラス
ってか、1月もう終わるん? そういや、あの変な夢みるろうそく……キャンドルみたいな? アレ、どうなったのかね~?
ローザリカ・L・ディオール
調査しようとしたら眠ってしまった、あのキャンドルのことかい? あれは――不思議な体験だったね。
サイラス
結構楽しかったけどね。ま、聖霊節には「みつろういち」にも行けたし、今年もいろいろ作って過ごすわ。
ローザリカ・L・ディオール
あ……ああ、あの「みつろういち」か。そうだね、今回の聖霊節は僕もいろいろと楽しめたよ。そういえば、さっき踊る小熊亭で見かけた一団は遅い新年会かな? 職人通りの売り子と『神匠』と……受付係と『預言の魔女』もいたようだね。
サイラス
へぇ、そのメンツで飲むことあるの? 何の話だろねー?
1221年の「聖霊節」はこれにておしまいです。
本年もアニエピカをどうぞよろしくお願いいたします。
assignment 【聖祭】聖霊節2021~金の灯、蝶の夢~
聖霊節2021連動は、新歴1221年の聖霊節の時期に起きた一連の事件である。
世間的に見れば何番煎じかもわからぬありふれた事件。だが当事者にとっては特別な思い出になる冬が来る――かもしれない。
assignmentこれまでの流れ
聖霊節とは、伝説の英雄『ジド・ルウ』と名もなき小さな神々の偉業を讃え、あるいは祖先や近しい人への祈りを捧げる冬の行事である。
今年も街や家庭にモミの木が飾られ、特別なごちそうが準備される時期がやってきた。
多くの者は暖かい暖炉の前で、家族や恋人、友人たちと冬の祭りを祝うだろう。
しかし今年は激動の一年だった。大陸各地で起こった事件の影響のために、普段通りに冬を越せない者もいるかもしれず……。
今年も恋人たちを祝福するイベントや街の特色を活かした企画が次々と催された。
ドゥジン信徒たちの礼拝の締切が過ぎ、年の瀬もいよいよ近づいたある朝のこと。
目覚めたら枕元に不思議なろうそくが置かれていたという事件が大陸中で多発した。
assignment結果
1221年12月から年始にかけての聖霊節では、ロスガリア大陸全土で特別な催しや慈善事業が行われた。それに伴い数々のトラブルも発生したようだが、冒険者たちの手によって見事解決。
不思議な夢を見せるろうそくは出所不明のまま、1月半ばに跡形もなく消え失せた。巷では「ジド・ルウの贈り物だったのでは」と噂になっているらしい。
person_pin関連NPC
冒険者御用達のとあるショップの敏腕店員。目つきの悪さや強気な言動とは裏腹に冒険者のサポートは手厚いミスツンデレ。ひそかに美容に興味があり、とある都市の名産品である「百合茶」を愛飲しているそう。
《本連動での動き》
聖霊節。ポピーにとっては「狩り」の季節だ。今年こそはと気合いを充填したのもむなしく、見事玉砕。しかし、運命の悪戯により参戦したリーンエス王国南西部での戦いで暴風のような破壊っぷりを披露し、無事にストレス解消できたようだ。
《授恵者》たちが振るう特殊な武器の作成を一手に担う鍛冶師。扱いの難しい《授恵者》の武器や防具の製作・調整に人生を捧げた結果、鍛冶のみならず、木工、裁縫、彫金など様々な分野に精通し、それぞれの分野の高弟を多数抱えている。
《本連動での動き》
聖霊節。ドワーフにとっては毎日のように酒を飲む口実がある素晴らしい季節だった。何だかんだポピーの機嫌がよくなったので安心している。
menu_book関連用語・情報
聖霊節(ユールフェス)
聖霊節の由来は、ハーフリングの英雄、『ジド・ルウ』が、その身をエーテルと成して世界に穿たれた大穴を塞いだことによる。
その挺身は、微々たる効果しかもたらさなかったが、ジド・ルウに小さな神々が続いたことが、マテリアル界への大型クリーパーの侵入を激減させ、今日の平和の礎となった。
ジド・ルウと、名を失った神々がそれを成させしめたのが、12月――というわけではない。
当時は現代の『新暦』、つまり暦が無かった。神代における『冬の時代』という比喩表現を、12月と解釈したという説が根強い。収穫祭を終え、冬に閉ざされた時節に祝い事がある、というのもヒトの営為としてちょうど良かったのだろう。
ともあれ、ロスガリア大陸ではこれらの冬の催しを、『ユール』、あるいは『ユールフェス』と呼ぶ。
