《2.Kirschtorte》《お客さま募集中》
『《いばら》、《いばら》。はやくおし』
『ドレスは仕上がっているかい?……うん。うん!良い出来だ。腕を上げたね』
『魔女の集会も楽じゃあないね。皆、『流行り』に敏感なんだ』
『留守は頼んだよ!お前の好きそうな砂糖菓子を買ってくるからさ!』
ここは森の奥深く。
シュテッヒパルメのおかしなやかた。
あまいにおいに誘われたなら。
どうぞ、ベルを鳴らしてご覧なさい。
ああ、けれど――今、ヘクセンハウスの中に居るのは。
目の下に『くま』を浮かせたおんながひとりきりのようだけれど。
- - - - - - - - - -
《どなたでもどうぞ》
ここは、そう。ロールプレイを楽しむ所。
私からは。早めに、お返事をお返しするわ。
一度に招けるお客さまは。そうね、2、3名さま位。
区切りのいい所で締め括り。
森に迷い込んだひとを、無下にはしないわ。
ああ。でも……『つまみぐい』をしては駄目よ。
怒られるのは、私なのだから。
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『ドレスは仕上がっているかい?……うん。うん!良い出来だ。腕を上げたね』
『魔女の集会も楽じゃあないね。皆、『流行り』に敏感なんだ』
『留守は頼んだよ!お前の好きそうな砂糖菓子を買ってくるからさ!』
ここは森の奥深く。
シュテッヒパルメのおかしなやかた。
あまいにおいに誘われたなら。
どうぞ、ベルを鳴らしてご覧なさい。
ああ、けれど――今、ヘクセンハウスの中に居るのは。
目の下に『くま』を浮かせたおんながひとりきりのようだけれど。
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《どなたでもどうぞ》
ここは、そう。ロールプレイを楽しむ所。
私からは。早めに、お返事をお返しするわ。
一度に招けるお客さまは。そうね、2、3名さま位。
区切りのいい所で締め括り。
森に迷い込んだひとを、無下にはしないわ。
ああ。でも……『つまみぐい』をしては駄目よ。
怒られるのは、私なのだから。
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シュタッヘル ロゼ
2020年10月04日 00時05分53秒 |chat9
2020年10月04日 00時06分14秒
シュタッヘル ロゼ
(夜明け。鴉、次いで、小鳥が歌い出すころ。おんなは反物に埋もれて四肢を床に投げ出していた。何故って、師が『よそゆきのドレス』を仕立てて欲しいと弟子に命じたのは、ほんの三日前だったのだ)
……うう、
(地を這うような呻き声が唇から漏れ出た。みっつの月を見送って、みっつめの太陽を迎えた。なんとか成し遂げた一作は、師をたいそう喜ばせたから。達成感はあった。あった、が、)
お母さまは、……無茶ばかりだわ……。
(ずるずると起き上がり、身支度を整える。客人が来ないとも限らない。紅を引く筆が震えなかった己をひっそりと讃え乍ら、鍋を火にかけた。こんな時は、うんと香辛料を効かせて、ミルクで煮出したお茶が良い。砂糖は多めに。体の芯まで温まるような一杯を)
(弱火で緩々と茶葉を煮出す間。おんなはすこし。ほんのすこしだけ、目を伏せて船を漕ぎ始めた)
(――来訪者が銀砂糖のベルを鳴らしたなら。『がたん!』と。おんなが飛び上がる、すこし賑やかな音がおかしな館から聞こえて来る筈で)
……うう、
(地を這うような呻き声が唇から漏れ出た。みっつの月を見送って、みっつめの太陽を迎えた。なんとか成し遂げた一作は、師をたいそう喜ばせたから。達成感はあった。あった、が、)
