【聖祭】聖霊節2021~金の灯、蝶の夢~

エヴァン・ピネオロ


寒いですねー……吐く息が白いです。

アルマ・ヴァレンタイン


毛布はエヴァくんが使ってていいよー。もうすぐスープができるから。

エヴァン・ピネオロ


それだとアルマが寒いです……具材が煮えるまでこうしていましょう。

アルマ・ヴァレンタイン


わっ、あったかーい!

エヴァン・ピネオロ


来年も、アルマとこんなふうに過ごしたい……です。
大陸各地で、不思議なキャンドルや年末年始のイベントが話題を集めているようです――
(12月27日より 【聖祭】連動シナリオリリース開始!)

assignment 【聖祭】聖霊節2021~金の灯、蝶の夢~

聖霊節2021連動は、新歴1221年の聖霊節の時期に起きた一連の事件である。
世間的に見れば何番煎じかもわからぬありふれた事件。だが当事者にとっては特別な思い出になる冬が来る――かもしれない。

assignmentこれまでの流れ

聖霊節とは、伝説の英雄『ジド・ルウ』と名もなき小さな神々の偉業を讃え、あるいは祖先や近しい人への祈りを捧げる冬の行事である。
今年も街や家庭にモミの木が飾られ、特別なごちそうが準備される時期がやってきた。
多くの者は暖かい暖炉の前で、家族や恋人、友人たちと冬の祭りを祝うだろう。
しかし今年は激動の一年だった。大陸各地で起こった事件の影響のために、普段通りに冬を越せない者もいるかもしれず……。
今年も恋人たちを祝福するイベントや街の特色を活かした企画が次々と催された。
ドゥジン信徒たちの礼拝の締切が過ぎ、年の瀬もいよいよ近づいたある朝のこと。
目覚めたら枕元に不思議なろうそくが置かれていたという事件が大陸中で多発した。

person_pin関連NPC

冒険者御用達のとあるショップの敏腕店員。目つきの悪さや強気な言動とは裏腹に冒険者のサポートは手厚いミスツンデレ。ひそかに美容に興味があり、とある都市の名産品である「百合茶」を愛飲しているそう。

《本連動での動き》

聖霊節。ポピーにとっては「狩り」の季節だ。今年こそはと気合いを充填したのもむなしく、見事玉砕。ポピーのメンタルはここ十年で最高の荒れ具合と言われているとかいないとか。

《授恵者》たちが振るう特殊な武器の作成を一手に担う鍛冶師。扱いの難しい《授恵者》の武器や防具の製作・調整に人生を捧げた結果、鍛冶のみならず、木工、裁縫、彫金など様々な分野に精通し、それぞれの分野の高弟を多数抱えている。

《本連動での動き》

聖霊節。ドワーフにとっては毎日のように酒を飲む口実がある素晴らしい季節だ。事情はわからないが、ポピーの機嫌のアップダウンが激しすぎて、納品の際にビクビクしている。

menu_book関連用語・情報

聖霊節(ユールフェス)

聖霊節の由来は、ハーフリングの英雄、『ジド・ルウ』が、その身をエーテルと成して世界に穿たれた大穴を塞いだことによる。
その挺身は、微々たる効果しかもたらさなかったが、ジド・ルウに小さな神々が続いたことが、マテリアル界への大型クリーパーの侵入を激減させ、今日の平和の礎となった。
ジド・ルウと、名を失った神々がそれを成させしめたのが、12月――というわけではない。
当時は現代の『新暦』、つまり暦が無かった。神代における『冬の時代』という比喩表現を、12月と解釈したという説が根強い。収穫祭を終え、冬に閉ざされた時節に祝い事がある、というのもヒトの営為としてちょうど良かったのだろう。
ともあれ、ロスガリア大陸ではこれらの冬の催しを、『ユール』、あるいは『ユールフェス』と呼ぶ。
『ユール』という言葉そのものの意味を冬の祭り、あるいは冬至とする説もあるが、これは違う。ジド・ルウの渾名こそがその由来である。ジド・ルウが、自らの名を「呼びにくいから」という理由で渾名として周囲に伝えたのが、『ジュール』あるいは『ユール』であった。
由来はさておき、ジド・ルウの英雄的行為を称え、名を失った神々に祈りを捧げることから始まった聖霊節は、様々な土地の風習や営為と重なった結果、亡き祖先や、近しい人々への思いを捧げるようになったのだ。特別信仰心の無いものであっても、神殿や家庭でモミの木や柊を飾り立てて祈りを捧げたり、街をあげて催しを行い、厳しい冬の中でもとっておきのごちそうを食すこの時期は、収穫祭に続く特別な時期となる。

