【鉄鱗】鉄と血と龍殺し

assignment鉄と血と龍殺し 特設ページ

【鉄鱗】連動は『神匠』ヴィンダールヴルより発注された一連の依頼である。エドゥノーグを訪れたこの好漢が言うには、「迷宮に潜り、素材を入手してきてほしい」。各国の軍拡政策に伴って武具の素材が深刻に不足しているのだという。鉱石だけではない。皮革、木材、石材、糸や布、何でもいい。多種多様な素材を大量に商人ギルドに納品してくれ。それをしなければ話にならない。

assignmentここまでの流れ

戦乱の時代の到来を予感したヴィンダールヴルは独自の技術を解禁。これは古代から残る伝説級の武具には及ばないものの、現代作れる武具をより強力にする技術だった。帝国奪還の機運が高まる中のこの知らせに、各国の実力者や貴族、騎士らが配下の為にこぞって注文を始める。しかし――とにかく材料が足りない!

person_pin関連NPC

《授恵者》たちが振るう特殊な武器の作成を一手に担う鍛冶師。扱いの難しい《授恵者》の武器や防具の製作・調整に人生を捧げた結果、鍛冶のみならず、木工、裁縫、彫金など様々な分野に精通し、それぞれの分野の高弟を多数抱えている。

《本連動での動き》

独自技術により冒険者や騎士などの装備の大幅強化に成功。しかし材料が足りなくて困っている。なので、冒険者達に素材の採取依頼を大量に発注した。

刀の製法を再発見し、その功績を持って若くして匠王の座に就いたドワーフ。性格のチャラさは生まれつきだが、鍛冶への情熱は深い。

《本連動での動き》

ヴィンダールヴルに認められた鍛冶師。秘伝を伝授され、クリエイティブ心を燃やしている。

人命第一主義の探索者支援ギルド長。書類仕事より現場に出るのが好き。探索者をとても可愛がっている。自身はたたき上げなのだが、後輩たちに対しては時折過保護ともいえる対応を見せることも。

《本連動での動き》

仕事が増えて大変。ストレスが溜まっている。大量発注はいいけれど探索者たちが危険な目に遭ったり、働きすぎで注意力を損なった結果事故を起こしたりしないかと気が気でないらしい。

menu_book関連用語・情報

エドゥノーグダンジョン

【浅層】、【主幹路】、【枝場】からなる。
【浅層】は2階層からなり、第一階層は水生生物が多い。食料資源の乏しいエドゥノーグにおいて貴重なタンパク源となっている。
第二階層は続く主幹路の入り口として存在しているが、未開拓な道や、新たに発見される道があるなど、一部は入り組んだ地下迷路の様相を呈している。迷宮鼠と呼ばれる浮浪者達が住むことでも知られる。
【主幹路】は地下迷宮の中でも比較的変化が少ない、「通路」として存在している。とはいえ、階段のようであったり、小部屋をくぐり抜けながら地下へと緩やかにくだっていくようなものなど、外観はその時々で様々である。共通していることは、「地下へと向かい」、「たくさんの【枝場】を生み出しながら」、「最終的に行き止まりに至る」ことである。
探索者が【枝場】の探索を行っているうちに、いつの間にかさらに地下へと向かう道ができたり、【枝場】を通じて【主幹路】にたどり着くこともある。
現在確認されているだけでも「夢」「武」「知」「罠」と名付けられている【主幹路】が存在し、それぞれに特徴的な「枝場」を生み出すことで知られる。
【枝場】は少ダンジョン、小迷宮とも呼ぶべき場所で、探索者が挑むことになる場所となる。

探索支援ギルド

探索支援ギルドはその名の通り、エドゥノーグ迷宮を探索することをあらゆる面でサポートしている。その役割は大きく分けて三つ。
まずは安全。エドゥノーグ迷宮の情報を収集、提供している。探索者は地図、出現モンスター、素材、安全地帯などの情報を安価で得ることができる。
次に取引。探索支援ギルドは探索者の獲ってきた獲物を適正価格で買い取る。また、探索者の得てきた情報なども買い取ることがある。
最後に治安。エドゥノーグでは迷宮内での犯罪を犯した者は「迷宮犯罪者」と呼ばれ、通常の犯罪と別枠で厳しく追跡される。

三組織

迷宮を経済の中心に据える三つの組織。
迷宮に潜る冒険者たちをサポートする「探索支援ギルド」、迷宮から得られる資源の利用を行う「エドゥノーグ職人組合」、迷宮から得られる商材を扱う「エドゥノーグ商人ギルド」。
これらはそれぞれの形で迷宮を活動の軸に据えている。

その他

エドゥノーグについて
エドゥノーグダンジョンについて

 『神匠』ヴィンダールヴルが薬草サウナに冒険者を集めて面談した。
 会場では濃厚な鍛冶トークに盛り上がる者がいたり、決闘した者がいたり、ヴィンダールヴルを煽る者がいたりの混沌が生まれた。
 その裏では浴場で甘酸っぱい出来事があったり、デートや女子会があったりしたのだが、それはまた別の話。