『ユール』という言葉そのものの意味を冬の祭り、あるいは冬至とする説もあるが、これは違う。ジド・ルウの渾名こそがその由来である。ジド・ルウが、自らの名を「呼びにくいから」という理由で渾名として周囲に伝えたのが、『ジュール』あるいは『ユール』であった。
由来はさておき、ジド・ルウの英雄的行為を称え、名を失った神々に祈りを捧げることから始まった聖霊節は、様々な土地の風習や営為と重なった結果、亡き祖先や、近しい人々への思いを捧げるようになったのだ。特別信仰心の無いものであっても、神殿や家庭でモミの木や柊を飾り立てて祈りを捧げたり、街をあげて催しを行い、厳しい冬の中でもとっておきのごちそうを食すこの時期は、収穫祭に続く特別な時期となる。
不思議なキャンドル
朝起きたら枕元に置かれていた蝶の模様が入った金色の不思議なキャンドル。
火をつけると、急に眠くなって5〜15分ほど眠ってしまい、なぜかその間に不思議な夢を見る。
理由はわからないが、複数名で集まって火をつけなければ効果があらわれないようだ。
テラリウムのランタン
【大変動】の折、サウゼル大樹海で発見された新素材『ヒカリゴケ』を使用したテラリウム。
とある冒険者の熱意と知識により考案された。
モニターがてら祭りを彩る明かりとして『神匠』ヴィンダールヴルより貸し出しされている。
瓶の中に寄せ植え的にヒカリゴケの生育環境を再現したもの。素人の世話では枯れて光を失うまでに3日ほど。また、瓶から出せばすぐに茶色くなり光量も減ってしまう。
瓶に着色したり、外装のデザインにこだわるなどして柔軟な運用が可能。
絵画神ドゥジン
絵画の神『ドゥジン』は“絵の神”“記憶の神”“文筆の神”“表現の神”などが統合されたもので、信徒は石や紙に絵物語をしたためる。彼らは主に旧き言い伝えを後世に残すためにその筆を振るうが、時折、偉大なる神々や音に聞こえし英雄を、やたらと可憐な姿で描画したり、同性同士での恋愛劇を創作したりする事もあり、その所業が判明した際には不敬であるとして他の信徒から怒られている(こういった書物は神にならって“ドゥジンシ”と呼ばれる)。
水上都市アキュアリスタ
ロスガリア大陸北東、辺境都市郡の遺跡都市の1つ。
紀元前より存在するとされる広大な湖内部に沈んだ遺跡部と、遺跡の中でも大きい建造物の最上部を利用して作られた行政区などの中心部、遺跡上に建築したり浅瀬を埋め立てることで建造された外縁部からなる。
都市内は徒歩での移動も可能だが、ボートでの移動もよく利用されている。同都市では冬季に行われる『水神祭』が最も知られている。原因は不明であるが、湖は1年に1度、冬季に大きく水位が下がり、遺跡の外観の一部が明らかになると同時に遺跡への進入が可能となる。
この時期は冒険者、研究者、加えて、その景観を見ようと観光客が押し寄せる時期であり、『水神祭』は彼らをターゲットとした、大陸全土で見ても最も大きな祭りの一つである。なお、遺跡自体は強固な素材で建築されており、破壊による遺跡調査や資材採集が困難であることから、長年に渡り探索・研究の対象となっている。現状確認されている遺跡内部への入り口は都市中心部の深層に1つのみであることも手伝い、調査用・探索用に遺跡を開放する際の利用料は同都市の貴重な収入源となっている。
遺跡は巨大な石材を組み合わせて作られており、巨大な基部と、そこから様々な方向に伸びる直方体様の構造物が組み合わさったような形をしている。
水位が下がった際に見ることができる威容はこの世のものとは思えない景観であること、夜間はその外壁の紋様が明るく発光することから、観光客の人気も根強い。
1月も終わりが近づき、新年の賑わいもすっかり落ち着いた頃。
冒険者ギルド直営の酒場『踊る小熊亭』の一角には、特大ジョッキの中身を豪快に一気飲みしているポピー・アルルンの姿があった。
「アナンディーン先輩ったら、あんなに怒らなくてもいいと思うの! 確かに、偽結婚式を本物の結婚式の依頼と間違えたのは……リーミルが悪いけどぉ~~」
その隣では、先輩のアナンディーンに半日かけて説教された冒険者ギルド受付係、リーミルが8杯目のジョッキを空けている。
リーミルの勘違いから遠路はるばるリーンエス王国まで結婚式に参列し に行き、現地職員の手違いでキメラゾンビ生産工場の破壊に回された2人。ポピーは昨年末の失恋を忘れるほどの大暴れ ができたようだが、業務上あり得ないミスが発覚したリーミルの方は大目玉を食らう結果になってしまったようだ。
