『夜と鳩琴』/ 22:40


リブラネスタ。専用の黒い一頭立ての馬車を下りてすぐの、石造りの階段を下りる。
地下へ下る道の突き当り。積まれた樽の横に、黒檀の扉があった。
中に入ると夜の砂漠の様に寒々しい空気と、他では何も思い当たらない独特な香りが君を出迎える。
広がる光景は雑多だった。
絡み合う鉄の管。木の滑車。細長い壜に入った毒々しい液体。
虹色に光を照り返す金属。踊る人形。血の滴り続ける剣。
木片。宝石。積まれた本。上等なプレッツェル。青く瞬く蝶。

その中心にいる少女のような女が、静かに扉へ振り向いた。

◆Situation : // 22:40の夜 + 店内
◆Rule   : // 1:1限定 + 先着 + 長文推奨
2020年09月22日 01時42分54秒 |10

2020年09月22日 02時12分30秒
(ここに来る客は様々だ。
 四割は消耗品の『紋具』『触媒』を買いに来る。
 火に変わる粉末や、闇を照らす水晶なんかがそれだ。彼らは安定していて、上客だ。
 三割は食事に来る。この店が飲食店として何処ぞに書かれた事実は、確認する限り無い。
 冒険者共が酒場で広めた度胸試しとやら――失礼な話だ――が大半だ。
 こいつらは半分が満足して、半分が魂の抜けたような顔をして帰る。
 一割は武器だ。以前から度々注文があったが、以前ならば断っていた。
 しかし『状況』が変わった今なら受けるに吝かでも無いが――
 そこから、注文はまだ来ていない。
 そして、残り二割は……まったく、想像も付かない事を依頼されるものだ。
 受けれるものもあれば、受けられないものもある。大抵は禄でもないことだが。
 ――さて、次の客は一体何をねだるのか。やりがいのある仕事なら歓迎だ。)

(扉の向こうで、馬の嘶きが聞こえた気がした)

2020年09月22日 09時09分25秒
(扉を開く音と共に中には入って来たのは身長が190近い大柄のハーフビーストであった。
彼は一瞬周りを興味深そうに見てからお目当ての人物を見つけるとその女性に近付き声を掛ける)
失礼致します。
紋具の取り扱いをされている場所があると聞き足を延ばしたのですが、こちらでよろしかったでしょうか?

2020年09月22日 11時05分17秒
(扉から入って来た男は初見のハーフビーストだった。
 『帝国』の動乱以降、此処を訪れる客層にも変化がある。初見の客は珍しくない。)
いらっしゃい。ハーフビーストかい。
(半獣の被差別階級。容姿には人の比率が高い。
 体躯も良く、顔色も悪くない。良い生活を送っている証拠だ。
 初見の店でも警戒する素振りを見せないのは、下調べの結果か、それとも)
間違っちゃいない。だが、お目当ての物があるか保証は出来ないね。
ハーフビーストが買ってく物と言ったら『獣隠しの衣』かい? お前にゃ必要なさそうだが。

2020年09月22日 15時15分56秒
(目の前にいる少女は噂に聞く限り自分よりも歳上の存在である。であれば卑屈にならない程度にはこちらが下出の方が良いだろう)
その通りです。今回欲しているものは『獣隠しの衣』になります。
(必要ない、と言った所から考えるに自らの身なりを見ての結果だろう、と内心観察眼の高さに驚きながら表情は笑みのまま)
確かに日常生活では必要ありませんが、かといって用途がない訳ではありません。

2020年09月22日 23時48分54秒
ふうん? お前は自らが半獣であることを厭うている様には見えんがな。
言っとくが、他人の為に贈ろう、等と思っているなら譲らんぞ。
このラドは見もせぬ人間の為に紋具は作る事は無い。
そうでないと言うなら、言ってみろ。お前の言う『用途』とやらをな。
(問いながら、グラスに金色に輝く砂粒のような何かを入れる。
 チン、とグラスを机の角で打ち鳴らすと、底から水が沸いて出た。
 先程まで底で光っていた粒は溶けるでも無く消えてなくなっていた。
 女は水の入ったグラスを放り投げると、それは男の前で器用に静止する。
 一滴と零れてはいない。喋る前に喉を潤せ、ということらしい)

2020年09月23日 01時35分12秒
これはありがとうございます(笑みを浮かべながらグラスを受け取ると水を飲み)
勿論自分の為に使います。
とは言ってもあくまでも用途普通の使い方に変わりませんよ。
耳と尾を隠すだけ、それだけです。
…ところでこんなお話をご存知でしょうか。人を探す時に第一印象から外れた場合選択肢出ることは無いと。
つまり僕達ハーフビーストの第一印象は勿論この耳か尻尾になりますね。
ハーフビーストならそこを、ヒューマンならそれがないのを。
ヒューマンがやった出来事で、ハーフビーストを探そうとするのでしょうかね

2020年09月23日 19時27分40秒
(山岳地方の民族紋様の刻まれた金属製の長い棒――金属にこのような細工を出来るのはドワーフくらいの物だ――を口に咥えて、香草の香りを燻らせながら)
随分と要領の得ない話し方をするな。誤魔化したい事かい?
お前が『誰』に……どんな存在に対してこのラドの作品を使うのか。興味があるのはそこだ。
お前は誰にその耳と尾を隠す?

2020年09月25日 08時23分22秒
おっと、これは失礼致しました。
どうにも煙に巻く言い方というのが癖になってしまってまして(苦笑しつつ)
端的に言うのであれば王国に住むとある貴族を監視する為にこの耳と尾を隠したいのです。
王国では当たり前ですが私達種族の差別は激しい。
なんてことはない事故で目立ちたくはない、故に。

2020年09月28日 21時46分45秒
(咥えていた金属製の筒を外して、手元の紙にとんとんと叩く。これは筆記具も兼ねている代物で、紙面には煤のような痕が付いた)
成程ね。貴族相手に……監視、と来たか。復讐か……依頼か? それとも、義憤か。
まあ、依頼という線は少ないか……そんな事、あえてハーフビーストに頼む奴なんざ居やしないからね。
…………フン。別に見繕ってやっても構わんがね。だが、クレームは受け付けんぞ?
貴族とお前は言ったが、当然向こうにも人並みに知性はある。相手は獣ではない。
“紋具”の効果は、同じく“紋具”で無効化される可能性を孕む。
恨みを買うような輩は、特にな……。それでもお前は、この布切れを欲するか?

2020年10月01日 09時25分26秒
どちらかと言えば依頼と言えます。
私自身に思う事がないわけではないですが、私の雇い主である方は所謂よく見るような貴族が嫌いな質でしてね。
今回もその一環で頼まれたものになります。

勿論把握しています。
今回に関しては監視のみになりますので、最善の注意を払いますがメインとなる者達に比べればまだ楽な方ですから
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0