お母さまは、……無茶ばかりだわ……。
(ずるずると起き上がり、身支度を整える。客人が来ないとも限らない。紅を引く筆が震えなかった己をひっそりと讃え乍ら、鍋を火にかけた。こんな時は、うんと香辛料を効かせて、ミルクで煮出したお茶が良い。砂糖は多めに。体の芯まで温まるような一杯を)
(弱火で緩々と茶葉を煮出す間。おんなはすこし。ほんのすこしだけ、目を伏せて船を漕ぎ始めた)
(――来訪者が銀砂糖のベルを鳴らしたなら。『がたん!』と。おんなが飛び上がる、すこし賑やかな音がおかしな館から聞こえて来る筈で)
2020年10月04日 10時58分17秒
(白い髪に氷色の瞳。朝露を踏んで、エルフの青年が一人。何処かぼんやりした顔で歩いていた。町の喧騒を離れて幾日だろうか。歩きすぎたようだ。訪ねる宛てはなく、この森のことも知らない。――ふと、甘い匂いを感じて顔をあげれば。視界に入ったものに、物思いからさめた顔をした)
……お菓子の家。
(見た印象そのままをぽろり口に出す。夜明けの森の中にお菓子の家。幻を疑うよりもすぐに、楽天家ゆえの好奇心が疼いて。そっと建物に歩み寄る。高価な楽器に触れる時のように、ちょっと恐る恐るの仕草で、砂糖菓子の扉を指で撫ぜ。扉の向こうには誰がいるのだろうか? 一呼吸置いてから、ベルを鳴らした)
ごめんください。ここは――
……お菓子の家。
(見た印象そのままをぽろり口に出す。夜明けの森の中にお菓子の家。幻を疑うよりもすぐに、楽天家ゆえの好奇心が疼いて。そっと建物に歩み寄る。高価な楽器に触れる時のように、ちょっと恐る恐るの仕草で、砂糖菓子の扉を指で撫ぜ。扉の向こうには誰がいるのだろうか? 一呼吸置いてから、ベルを鳴らした)
ごめんください。ここは――
2020年10月04日 19時37分38秒
シュタッヘル ロゼ
(ちりん、と。アラザンのベルが来訪者を告げて、数拍)
『がたん、ごつん!』『いたい!』
(派手な音、次いで、おんなの情けない悲鳴が上がった)
(更に数拍後。ビスケットのとびらがキィと音を立てて開く)
(中から顔を出したのは、赤くなった額を押さえる長耳のおんなだった)
どなた?
(しろ。ましろ。冬を閉じ込めたような彩を持つ、長耳のおとこ。この辺りの魔女に名を連ねる者ではないように思えた。ならば、)
小鳥の合唱を聴きに?それとも、発つ鴉を見送りに来たのかしら。
……此処は。魔女の住処。柊の魔女の館よ。
(目の下に薄く隈を浮かべたおんなは、おほん、とちいさく咳払いをして。何かを取り繕っているようだった。 ……要は誤魔化しているのである。『さっきの。聞いていないですよね』と言いたげに)
『がたん、ごつん!』『いたい!』
(派手な音、次いで、おんなの情けない悲鳴が上がった)
(更に数拍後。ビスケットのとびらがキィと音を立てて開く)
(中から顔を出したのは、赤くなった額を押さえる長耳のおんなだった)
どなた?
(しろ。ましろ。冬を閉じ込めたような彩を持つ、長耳のおとこ。この辺りの魔女に名を連ねる者ではないように思えた。ならば、)
小鳥の合唱を聴きに?それとも、発つ鴉を見送りに来たのかしら。
……此処は。魔女の住処。柊の魔女の館よ。
(目の下に薄く隈を浮かべたおんなは、おほん、とちいさく咳払いをして。何かを取り繕っているようだった。 ……要は誤魔化しているのである。『さっきの。聞いていないですよね』と言いたげに)
2020年10月05日 21時32分54秒