「まあまあ、そうしょげるでない。……しかし、この年末年始も色々なことがあったのじゃ。わらわ達の元にも問い合わせが来た例のろうそく――あれは結局どうなったのじゃ?」
リーミルの肩を抱くようにして慰めていたオペラが水を向けたのは、向かいに座る『神匠』ヴィンダールヴルだ。最近ハマっているという“熱燗”をチビチビやっていた彼は、問われてしばし、首を傾げる。
「起きたら枕元に置かれてたってぇ、例の出所不明のろうそくかぁ? 火を点けたら妙な夢を見るって話の……」
「ああ~、それね。アタシも気になってたわ。で、ろうそくを置いてた犯人は見つかったの?」
ジョッキをドン! とテーブルに置いて振り向いたポピーに、ヴィンダールヴルは首を傾げたまま片手を振った。
「いや、何もわかっちゃいねぇ。……なんでも、年が明けてしばらくしたら、新たなろうそくが置かれたって話がパタッと出なくなったらしいぜ。その上、火を点けずに保管していたろうそくも、まるで煙みてぇに消えてなくなっちまったそうだ」
「それは不思議な話じゃのう。一体誰が、何の目的で……さっぱりわからぬのじゃ」
オペラも同様に小首を傾げ、片手に持ったエールを一口。
昨年末から年始にかけて、大陸全土を騒がせた不思議なろうそく。
複数人集まって火を点ければたちまち眠気に襲われ、夢を見るという代物だ。
闇堕ちを誘う夢や死者と語らう夢、子どもになってしまう夢。
幻想の世界や、まるで別の世界で生きているかのような夢。
もしかしたら起きていたかもしれない、もう一つの結末を示す夢。
聖霊節 中止か継続かを巡って衝突する夢。
薄い本を落とす亜人達や語らずの智者 、放蕩王子 らが大暴走する夢。
冒険者たちが見たという不思議な夢の報告書を引っ張り出して、リーミルは思わず笑みをこぼした。
「ギルドに寄せられた噂だと、『ジド・ルウの贈り物』なんて言われてるらしいの」
「ジド・ルウの? そいつぁ面白れぇな。……ま、誰が怪我したとかって話じゃねぇ。伝説の英雄の粋な計らいってことにしとこうや」
「――世の中には、理屈では説明できぬこともあるのじゃ。夢ということなら、ジド・ルウではなく、わらわの神様からのプレゼントかもしれぬぞ?」
「消えてなくなるなんて、勿体ないわねぇ~。もしアレを量産できたら、絶対売れると思ってたのに」
被害らしい被害が報告されていないということで、冒険者ギルドとしても例のろうそくに関する調査はもう行わない方針らしい。
4人はテーブルを囲んでワイワイと談笑し、話題は12月の聖霊節へと移る。
「ジド・ルウといえば聖霊節! 去年もすっごく盛り上がったみたいなの~」
「12月から年始にかけて、色んなイベントが行われたようじゃな。わらわの初夢は予知夢であったが……」
「えぇ~? どっかの村が襲われて……とかそういう夢? 大変ねぇ」
「ヒュー! 売れっ娘預言者は年始から引っ張りだこってか。お前さん、ちぃっと休んだ方がいいぜ」
軽口を叩きながら、報告書の束をめくり始めるヴィンダールヴル。目次には、大陸中で行われたイベントの記録や聖霊節ならではの依頼が数十件も並んでいた。
ある者達は、恋人とのデートや友人との観光を楽しみ。
ある者達は、賑やかなパーティーや催し物に参加し。
ある者達は、悩める者達の問題を解決し、助け。
ある者達は、ドゥジン教の活動と礼拝に精を出した。
報告書の舞台も、都市同盟からリーンエス王国、フィルエス大森林、辺境都市群まで、ほぼ大陸全土に及ぶ。4人が覗き込むその紙束には、このロスガリア大陸で暮らす人々と冒険者達が思い思いに過ごした聖霊節の記録が、生き生きと綴られていた。
「今年もきっと、わらわは沢山の夢を見る。止めねばならぬ悲劇は無数に待ち構えているじゃろう。――今年も、精いっぱい頑張るのじゃ」
「そうなの。昨年も色々なことが起きたの。悲しいことも、恐ろしいことも……。今年はもっともっと頑張って、冒険者さんと一緒に、みんなが笑って暮らせる世界を目指すの!!」
「言うじゃねぇか。だったら、俺も新しい武具や道具の開発に精を出すとするか」
杯を掲げ、それぞれ今年の目標を口にするオペラ、リーミル、ヴィンダールヴルの3人。
その視線の先に居る4人目――ポピーの想いは、ただひとつ。
「そうよ! 今年も頑張りましょう !!」
執筆:アルパカコネクト運営