不思議なキャンドル

朝起きたら枕元に置かれていた蝶の模様が入った金色の不思議なキャンドル。
火をつけると、急に眠くなって5〜15分ほど眠ってしまい、なぜかその間に不思議な夢を見る。
理由はわからないが、複数名で集まって火をつけなければ効果があらわれないようだ。

テラリウムのランタン

【大変動】の折、サウゼル大樹海で発見された新素材『ヒカリゴケ』を使用したテラリウム。
とある冒険者の熱意と知識により考案された。
モニターがてら祭りを彩る明かりとして『神匠』ヴィンダールヴルより貸し出しされている。
瓶の中に寄せ植え的にヒカリゴケの生育環境を再現したもの。素人の世話では枯れて光を失うまでに3日ほど。また、瓶から出せばすぐに茶色くなり光量も減ってしまう。
瓶に着色したり、外装のデザインにこだわるなどして柔軟な運用が可能。

絵画神ドゥジン

絵画の神『ドゥジン』は“絵の神”“記憶の神”“文筆の神”“表現の神”などが統合されたもので、信徒は石や紙に絵物語をしたためる。彼らは主に旧き言い伝えを後世に残すためにその筆を振るうが、時折、偉大なる神々や音に聞こえし英雄を、やたらと可憐な姿で描画したり、同性同士での恋愛劇を創作したりする事もあり、その所業が判明した際には不敬であるとして他の信徒から怒られている(こういった書物は神にならって“ドゥジンシ”と呼ばれる)。

水上都市アキュアリスタ

ロスガリア大陸北東、辺境都市郡の遺跡都市の1つ。
紀元前より存在するとされる広大な湖内部に沈んだ遺跡部と、遺跡の中でも大きい建造物の最上部を利用して作られた行政区などの中心部、遺跡上に建築したり浅瀬を埋め立てることで建造された外縁部からなる。
都市内は徒歩での移動も可能だが、ボートでの移動もよく利用されている。同都市では冬季に行われる『水神祭』が最も知られている。原因は不明であるが、湖は1年に1度、冬季に大きく水位が下がり、遺跡の外観の一部が明らかになると同時に遺跡への進入が可能となる。
この時期は冒険者、研究者、加えて、その景観を見ようと観光客が押し寄せる時期であり、『水神祭』は彼らをターゲットとした、大陸全土で見ても最も大きな祭りの一つである。なお、遺跡自体は強固な素材で建築されており、破壊による遺跡調査や資材採集が困難であることから、長年に渡り探索・研究の対象となっている。現状確認されている遺跡内部への入り口は都市中心部の深層に1つのみであることも手伝い、調査用・探索用に遺跡を開放する際の利用料は同都市の貴重な収入源となっている。
遺跡は巨大な石材を組み合わせて作られており、巨大な基部と、そこから様々な方向に伸びる直方体様の構造物が組み合わさったような形をしている。
水位が下がった際に見ることができる威容はこの世のものとは思えない景観であること、夜間はその外壁の紋様が明るく発光することから、観光客の人気も根強い。

●
 ポピー・アルルンは敏腕ショップ店員である。
 元は流しの冒険者である。
 種族はハーフリング。
 エラトゥーン都市同盟では珍しい種族ではないが、十歳前後で成長が止まるという特徴がある。
 他の種族から見ると成人したあとであっても子供のように見えてしまうため、侮られることが多い。しかし外見と違って精神のほうは加齢と共に成熟していく。
 そのような事情から、大人のハーフリングはスレた性格になりがちだと言われている。
 彼女もまたそんなハーフリングらしく、スレた少女時代を過ごしていた。
 しかし現在は、縁あってとあるショップのオーナーに才覚を見いだされ、リブラネスタで売り子の仕事をしている。