…?(何か、音と悲鳴がきこえたような。呑気に屋根を眺めていた視線が思わず扉へ戻る。どうやら中の誰かを慌てさせたようだ、とは思いながら、とりあえず。扉が開くまで静かに立っていた)
やあ、お取り込み中にすみません。
(相手を見返す少しの間があって。その長耳に同種の女性と窺い知りつつ)それが、小鳥の合唱ならもう随分聴きました。まぬけな吟遊詩人がいつもの如くぶらぶらしていたら、まるで知らない森に来てしまったというわけで――
ああ、(得心がいった。青年の目に、彼女の風貌は、魔女と聞けばなるほどそう映る。…さっきの音と額のあかさは、気になったけれど)魔女の領域でしたか。これはどうも、立ち入った僕をお許しください。
もうしばらく森にいてもお怒りになりませんか? 実をいうと足が棒なんです。すぐには出て行けそうもない。(銀の竪琴と小さな旅袋。およそ森を行く格好ではない男は、肩を竦めてへらりと笑う)
やあ、お取り込み中にすみません。
(相手を見返す少しの間があって。その長耳に同種の女性と窺い知りつつ)それが、小鳥の合唱ならもう随分聴きました。まぬけな吟遊詩人がいつもの如くぶらぶらしていたら、まるで知らない森に来てしまったというわけで――
ああ、(得心がいった。青年の目に、彼女の風貌は、魔女と聞けばなるほどそう映る。…さっきの音と額のあかさは、気になったけれど)魔女の領域でしたか。これはどうも、立ち入った僕をお許しください。
もうしばらく森にいてもお怒りになりませんか? 実をいうと足が棒なんです。すぐには出て行けそうもない。(銀の竪琴と小さな旅袋。およそ森を行く格好ではない男は、肩を竦めてへらりと笑う)
2020年10月11日 01時04分15秒
シュタッヘル ロゼ
……すこし、ぼうっとしていたから。すこうし、驚いただけ。
(貴方に非は無いわ、と言の葉重ねて。おとこが身の上を語り始めたなら、すこし泳いだ視線。ややあって、恐る恐る。蜜色の瞳がおとこのそれと重なった)
貴方、余所の長耳ね。
貴方のような目を惹くうたうたいを、鳥や花々が見逃すとは思えないもの。
(何処から歩いてきたのか、と。どれ程迷っていたのか、と。言外に添えて)
よくてよ。
柊の魔女は迷えるニンゲンを受け入れる。……それが余所者だったとしても、差別はしない教えなの。
(ほんとうを言うと。口が達者ではないから、いつ『ぼろ』が出てしまうか、気が気ではないのだけれど)
……お茶を淹れていたところだから。
(入ったら、と。おんなは断り一つ入れて、扉を大きく開いておとこを招いた。香辛料と茶葉、ミルクのにおい。それから、あまい、焼き菓子の。使い魔と思しき黒猫や梟が、来客を遠目から見詰めていた)
お掛けになって。……ねえ。あなた。あまいものは、お好き?
(貴方に非は無いわ、と言の葉重ねて。おとこが身の上を語り始めたなら、すこし泳いだ視線。ややあって、恐る恐る。蜜色の瞳がおとこのそれと重なった)
貴方、余所の長耳ね。
貴方のような目を惹くうたうたいを、鳥や花々が見逃すとは思えないもの。
(何処から歩いてきたのか、と。どれ程迷っていたのか、と。言外に添えて)
よくてよ。
柊の魔女は迷えるニンゲンを受け入れる。……それが余所者だったとしても、差別はしない教えなの。
(ほんとうを言うと。口が達者ではないから、いつ『ぼろ』が出てしまうか、気が気ではないのだけれど)
……お茶を淹れていたところだから。
(入ったら、と。おんなは断り一つ入れて、扉を大きく開いておとこを招いた。香辛料と茶葉、ミルクのにおい。それから、あまい、焼き菓子の。使い魔と思しき黒猫や梟が、来客を遠目から見詰めていた)
お掛けになって。……ねえ。あなた。あまいものは、お好き?