 そんな事件が起きた数日前のこと。
 夢の塔エドゥノーグ探索者支援ギルドの応接室にて、ヴィンダールヴルとギルド長エフィミアが顔を突き合わせていた。

 突然のヴィンダールヴルの訪問の理由はこうであった。
 先日、ヴィンダールヴルが既存の武器をより強力にする新技術を解禁し、彼とその一門への発注が急激に増大した。
 冒険者のみならず、各国の実力者や貴族、騎士らが、自身のもののみならず、彼らの配下にも新しい装備を行き渡らせようとした結果、材料が枯渇。
 そこで目を付けたのがエドゥノーグ迷宮。ここならば多種多様な素材を大量に入手することが可能だ。しかもこの迷宮から取れる素材は授恵者によくなじむ。
 この先の戦乱の時代を授恵者達が生き抜くために力を貸してほしい。
 ――そういうことであった。

「お話を聞いている限り、ほとんど現在解放されている区域で十分まにあうわね」
 エフィミアはヴィンダールヴルが要求する素材のリストを順に確認し、ひとつずつそれらが採れる枝場の脅威度を検討していく。
 ホウセキレイ。『飛ぶ宝石』と喩えられる美しい鳥で、その名の通り体のほとんどが硬質な結晶で包まれている。
 牛頭ごず。斧を振るう牛面人身の獣で、その肉は大変上質。斧のほうも鉄素材として使用でき、捨てるところがなく二重の意味で美味しい。
 アラクネ。粘着質の糸を吐く蜘蛛。倒すと絹のような上質な糸をドロップする。
 等々。
 いずれも現在の探索者、あるいは兼任冒険者の実力なら十分対応できる魔獣・クリーパーである。
 エフィミアは、冒険者にこの程度の素材を取りに行かせることには異論はなかった。

「だろ? で、相談はこいつなんだが」
「これは危険すぎるからダメです。わざわざ危険なこの枝場を解禁する理由がないわ」
 エフィミアは拒絶の意思を表する。
 ヴィンダールヴルが指したのは鉄龍の鱗。
 鉄龍とは、黒く輝く無機質な鱗を持つ龍である。
 しかし最近起きた変動でこの龍が巨大・狂暴化。多数の取り巻きを引き連れるようになった。それにより現在、鉄龍が出現する枝場は同じ深さの他の枝場よりも群を抜いて危険な場所となっており、エフィミアが封鎖したばかりだったのだ。

「お前の目にはそう見えるのかもしれねぇが、それはちっとばかし過保護なんじゃねぇか。あいつらはそんなに弱くはねぇし、少なくとも無理なら劣勢を悟って自分の身を守りながら帰ってくるぐらいのことはできるはずだ」
 鉄龍の鱗を含め、エフィミアにいくつかの素材の納品を拒否されたヴィンダールヴルは、困ったように白いひげを撫でる。
 エフィミアの言うことも、根拠のないことではないのだろう。
 しかしヴィンダールヴルとて、帝国の滅亡以降、授恵者達の目覚ましい活躍を傍で見てきたのだ。彼らならこれくらいやれると思ったからこそ、はるばるエドゥノーグまで来たのである。
「俺が直接会ってくる。それでもし、危険な場所に潜ってでも俺の願いに応えようとしてくれる奴がいたら、もう一度考え直してくれねぇだろうか」

 かくしてヴィンダールヴルと冒険者達の面談の結果、エフィミアがいくらか譲歩することになった。
 エフィミア自身、最近彼らの実力を自分でも確認し、彼らは思っていたよりもやると見直したばかりだった。
 ヴィンダールヴルが面談した冒険者の中にはそれなりの人数の鉄記章所持者がおり、エフィミアが推薦した者も含まれているとあっては納得するしかない。

「危険な場所には! 私が!! 絶対についていくから!!! そのつもりで!!!!」
 しかし過保護なギルド長は、この一つの条件を課すことだけはどうしても譲らなかった。

 かくして『神匠』ヴィンダールヴルの名のもと、大量の素材の採取依頼が発注される運びとなった。どうやら、師匠に続いてヴィンダールヴルの弟子たちもやってくるつもりらしく、素材はどれだけあっても良いようだ。

 一方、エドゥノーグ商人ギルドと職人組合。
 商魂たくましい彼らは、ダンジョン素材の特需と、大人数の冒険者・職人の来訪を商機と見た。
 鍛冶師といえばドワーフ。ドワーフならば酒が好きに違いない。
 美酒を揃えよ。珍味も必要だ。美しい酌婦を手配しろ。
 冒険者の財布を狙え。今度こそ伝統のカエル料理で胃袋を掴め。
 カカオフィーバーの熱も冷めきらないうちに再びやってきた祭りビジネスチャンス。
 エドゥノーグは猫も杓子も異様な盛り上がりを見せていた。


執筆:九蓮宝燈
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0