 年齢は二十五歳。
 一三五センチで痩身という体格と、目つきの悪さと強気な言動から、生意気な少女にしか見えないポピーであるが、二十五歳である。結婚適齢期である。
 百合茶を飲んでみたり、この夏は大人っぽいセパレートの水着に挑戦してみたり、いろいろやった。
 しかし素敵な出会いなどなかった。
 ……ついこの間までは。

 最近このあたりの担当になったらしい配達員の彼。
 名前は知らない。ポピーの店が取引している業者の人ではない。
 店先の掃除をしていたポピーが落としたハンカチを拾ってくれた。そんなベタすぎな出会い。
 ろくに話したことはない。数日に一度、通りかかるのを見かけるだけの関係。
 それでも、ただそれだけでポピーは掃除の時間が楽しみになった。

 そんなわけで、ポピーがそわそわしながら雪かきをしていたある休日のこと。
(今日は配達はきっと休みだろうけど……もしかしたら)
 世間は休みでも、接客業に休みはない。かすかな期待を胸にポピーはシャベルを動かしていた。
 すると、ポピーが見ている前で、踏み固められた雪に小さな少年が足を滑らせた。
「おやおや、アンタ大丈夫? まったく、気をつけないと危ないでしょうが。どこか痛むところはない?」
 ポピーは生意気に見えて面倒見のいい性格である。口は立て板に水を流すようにしゃべりながら、少年を立たせて怪我がないかすかさず全身チェックする。
「すみません! ありがとうございます」
 しばらくすると少年の保護者らしき女性が駆け寄ってきて、ぺこぺこと謝った。
「あらあきれた! アンタ、お母さんとはぐれてたの!? せっかくの聖霊節だっていうのにお母さんを心配させちゃダメじゃない。これに懲りたらちゃーんと手をつないで歩くことね」
 ポピーは少年にしっかり言い聞かせてから母親に引き渡し、踵(きびす)を返して雪かきを再開しようとした。
「見つかった?」
 ポピーの耳がピクリと動く。その男性の声には聞き覚えがあった。
 振り向いたポピーの目に映ったのは、先ほどの少年が、右手を母親と、左手を父親らしき男性とつないで去って行く姿。
 父親らしき男性は、例の配達員の彼だった。

 翌日。
 ポピーは鋭さ五割増しの目をしてカウンターに立っていた。
 常連たちはこの時期のポピーはだいたいこんな感じなので、いつも以上に機嫌が悪そうであっても気にも留めない。

 とある冒険者がにぎにぎしく店に駆け込んできた。
「なぁポピーさん! これ知らない? いつの間にか部屋にあってさ、誰かがサプライズプレゼントでもしてくれたんだと思うんだけどさ」
 冒険者が手にしていたのは金色のろうそく。銀の透かし彫りで蝶の模様があしらわれている。
「これに火をつけると途端に眠くなって、変な夢を見るんだ。なぁポピーさん、これ、あんたの店で売っている商品かい? だったら一ダースほど売ってほしいんだけど」
 うるさい冒険者の声が、寝不足のポピーの頭にガンガン響く。
「知らないよそんなもん!!」
 機嫌の悪いところに自分の店の商品でもないモノの面倒な問い合わせ。
 ポピーはとうとうキレた。

 その頃。

「ろうそくだぁ? 知らねぇなぁ……んなモン、ウチでは作ってねぇよ」

「たしかに夢といえばわらわという連想はわからんでもないがの。そんなこと聞かれても困るのじゃ」

 ヴィンダールヴルの工房で、オペラの滞在する宿で。
 同じろうそくがいつの間にか枕元に置かれていたという問い合わせが相次いでいた。
 しかもそれは、リブラネスタに限ったことではないようで……。

 多数報告された出所不明の不思議なろうそく。
 冒険者ギルドはこの謎のろうそくの置き去り事件、およびそれに付随する連続不法侵入事件を重く見て調査に乗り出した。
 現物を持ち込めば買い取るのはもちろんのこと、使用してどんな夢を見たか報告した場合でも情報提供提供料を支払う。
 そんな告知が大陸中の依頼書ボードの片隅に貼り出された。


執筆:九蓮宝燈

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0