2020年10月12日 21時19分05秒
いえ、とんだ失礼を。やたら人に話しかけるのが悪い癖で。(とは言いながら本気で悪びれる風はない。蜜色の眼と視線が重なれば、気楽な笑顔を返し)それはもう。僕みたいなのは、どこへ行ってもよそ者です。グランスパーダのお邸でしかめつらしい歌ばかり差し上げていて、少し前に飽き飽きして出てきましてね、(急に周りを気にする振り)──おっと、悪いことは言えないや。
(柊の魔女。こちらを見つめる、梟や黒猫のひとみ。女の、淑やかな口調。何ともいえぬ不思議な空気だと、頭の隅で思いつつ)
ええ、好きですが……もしかして、ご相伴にあずかれるんですか? 嬉しいなあ。もう数刻経てば行き倒れるところでした。(態度に警戒心はなく。おおげさな戯れ言も、招かれるまま扉を抜ける軽さも、いかにも旅芸人の野面皮で。それでも腰掛けるまではゆかず、彼女を見て躊躇った訳は)
あの。素寒貧ってわけじゃありませんが、お返しできるものがあるかどうか。
(柊の魔女。こちらを見つめる、梟や黒猫のひとみ。女の、淑やかな口調。何ともいえぬ不思議な空気だと、頭の隅で思いつつ)
ええ、好きですが……もしかして、ご相伴にあずかれるんですか? 嬉しいなあ。もう数刻経てば行き倒れるところでした。(態度に警戒心はなく。おおげさな戯れ言も、招かれるまま扉を抜ける軽さも、いかにも旅芸人の野面皮で。それでも腰掛けるまではゆかず、彼女を見て躊躇った訳は)
あの。素寒貧ってわけじゃありませんが、お返しできるものがあるかどうか。
2020年10月13日 20時33分54秒
シュタッヘル ロゼ
気にしていないわ。魔女の館を訪れるものは、決まって『知りたがり』なのよ。
(故、無作法だと怒り狂って『ねずみになっておしまい!』……といった風な如何にもな魔法をかけたりはしないから、安心して良い、と。半分寝惚けた頭のおんなの発言は、常より大分、フワッとしたものになっていた)
(幸い初対面だ。彼がその『ぼろ』に気付くことは無いだろう(という事を考えることも、いまのおんなの頭は回せているか危うかった))
グランスパーダ……そう。長耳はなにかと、ニンゲンが『みせもの』にしたがるものね。
(長く、永く。衰えることなく、老いることなくうつくしい歌声を響かせるその喉を、そのかんばせを。屹度、彼は重宝されていたのだろう。それこそ、本人が飽き飽きしてしまう程に)
森の中で倒れられてしまったら、困るわ。
目覚めた時は熊や狼の腹の中だなんて、笑い話にもならないもの。
(火にかけていた小鍋を下ろし、濾し器を隔てたポットへ注ぎ込む。上出来だ)
(少し困った、と言った様子のおとこを見れば、ふ、と瞳を撓め)
それなら。小腹を満たしてからで良いわ。
あなたの音色を聴かせてくれたなら。それで十分よ。
(告げて、奥の棚を指し示して見せた)
(弦楽器がひとつ、ふたつ。弓で弾くものと、ゆびさきで弾くもの)
(おんなと、おんなの師のものだ。『音を聴けばひとがわかる』と、おんなはそう囁いて微笑んだ)
(故、無作法だと怒り狂って『ねずみになっておしまい!』……といった風な如何にもな魔法をかけたりはしないから、安心して良い、と。半分寝惚けた頭のおんなの発言は、常より大分、フワッとしたものになっていた)
(幸い初対面だ。彼がその『ぼろ』に気付くことは無いだろう(という事を考えることも、いまのおんなの頭は回せているか危うかった))
グランスパーダ……そう。長耳はなにかと、ニンゲンが『みせもの』にしたがるものね。
(長く、永く。衰えることなく、老いることなくうつくしい歌声を響かせるその喉を、そのかんばせを。屹度、彼は重宝されていたのだろう。それこそ、本人が飽き飽きしてしまう程に)
森の中で倒れられてしまったら、困るわ。
目覚めた時は熊や狼の腹の中だなんて、笑い話にもならないもの。
(火にかけていた小鍋を下ろし、濾し器を隔てたポットへ注ぎ込む。上出来だ)
(少し困った、と言った様子のおとこを見れば、ふ、と瞳を撓め)
それなら。小腹を満たしてからで良いわ。
あなたの音色を聴かせてくれたなら。それで十分よ。
(告げて、奥の棚を指し示して見せた)
(弦楽器がひとつ、ふたつ。弓で弾くものと、ゆびさきで弾くもの)
(おんなと、おんなの師のものだ。『音を聴けばひとがわかる』と、おんなはそう囁いて微笑んだ)
2020年10月16日 21時46分26秒
あはは、ご友人の朝食にされなくてよかった。ほんと、「どうしてお菓子が?」って思いました、この館が見えたとき。(つい、使い魔達の方を窺った。もっとも、かれらが鼠など食べるのかは知らないが。『知りたがり』、その通りだと笑い)
(所在なく立っていたのも束の間。相手の寛容にちらりと微笑んで、漸く言われた通り腰かける。少ない荷物を足元に下ろしながら)笑えませんけど、おとぎ話にはなりそうですよ。どこかでそんなネタを聞いたような…
(気のせいか。見世物という彼女の言葉選びに、何かを感じて)
見目をどうこう言われることは、たしかにありますね。良くも悪くも。──貴女もですか?(聞き返す。慣れてしまった己には、そういう感覚が薄れて久しい)
(指し示された弦楽器にパッと顔が輝き)へえっ! ハイアルヴの巡り合わせだ。もちろん、喜んで。(囁きをきけば。口元に指添えて、悪戯をする前の子供のように微笑んだ)気が抜けないなぁ。僕というひとが聴こえるんですか。きっとうるさくなりますよ。
(所在なく立っていたのも束の間。相手の寛容にちらりと微笑んで、漸く言われた通り腰かける。少ない荷物を足元に下ろしながら)笑えませんけど、おとぎ話にはなりそうですよ。どこかでそんなネタを聞いたような…
(気のせいか。見世物という彼女の言葉選びに、何かを感じて)
見目をどうこう言われることは、たしかにありますね。良くも悪くも。──貴女もですか?(聞き返す。慣れてしまった己には、そういう感覚が薄れて久しい)
(指し示された弦楽器にパッと顔が輝き)へえっ! ハイアルヴの巡り合わせだ。もちろん、喜んで。(囁きをきけば。口元に指添えて、悪戯をする前の子供のように微笑んだ)気が抜けないなぁ。僕というひとが聴こえるんですか。きっとうるさくなりますよ。
2020年10月17日 19時52分25秒
シュタッヘル ロゼ
(黒猫は欠伸をひとつ。梟はぎょろりと首を回す。興味があるのかないのか、視線を合わせようとすると自然と彼らは気配を潜めた。敵意はないのだろう。今の所)
あまいにおいに釣られた子どもは。
魔女の大鍋へご案内……、……ニンゲンが好きそうな話よ。
(柊の魔女はニンゲンと(で)遊ぶ事が大好きな、とってもお茶目でとっても友好的な魔女である。彼女は魔女であるからして、愛情表現や常識がちょっぴり明後日の方向へ向かってはいるけれど。少なくとも、甚振ったり殺したり呪ったりだなんだをするような類いの魔女ではないのだと語り)
…………そう見えて?
(おとこの問いに、おんなは困ったように。元々下がり気味の眉と耳を更に垂れ下げた。恐らく、きっと。あまりに長く『そう』だったが故に。悪意はないのだろうけれど)
未遂よ。…………私は。逃げてきたの。
(何からか、と迄は口にしなかった)
(砂糖を多めに溶かし込んだ、香辛料を効かせた甘いミルクティ。朝焼けの風は寒かったろうと、カップに満たしたそれをおとこの前に寄せて。台所へ引っ込むこと暫し。厚切りのハムに溶かしたチーズ。竃で炙っておいたパンへ、刻んだ香草たっぷりのトマトソースを塗り込んでから具材を挟む。少し食べ応えのあるものの方が宜しかろうと)
どうぞ。食べられるだけ。
良いわ、今は少し賑やかな位が良い。一仕事終えたばかりで、気分転換したかったところだから。
……『耳が良い』のは、お互いさまでしょう?
あまいにおいに釣られた子どもは。
魔女の大鍋へご案内……、……ニンゲンが好きそうな話よ。
(柊の魔女はニンゲンと(で)遊ぶ事が大好きな、とってもお茶目でとっても友好的な魔女である。彼女は魔女であるからして、愛情表現や常識がちょっぴり明後日の方向へ向かってはいるけれど。少なくとも、甚振ったり殺したり呪ったりだなんだをするような類いの魔女ではないのだと語り)
…………そう見えて?
(おとこの問いに、おんなは困ったように。元々下がり気味の眉と耳を更に垂れ下げた。恐らく、きっと。あまりに長く『そう』だったが故に。悪意はないのだろうけれど)
未遂よ。…………私は。逃げてきたの。
(何からか、と迄は口にしなかった)
(砂糖を多めに溶かし込んだ、香辛料を効かせた甘いミルクティ。朝焼けの風は寒かったろうと、カップに満たしたそれをおとこの前に寄せて。台所へ引っ込むこと暫し。厚切りのハムに溶かしたチーズ。竃で炙っておいたパンへ、刻んだ香草たっぷりのトマトソースを塗り込んでから具材を挟む。少し食べ応えのあるものの方が宜しかろうと)
どうぞ。食べられるだけ。
良いわ、今は少し賑やかな位が良い。一仕事終えたばかりで、気分転換したかったところだから。
……『耳が良い』のは、お互いさまでしょう?